ナルコレプシータイプ1のイノベーションを加速する | 武田薬品

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ナルコレプシータイプ1のイノベーションを加速する

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2025年2月10日

本コンテンツは、情報提供のみを目的として一般公開されたものであり、この分野の専門家や医療従事者からの助言に代わるものではありません。適切な診断と治療を受けるためには適切な医療機関を受診してください。ナルコレプシータイプ1の症状や重症度は患者さんによって異なります。本コンテンツで紹介する症状があっても、ナルコレプシーとは限らない点にご留意ください。


脳内のオレキシン系が睡眠・覚醒サイクルで果たす役割や、ナルコレプシー患者さんに与える影響を説明した、3分間の動画でご覧ください。

ナルコレプシータイプ1(NT1)は慢性的で希少な神経疾患の一種で、その症状により日常生活に大きな影響が及ぶ場合があります1-3。そうした症状には、日中の過度の眠気、情動脱力発作(カタプレキシー)、夜間の睡眠分断、入眠時および睡眠覚醒時の一時的な動作や発話の障害(睡眠麻痺)、入眠時や睡眠覚醒時の幻覚などがあります4,6。加えて、多くのNT1患者さんは思考や記憶、集中力もしくは注意力の低下を経験しています3

睡眠と覚醒のサイクルの調節は電灯のスイッチを例にとると分かりやすいでしょう。日中は「オン」状態で、私たちは覚醒し、警戒状態にあります。夜間は「オフ」状態になり、まぶたの下で眼球が急速に動くレム睡眠状態が訪れます。このレム睡眠は睡眠健康面の多くの利点と関係しています。このサイクルを制御するのは脳内のオレキシン系です。これは、化学伝達物質のオレキシン(ヒポクレチンとも呼ばれる)を生成するニューロンで構成されています5。このオレキシン系が正常に機能していると、オレキシンが隣接するニューロンにあるオレキシン受容体と結合し、睡眠・覚醒サイクルやレム睡眠移行を調節するシグナルが伝達されます4-5

しかし、NT1患者さんの場合、オレキシンニューロンが減少するため、オレキシンレベルも低下し、下流のシグナル伝達にも影響を及ぼします4-5。その結果、意図しないタイミングで眠ってしまったり、睡眠・覚醒サイクルが乱れたりする状態に陥ります4-5。この睡眠・覚醒サイクルスイッチについて、「日中にオン、夜間にオフというより、常に点滅しているようだ」と表現するNT1患者さんもいます。

現在では、タケダやさまざまな機関の科学者が、NT1のような睡眠・覚醒障害を持つ患者さんにおいて、オレキシンシグナルが果たす役割への理解をさらに深めるための研究に従事しています。

グローバル オレキシン フランチャイズのヘッド兼バイスプレジデントを務めるエレナ・カンドゥオラキス博士は、NT1患者さんが抱えるアンメットニーズに対処するための取り組みについて次のように表現しています。「私たちはオレキシン分野の研究を前進させるため、サイエンスコミュニティや医師、介護者と密接に連携しています。タケダは240年以上にわたり、こうして患者さんのためにイノベーションを追求してきたのです」


  1. International Classification of Sleep Disorders (third edition) – text revisions. AASM; 2023.
  2. Sleep-wake disorders: narcolepsy. In: Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders – fifth edition (DSM-5). American Psychiatric Association; 2013: 372-382.
  3. US FDA. Narcolepsy & Idiopathic Hypersomnia: FDA Patient-Led Listening Session Summary Report. Accessed August 6, 2024.
  4. Scammell TE. N Engl J Med. 2015;373(27):2654-2662. doi: 10.1056/NEJMra1500587.
  5. Sakurai T. Nat Rev Neurosci. 2007;8(3):171-181. doi :10.1038/nrn2092.
  6. Bassetti CLA et al., Nature Reviews Neurology 2019(15):519-539.