エネルギーを生み出す新しいビル

エネルギーを生み出す新しいビル

2023年9月7日

このビルに足を踏み入れると、センサーが自動的に作動し、シーリングファンとエアコンを組み合わせたエネルギー効率の高いハイブリッド冷却システムが動き出します。それと同時に検出器が周辺の光を感知し、屋内の照明を調節してエネルギーの消費を抑えます。

「ほとんどのビルでは、コンピュータや他の電子機器が少量のエネルギーを常に消費しています」と、シンガポールの施設に勤務するEnvironmental, Health and Safety エンジニアのXin Zhi Sinは言います。「このビルに設置されたビル管理システム（BMS）は、ワークステーションの電気コンセントからエネルギー消費を監視することで、エネルギー消費を抑えます。」

ハイブリッド冷却システムとBMSは、エネルギー消費を抑える革新的な機能の代表例です。これらの機能を持つタケダの最新の製造支援ビルは、シンガポール建築建設省よりグリーンマーク制度の「Platinum Positive Energy」認定を受けています。この認定は「ポジティブ・エネルギー」、つまりその施設で消費するよりも多くのエネルギーを生産し、なおかつ消費エネルギーの115％以上を再生可能エネルギー設備で生産している施設に与えられます。ビルで生産された余剰エネルギーは、敷地内にあるタケダの主要製造施設に電力として供給されます。

ポジティブ・エネルギーはタケダにとって初めての功績ですが、これを祝しているのは当社だけではありません。「ポジティブ・エネルギーの実現は、タケダだけのマイルストンではありません。シンガポールのバイオ医薬品業界にとって、新たな前例と基準がもたらされたのです」と、シンガポール経済開発庁のシニアバイスプレジデントで、ヘルスケア部門のトップを務める Goh Wan Yee 氏は述べています。

タケダの代表取締役社長兼CEOのクリストフ・ウェバーはこの新しいビルについて、すべての人と、いのちを育む地球の健康を改善する革新的な方法を見つけるというタケダの戦略の一環であると述べています。

私たちは、気候変動の影響と人々の健康との間に密接な関係があると認識しています。このビルは、私たちの環境のサステナビリティへの取り組みと、世界にポジティブな影響を与えようとする努力を体現しています。
クリストフ・ウェバー

ネットゼロ達成の約束を実現

建物の建設と運営により排出される二酸化炭素は、世界全体の排出量の中でも大きな部分を占めています。私たちは、ポジティブ・エネルギーの施設を建設・運営することで、温室効果ガスの排出と天然資源の保全で業界をリードするという目標達成に向けてさらに前進します。

「タケダ初のポジティブ・エネルギービルは、2035 年までに自社の事業活動から排出される温室効果ガスのネットゼロを達成するという、私たちの約束を果たす推進力になります」とタケダのグローバルマニュファクチャリング＆サプライオフィサーのトーマス・ウォスニフスキーは述べています。

Xin Zhi Sinは、社の価値観が自身のものと合致していることに喜びを感じています。

「私は環境保全に強い思いを持っています」と彼は言います。「タケダが環境目標を達成し、環境負荷削減に力を入れていることを誇りに思います。」

エネルギー消費を抑える革新的な機能

プラグ負荷の監視

指定した電気プラグの負荷（消費量）を監視します。大半の部屋の照明は、人感センサーの信号に基づいて自動的に消灯されるように設定されています。

ビル管理システム

ビル管理システム（BMS）では、水消費とエネルギー消費の両方を計測できます。データを基に、水や電力の使用パターンを決めていくことが可能です。

ハイブリッド冷却

シーリングファンとエアコンを組み合わせることで、最適な室温を保ちつつ、省エネも実現します。

照明

検出器が周囲の光を感知し、照明器具の光量を調節することで、適切な明るさを維持しつつエネルギーの消費を抑えます。また、消費寿命の長いLEDを使用することで、保守費用を削減します。さらに、サーカディアン照明システムが自然な照明サイクルを再現し、生産性を向上させ、従業員の健康を改善させる可能性があります。