地域社会と協力し多様性のある臨床試験に | 武田薬品

イベントで説明する人

地域社会と協力し多様性のある臨床試験に

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2024年7月12日

本記事は、情報提供のみを目的として一般公開されたものであり、この分野の専門家や医療従事者からの助言に代わるものではありません。適切な診断と治療を受けるためには適切な医療機関を受診してください。


IFPA(旧国際乾癬患者団体連合)のサイエンティフィック オフィサーであるシシリー・ムブル医学博士は、同組織のメンバーや世界中の支援者から大胆なリクエストを受けました。All the Colors We Areプロジェクトのリーダーとして、世界中のIFPAメンバーに連絡し、乾癬とともに生きる人たちの写真を送るよう依頼してほしいと頼まれたのです。そうすればIFPAは、さまざまな肌の色に乾癬がどのように現れるか、参考となる知見を集められます。彼女は当初、送られてくる写真はほんの数枚だろうと予想していましたが、最初の1週間で500枚以上の写真が届きました。

幅広い年代の多くの人がなぜ、自分の肌や乾癬の状態を共有しようと思ったのでしょうか。ムブル博士によると、IFPAのメンバーは、自分以外の人や将来の世代のためにも、今の状況を改善したいと望んでいます。

「こうした写真は、臨床医が有色の肌を持つ人の皮膚疾患を診る際に役立ちます。公平な診断や治療の提供につながり、今の世代と次の世代の健康を実現する基盤となるものです」と、彼女は語ります。

次世代にわたって健康を実現するためには、継続的で持続可能な変化が必要です。そして、誰一人取り残さないような取り組みにしなければなりません。

シシリー・ムブル医学博士

IFPA(旧国際乾癬患者団体連合)サイエンティフィック オフィサー シシリー・ムブル医学博士

「私たちは、臨床試験を取り巻く沈黙を破り、多様性のある臨床試験を目指し包括性を高める重要性を主張しています。かつては乾癬患者さんが抑圧されて声を上げられない場面でも、今では積極的に自分の病気を話すようになりました」

IFPA(旧国際乾癬患者団体連合)サイエンティフィック オフィサー シシリー・ムブル医学博士

タケダは、さまざまな組織と協力して、より多くの有色人種の患者さんが臨床試験参加に対して十分な情報提供を受けていると感じられるよう、啓発活動に取り組んでいます。

イベントで説明する人

インサイド・エッジ・コンサルティングは最近、米国カリフォルニア州ロサンゼルスで、Alpha Phi Alpha 社交クラブのメンバーと共に健康教育イベントを開催しました。治験責任医師のジェームス・イエン・ワン博士が、多様な患者さんが臨床研究に参加する重要性について議論をリードしました。

私たちは米国で、HCN(旧ヒスパニック・コミュニケーション・ネットワーク)と正式なパートナーシップを結んでいます。HCNは、マルチメディア、ステークホルダー、医療従事者のネットワークを通じて、ラテン系および多文化コミュニティにおける確固としたプレゼンスを築いています。HCNのCEOであるアリソン・ロッデン氏は、ゆっくりと時間をかけて持続可能な信頼関係を構築することが、地域社会とのつながりを持ち、臨床試験に対する意識を広める上で重要と話しています。

アリソン・ロッデンCEO

HCN(旧ヒスパニック・コミュニケーション・ネットワーク)のアリソン・ロッデンCEO

「患者さんは、臨床試験を知ってはいるものの、参加者になることには疑問を抱いています。言語の壁も混乱につながります。また、仕事を休めなかったり、通院の交通手段がなかったりという状況も、彼らの負担を大きくしています」と、彼女は言います。「地域社会とのつながりや信頼関係を構築するためには、これらの要因を理解し、文化的に配慮して語りかけることがとても重要です。地域社会に対する取り組みは、信頼を得られる方法で行わなければなりません」

HCN アリソン・ロッデンCEO

タケダのグローバル クリニカル オペレーションズでバイスプレジデント兼ヘッドを務めるカレン・コレアは、臨床試験に参加する患者さんを多様化すること、そしてそのために多様なコミュニティの理解を深めることは重要と語ります。有色人種の患者さんでは、表出する症状が異なって見える場合があるからです1

カレン・コレア

カレン・コレア(タケダ グローバル クリニカル オペレーションズ バイスプレジデント兼ヘッド)

「タケダは臨床試験の多様性を高めることを目指しています」と、彼女は言います。「私たちは、多様性のある臨床試験にするため、地域の人や組織と協力し『言葉だけでなく行動で示す』を実践しています。私たちは、患者さんを常に中心に考え、革新的な方法を見出してきました。今回の取り組みは、その価値観の延長線上にあります」

インサイド・エッジ・コンサルティングは、米国の臨床試験戦略に関するパートナーです。同社のプレジデントであるリオネル・フィリップ氏は、ニューヨークのブロンクス区で育ちました。そこで彼が目にしたのは、人々が十分なサービスを受けられない場合、特に医療を受けられない場合に何が起きるかということでした。このことがモチベーションとなり、彼は地域社会との関係を築くことに意欲的に取り組み、タケダのような企業が多様な人々と文化的に配慮した方法でつながりを持てるようサポートしています。

リオネル・フィリップ プレジデント

インサイド・エッジ・コンサルティング グループ リオネル・フィリップ プレジデント

「私たちは、地域社会において確固としたプレゼンスを築いています」と、フィリップ氏は言います。「行政機関、社交クラブ組織、理髪店、信仰指導者、地域の薬剤師などと協力関係を築いています。こうした人たちは、文化に配慮しながら情報を共有することができます。そうすることで、有色人種の方が医療関係者と十分に議論できるようになります」

地域社会に敬意を示すことはタケダのアプローチの基本だと、コレアは話します。「私たちは、有色人種の患者さんに臨床試験に参加したいと思ってほしいのです。臨床試験に参加することで、自分たちの声がしっかりと反映され、地域社会と将来の医療に生きるノウハウ構築につながると知ってほしいのです。」

ムブル博士は、臨床試験を多様化するには、グローバルだけでなく地域社会における多様な患者ニーズを理解することが重要と言います。多様な患者さんが臨床試験に参加できるようにするには、グローバルな組織と地域の組織、医師、治験責任医師、患者さんが団結し、意識を高め、障壁を乗り越える努力が必要です。

「世界中の健康、そして次の世代へとつなぐ健康は、私たち全員の取り組みにかかっているのです」


  1. Prevalence, Clinical Presentations, Disease Severity Appreciation, and Assessment of Psoriasis in the Context of Skin of Color. International Psoriasis Council. Accessed June 11, 2024. https://psoriasiscouncil.org/expert-insights/skin-of-color-psoriasis-disease-severity-assessment/Go to https://psoriasiscouncil.org/expert-insights/skin-of-color-psoriasis-disease-severity-assessment/