炎症性疾患の要因へ理解を深める | 武田薬品
炎症性疾患の要因へ理解を深める
本情報は、疾患への理解を深めることのみを目的に公開されます。ここで使用されるアニメーションやオーケストラの例えも、理解を助けることのみを目的としています。医療面の助言が必要な場合は医療従事者に相談してください。本情報の公開時点では、タケダにはTYK2を標的として承認された製品はありません。また、そうした製品が今後承認されるという保証もありません。
TYK2を含む「免疫オーケストラ」や、一部の炎症性疾患に関わる免疫経路の研究を進める重要性について解説した、約2分の動画をご覧ください。
炎症とは、ウイルスや細菌などの外敵から人体を守るために免疫システムが使用する重要な防御メカニズムです1。しかし、そうした外敵がないときに免疫システムが活性化されると、乾癬や乾癬性関節炎、炎症性腸疾患(IBD)といった慢性的な炎症性疾患を引き起こすことがあります1。
タケダの消化器系・炎症性疾患領域部門でバイスプレジデント兼免疫フランチャイズのグローバル臨床リーダーを務めるグラハム・ヒープ医学博士は次のように述べています。「免疫介在性の炎症性疾患とともに生きる人は、現在何百万人にも及んでいます。そこで私たちは、こうした疾患で示唆され、すでに共有されている免疫学的経路や2-3 、遺伝子学的4かつ臨床的に関連が確認されている5 標的、つまりTYK2への理解を深めようとしています」
炎症を引き起こす免疫応答の調整に、ヤヌスキナーゼ(JAK)と呼ばれる酵素ファミリーが関わっていることがあります。この免疫反応は、JAKファミリーのメンバーであるJAK1、JAK2、JAK3、およびチロシンキナーゼ2(TYK2)がそれぞれ独自の役割を果たすオーケストラに例えることができます。
JAK1、JAK2、JAK3は、さまざまな生物学的機能、つまりメロディーを担当し、免疫応答に寄与しています。TYK2は、その免疫応答のリズムを安定させる役割を担います2-3。免疫性疾患とともに生きる患者さんの一部では、このTYK2が過度に活発になり(オーケストラで音が非常に大きくなり)、過剰な免疫応答や慢性的な炎症を引き起こしているのです。
例えるなら、指揮者が一生懸命にバランスをとって美しいシンフォニーにしようとしているけれど、指揮者一人の力ではどうにもならないといった状態です。そこで、TYK2を標的とすることにより、過剰な免疫応答を抑えようという研究が進んでいます。タケダもそうした研究に取り組む一社です。
グラハムは「タケダは240年以上にわたり患者さんのためにイノベーションを起こしてきました。私たちは、TYK2への理解を進め、最先端の科学を活用していくことで、アンメットニーズを抱えながら炎症性疾患とともに生きる患者さんに貢献しようとしています」と述べています。
「免疫介在性の炎症性疾患とともに生きる人は、現在何百万人にも及んでいます。そこで私たちは、こうした疾患で示唆され、すでに共有されている免疫学的経路や、遺伝子学的かつ臨床的に関連が確認されている標的、つまりTYK2への理解を深めようとしています」
グラハム・ヒープ医学博士 タケダ 消化器系・炎症性疾患領域部門バイスプレジデント
- Fullerton, J. N. & Gilroy, D. W. Resolution of inflammation: a new therapeutic frontier. Nat. Rev. Drug Discov. 2016; 15, 551-567.
- Shang L, Cao J, Zhao S, Zhang J, He Y. TYK2 in immune responses and treatment of psoriasis. J Inflamm Res. 2022;15:5373-5385. doi:10.2147/JIR.S380686.
- Muromoto R, Oritani K, Matsuda T. Current understanding of the role of tyrosine kinase 2 signaling in immune responses. World J Biol Chem. 2022;13(1):1-14. doi:10.4331/wjbc.v13.i1.1.
- Dendrou CA. et al. Resolving TYK2 locus genotype-to-phenotype differences in autoimmunity. Sci Transl Med. 2016; 8(363) 363ra149. doi: 10.1126/scitranslmed.aag1974.
- Armstrong AW. et al. J Am Acad Dermatol. 2023; 88(1):29-39; doi: 10.1016/j.jaad.2022.07.002.
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