小さな魚を救う大きなミッション:生物多様性を伝える | 武田薬品

Small Fish

小さな魚を救う大きなミッション:生物多様性を伝える

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2025年1月23日
絶滅危惧種のカワバタモロコを守ろうとする私たちの取り組みを、3分間の動画でご覧ください。

「カワバタモロコは、繁殖期に体が金色に輝いて、すごく綺麗なんですね。卵の時から大きくなるまでを見守っているので、もう魚の親心みたいなものを感じています」

京都水族館の石川薫さんは、カワバタモロコと呼ばれる小さな魚に対する愛情を、こう表現します。

カワバタモロコはかつて、京都の巨椋池(おぐらいけ)に生息していましたが、気候変動や人間の開発によって数が減り、京都で野生の個体をほとんど目することができません。巨椋池は80年以上前に、水害を減らし、人々の生活を豊かにしようと開発事業が行われた結果、消滅することになりました。

Tomoyo Otsuka

大塚 朋世 宇治市歴史資料館学芸員

宇治市歴史資料館学芸員の大塚 朋世さんは、「開発事業により、周辺の田んぼや畑が水に浸かるような大きな災害は起こりにくくなりました。しかし、新しい水の流れが生まれにくくなり、水質が維持できなくなったことで、巨椋池は干拓への道をたどることになります」と説明します。

巨椋池の跡地は農地などに転用され日本の食糧事情に大きく貢献した一方で、巨椋池にいた多様な生き物たちは居場所を失いました。カワバタモロコも住処を失い、環境省から絶滅危惧種に指定されるまでに数を減らしました。

地域と手を組み生物多様性を保全する


タケダの京都薬用植物園は、地元の水族館や博物館と手を組み、生物多様性の保全に挑戦しています。失われた池の環境再現やカワバタモロコの保護、希少種の魚と植物の交換相互展示、生物多様性の重要さを伝える植物園ツアーの開催など、さまざまな取り組みを行っています。

Kaoru Ishikawa

石川 薫 京都水族館

京都水族館の石川薫さんは、「絶滅危惧種の保全は、その一種を守ろうというだけでなく、みんなが地球上で暮らしていくための取り組みだと捉えています」と話します。タケダとの協働については、「植物と魚で専門性はそれぞれ異なりますが、根底にある『生き物が好き』という気持ちは通ずるものがあって、みんな同じなんだって感じました」と振り返ります。
Yuki Uemura

上村 祐己 タケダ京都薬用植物園

タケダ京都薬用植物園でこのプロジェクトを担当する上村祐己は、「種が絶滅することで生態系のバランスが崩れ、人の活動も維持できなくなる可能性があります」とし、「私たちが大切にする『誠実さ』という価値観を持ちながら、生物多様性を後世に伝えていきたいです」と語ります。