長期パートナーシップで難民支援 国際NGOと協働 | 武田薬品

スーダンの難民キャンプ_生理用品を受け取る女性たち

長期パートナーシップで難民支援 国際NGOと協働

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2023年11月30日

5年前に、あなたはどこで何をしていたかを覚えていますか? 世界では、タイの洞窟に閉じ込められていた少年が救出されたり、韓国・平昌で冬季オリンピックが開催されたり、京都大特別教授らがノーベル生理学・医学賞を受賞したり、さまざまな出来事がありました。タケダはグローバルCSRプログラムのパートナーと共に、5年にわたる難民支援を開始しました。

スーダンで活動したプラン・インターナショナルの馬野さん(写真左)

スーダンで活動したプラン・インターナショナルの馬野さん(写真左)

国際非政府組織(NGO)プラン・インターナショナルの馬野 裕朗 プログラム部長は、「タケダとのパートナーシップが決まった日のことを、今でもよく覚えています。事務所で採択通知のメールを受け取ったとき、喜びのあまりにジャンプして『やった!』と大声を出してしまい、上司に『来客中なので静かに!』と注意されました」と当時を振り返ります。

タケダは毎年、全従業員を対象としたグローバルCSRプログラムの投票で、タケダが支援する国際機関やNGOを複数決定しています。投票によりプラン・インターナショナルを選出し、過酷な状況下にある南スーダンとシリア難民の性と生殖に関する健康と権利(Sexual and Reproductive Health and Rights、以下SRHR)を含む健康を維持する包括的な支援を提供してきました。

難民や受け入れコミュニティの人たちが健康を維持し、より希望に満ちた人生を送れるよう、安全な水の確保や環境衛生の改善、保健施設の建設、栄養・健康に関する教育、コミュニティヘルスワーカーのトレーニングなどを行いました。

SRHRのワークショップに参加した若者

SRHRのワークショップに参加した若者

長い紛争の末に独立した南スーダンは、2013年に再び内戦状態になり、アフリカ最大規模の難民危機に発展しています。シリアでは、2011年に国内で武力衝突が始まり、多くの子どもたちやその家族が、難民や国内避難民として国内外に避難しています。

馬野さんは、「世界の難民数は増加を続け、今では1億人を超えました1。難民問題発生当時は世間の注目を浴びましたが、徐々に関心が薄れつつあります。このような風潮がある中でも、タケダは長期にわたりこの問題に誠実に取り組み、『誰一人取り残さない社会の実現』を共に目指してくれました」と語ります。

トイレ利用で公衆衛生を改善


プラン・インターナショナルは5年の間、難民が適切な疾病予防行動をとれるように環境改善活動も数多く実施しました。そのうちの一つが、トイレ建設・利用の推進です。

屋外排泄をやめて衛生的なトイレを利用することで、ハエなどの病気を媒介する害虫が減り、飲料水の汚染を防ぐことで、子どもの命に直結する下痢や栄養失調の減少が望めます2。支援地域で行った調査によると、活動の結果、南スーダンにおいてトイレで排泄する世帯が15%から74%に増加しました3

馬野さんは、「ただトイレを建設しただけでなく、利用する意義の説明や健康に関する対話を繰り返したことで、彼らの行動変容につながりました」と話し、「もし、タケダとのパートナー期間が短ければ、こうした変化を起こせなかったと思います。長期的視点をもって協力関係を築けるパートナーは稀有で重要です」と意義を強調します。

タケダのチーフ グローバル コーポレート アフェアーズ&サステナビリティ オフィサーである大薮 貴子は、「私たちは、240年以上の歴史を持つ企業として、持続可能なインパクトをもたらすには時間が必要なことをよく知っています。長期的な視点を持って、支援コミュニティ発展の一助となれるよう、今後もさまざまな組織とパートナーシップを構築していきます」と語ります。

数字で見る成果


グローバルCSRプログラムによるプラン・インターナショナルとの5年間のパートナーシップを通じて、南スーダンとシリア難民に加え、7か国*におよぶ難民受け入れコミュニティで支援活動を行いました。その結果、2018年と2023年を比較して下記のように健康的な行動をとる人が増加し、必要不可欠なサービスを受けられるようになりました。

People logo

504,728

本プログラムで恩恵を受けた人の合計

Fruit logo

28%

5歳未満の栄養不良の子どもが減少した(ウガンダ)

Water_supply logo

26%

安全な飲料水を利用できる世帯が増加した**

Toilet_paper logo

35%

トイレ利用世帯が増加した**

Medical_advice logo

43%

SRHR専門家にアドバイスを求める若者が増加した(エジプト)

Health logo

10%

助産師立会いの下で出産した妊婦が増加した**

  1. https://www.unhcr.org/refugee-statistics/Go to https://www.unhcr.org/refugee-statistics/
  2. 世界の子どもの死亡率・罹患率の第2位の原因としても知られています。また、下痢が原因で死亡する5歳未満児の90%以上は低・中所得国に暮らしています。 https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/diarrhoeal-diseaseGo to https://www.who.int/news-room/fact-sheets/detail/diarrhoeal-disease https://data.unicef.org/resources/one-many-ending-child-deaths-pneumonia-diarrhoea/Go to https://data.unicef.org/resources/one-many-ending-child-deaths-pneumonia-diarrhoea/
  3. プラン・インターナショナルの自主事業評価調査資料より *南スーダン、ウガンダ、エチオピア、スーダン、レバノン、エジプト、ヨルダンの7か国 **南スーダン難民支援エリア:南スーダン、ウガンダ、エチオピア、スーダン

写真提供者:プラン・インターナショナル