消化器病学の先駆的な研究者が受賞 | 武田薬品
消化器病学の先駆的な研究者が2022年のInnovators in Science Awardを受賞
世界中の成人の40%以上が消化器系(GI)疾患を抱えながら生きており、生活の質に影響をおよぼしています。より良い予防策や診断技術の向上、治療選択肢の拡大が必要とされていますが、そのためには、消化器系疾患の科学的解明が進むよう支援しなければなりません。消化器系疾患における初期段階の研究は、世界中の人々の健康と輝かしい未来を創造するための最初のステップであり、画期的な進歩を成し遂げた科学者の努力は賞賛に値します。
今年で4年目を迎えるInnovators in Science Awardは、人々の健康増進を目的とする科学的研究を評価・支援するためにタケダが創設した賞です。2022年には、消化器病学における卓越した科学的研究が本賞を受賞し、受賞者にはそれぞれ使途の制限のない賞金20万米ドルが贈られました。
Innovators in Science Awardの授賞式は、2022年10月13日にボストンで開催されました。受賞者のプロフィールは以下をご参照ください。式典には、全米およびボストン地域のバイオテクノロジー、科学、消化器系疾患コミュニティのリーダーたちが参加し、司会者のLaura Helmuth氏、Scientific American誌編集長であり基調講演者でもあるマウントサイナイ医科大学のScott Friedman氏、社会貢献活動におけるタケダのパートナー、審査員および科学諮問委員会メンバーなどが集まり受賞者の栄誉を称えました。翌日には、受賞者の研究を紹介するシンポジウムが開催されました。
腸内細菌研究の父:Jeffery Gordon博士
2022年のSenior Scientist Award(上級研究者賞)の受賞者であるJeffery Gordon博士(ワシントン大学セントルイス校医学部)は、「腸内細菌研究の父」として知られています。その先駆的な学際的研究により、ヒトの腸内細菌叢(腸内フローラ)が生理機能と代謝に及ぼす著しい影響が明らかになりました。
Gordon博士は今回の受賞について「この分野の研究を進めることの価値を再確認することができました。腸が生物学的にどのような影響を与えるかを多くの側面から理解し、そのプロセス全体を認識することで、新たな解明が進み、病気の新しい治療法が生まれるでしょう」と述べています。
Gordon博士の受賞研究の詳細については、こちらの動画(英語)をご覧ください。
高い成果を得るために高いリスクを取る:Elaine Y. Hsiao博士
2022年のEarly-Career Scientist Award(若手研究者賞)の受賞者であるElaine Y Hsiao博士(カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)生物学De Logi准教授)は、腸内細菌叢が脳と行動に及ぼす影響について画期的な発見をしました。その研究は、自閉症やてんかんなどの精神疾患の原因と治療に関する従来の考え方を覆すものでした。
Hsiao博士は、基礎研究に対する支援の必要性を訴えたのち、「この資金があれば、私たちの研究においてできることはたくさんあります。特に、リスクが高くても大きな成果が得られるような研究に取り組むことができます」と述べました。
「タケダのInnovators in Science Awardの受賞は、私や私の研究室にとって、そして腸内細菌叢と脳との相互作用という幅広い研究領域にとって、本当に画期的な出来事です。この研究領域の発展に役立つ新しい研究者を歓迎するという意味でもすばらしいことです。」
Hsiao博士の研究の詳細と未来への希望に関するお考えについては、こちらの動画(英語)をご覧ください。
Innovators in Science Awardはニューヨーク科学アカデミーが運営し、タケダがスポンサーを務めています。本賞の詳細については、こちらのウェブサイト(英語)をご覧ください。