デング熱の苦難と未来への希望 | 武田薬品
デング熱の苦難と未来への希望
本記事は、デング熱について実際の患者さんの体験談を紹介しています。特定の患者さんの体験を紹介したものであり、典型的な患者さんの体験を紹介するものではありません。気になる症状や医学的な懸念がある場合、また、適切な診断と治療を受けるためには適切な医療機関を受診ください。
デング熱に感染したナターシャさん
「デング熱に感染するまでは、周りの子と同じように暮らしていました。しかし、感染後は暮らしが一変しました」
現在23歳のナターシャ・デ・コスタ・ソウサさんは、デング熱に感染した時をこう振り返ります。ナターシャさんは、デング熱が与える影響をよく分かっています。ブラジルの中央部に位置するフォルモサで生まれ育ったナターシャさんは、デング熱に2回感染しました。
デング熱は、ウイルスを持った蚊に刺されることによって広がる感染症で、現在、ブラジルを含む100カ国以上で発生しています。1 都市化や人々の移動、気候変動などの要因で、2000年から2019年の間に感染者数は全世界で10倍に拡大しました。1,2,3 ナターシャさんのようにデング熱感染者の約4分の1が症状を経験し、その内約5%が重症化し入院が必要とされています。4
ブラジル感染症学会の免疫委員会でディレクターを務めるロザンナ・リヒトマンさん
ブラジル感染症学会の免疫委員会でディレクターを務めるロザンナ・リヒトマンさんは、医療の道を歩んできた当初から、デング熱が与える影響を目撃してきました。
「ブラジルでは公衆衛生システムが十分でなく、一度に多くの患者さんに対応できないため、私たち自身にも大きな影響を与えます」と、リヒトマンさんは述べています。「公衆衛生の観点で、これは大きな問題です」
この規模の問題に対応するには、地域社会や政府、公衆衛生に携わる各組織が協力して多方面から取り組み、デング熱の抑制と予防に努める必要があります。タケダは、患者さんのまだ満たされていないニーズに対応してきたこれまでの経験を生かし、こうした取り組みを全力で支援しています。
ブラジルはデング熱によって困難な状況が続いていますが、ナターシャさんは「デング熱の負担が少なくなれば、もっと穏やかな気持ちで過ごせます」と言います。
リヒトマンさんも「デング熱を予防できれば、どんなに素晴らしいことでしょう」と述べています。
本ストーリーは、デング熱による世界的な影響と、その影響下にある人々をタケダがどのように支援しようとしているかを紹介するシリーズの一部です。タケダの取り組みについては、関連ストーリーもご覧ください。
- World Health Organization. Dengue and Severe Dengue. World Health Organization. https://www.who.int/en/news-room/fact-sheets/detail/dengue-and-severe-dengue. Published April 23, 2024.
- Ebi KL, Nealon J. Dengue in a changing climate. Environmental Research. 2016;151:115-123. doi:10.1016/j.envres.2016.07.026.
- Messina, J.P., Brady, O.J., Golding, N. et al. The current and future global distribution and population at risk of dengue. Nat Microbiol 4, 1508–1515 (2019).
- Centers for Disease Control and Prevention. Symptoms of Dengue and Testing. https://www.cdc.gov/dengue/signs-symptoms/index.html. Published May 13, 2024.