データの力で水使用量を削減 | 武田薬品
データの力で水使用量を削減
大阪工場製造部の神田貴仁
「追加設備への投資を行う前に、課題を解決するために何か他にできることはないかと考え、まずデータを把握して分析することにしました」
タケダ大阪工場製造部の神田貴仁の予感は当たっていました。神田は、データを活用することで課題を解決できると直感していたのです。
医薬品の製造には、蒸留水は不可欠です。製造工程だけでなく、設備や機器の洗浄にも蒸留水を使用します。大阪工場が製造する医薬品へのニーズが高まったことにより、蒸留水が不足し、生産の遅延や設備停止につながる可能性がありました。
そこで神田は、大阪工場のデータサイエンティスト(当時)の田中康之に協力を求めました。
神田と田中はまず、データを利用し、水の使用量を計算しました。ダッシュボードの活用により水使用量を可視化することで、設備の稼働状況をリアルタイムに把握できるようになりました。その結果、蒸留水使用の設定が必要量以上になっていた設備が見つかりました。大阪工場はこうした状況を改善したことで、年間200万リットルを超える水使用の削減を達成しています。
「端的に言うと、データを見て、いつ、どこで、どれだけの水が使われているのかを把握、分析しました。そしてその結果を使って設備や工程を最適化することで、水の使用量を削減したのです」と神田は説明します。
大阪工場エンジニアリング室の川田真義
現場のエンジニアである川田真義も、今回のプロジェクトの一員です。水の使用量を削減することで、地球環境の保全に貢献できるだけでなく、患者さんにお届けする医薬品の生産量も増やせると話します。こうした価値観は、今後もタケダが患者さんに貢献していくための根幹となるものです。
川田は言います。「製造業務に携わる私たちは、常に『患者さん中心』という考え方を念頭に置いています。」