フリュザクラ®(フルキンチニブ)が日本で製造販売承認取得 | 武田薬品

治癒切除不能な進行・再発の大腸がんに対するフリュザクラ®(フルキンチニブ)の 日本における製造販売承認の取得について


Calendar
2024年9月24日

ー 国際共同第3相FRESCO-2試験の肯定的な結果に基づく承認

ー フリュザクラ(フルキンチニブ)は、日本においてここ10年以上の間で初の、バイオマーカーの状態にかかわらない転移性大腸がん(mCRC)に対する新規分子標的治療薬

当社は、本日、血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3に対して選択性を有する経口のチロシンキナーゼ阻害剤 「フリュザクラ®カプセル1mg/5mg」(一般名:フルキンチニブ、以下、「フリュザクラ」) について、「がん化学療法後に増悪した治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌」を効能又は効果として、厚生労働省より製造販売承認を取得しましたのでお知らせします。

今回の承認は主に、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同第3相試験であるFRESCO-2試験の結果に基づいています。本試験では、前治療歴を有する転移性大腸がん患者さんを対象としてフルキンチニブ+最良の支持療法(BSC:Best Supportive Care)群とプラセボ+BSC群を比較検討しました。FRESCO-2試験は、有効性に関して主要評価項目および重要な副次評価項目をすべて達成し、前治療の種類にかかわらず、フルキンチニブの投与を受けた患者さんで一貫したベネフィットが示されました。フルキンチニブはFRESCO-2試験において管理可能な安全性プロファイルを示しました。投与中止に至る有害事象の発現率は、プラセボ+BSC群では21%であったのに対し、フルキンチニブ+BSC群では20%でした。FRESCO-2試験のデータは、2023年6月にThe Lancet誌に掲載Go to https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)00772-9/abstractされました1

FRESCO-2試験運営委員をつとめた国立がん研究センター東病院 副院長(研究担当)、医薬品開発推進部門長、 消化管内科医長 吉野孝之医師は、「近年、早期スクリーニングや治療進歩により、大腸がんの死亡率は低下してきているものの、転移性大腸がんの5年生存率は依然として低く、新たな治療選択肢の登場が待ち望まれている領域です。今回のフリュザクラの日本における承認は、転移性大腸がんの患者さんやご家族、そして大腸がん治療にあたっている医療関係者双方にとって新たな希望であり、臨床的意義が高いと感じています」と述べています。

当社のグローバル オンコロジー ビジネス ユニットのプレジデントであるテレサ・ビテッティ(Teresa Bitetti)は、「当社は日本において、10年以上にわたり転移性大腸がんの治療の進展に取り組んでまいりました。フリュザクラの承認取得により、当社は日本の転移性大腸がんの患者さんにより一層貢献できるようになります。日本、そして米国・欧州などの国々における承認取得により、新たな治療選択肢を待ち望まれている世界中の大腸がん患者さんに本治療薬をお届けできるよう、引き続き尽力してまいります」と述べています。

フリュザクラ®カプセル(フルキンチニブ)について

フリュザクラは、3つすべてのVEGF受容体(1/2/3)に対する選択性を有する経口阻害剤です。VEGFR阻害剤は腫瘍血管新生の阻害において極めて重要な役割を果たします。フリュザクラは、標的外のキナーゼ活性を最小限に抑えることにより、高い選択性を有するようデザインされており、持続的な標的阻害を成し遂げる薬物曝露を可能とし、併用療法の一部として使用する柔軟な可能性を有しています。

当社は中国本土、香港、マカオを除く全世界におけるフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造を進めるための独占的ライセンスを有しています。フリュザクラは2023年11月に米国食品医薬品局(FDA)、2024年6月に欧州委員会(EC)により承認されました。フルキンチニブは中国ではHUTCHMED社により開発および販売されています。フルキンチニブは2018年9月に中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)により販売承認され、2018年11月に中国でELUNATE®の販売名で上市されました。

第3相FRESCO-2試験について

FRESCO-2試験は、前治療歴を有する転移性大腸がんの患者さんを対象に、フルキンチニブ+BSC群とプラセボ+BSC群を比較検討した、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同臨床試験です(NCT04322539Go to https://clinicaltrials.gov/study/NCT04322539)。本試験は主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、フルキンチニブの投与により、統計学的に有意で臨床的に意義のあるOSとPFSの改善が示されました。FRESCO-2試験におけるフルキンチニブの安全性プロファイルは、これまでに報告されたフルキンチニブ単剤療法の試験と一致するものでした。この試験の結果は、2022年9月にESMOで発表Go to https://oncologypro.esmo.org/meeting-resources/esmo-congress-2022/fresco-2-a-global-phase-iii-multiregional-clinical-trial-mrct-evaluating-the-efficacy-and-safety-of-fruquintinib-in-patients-with-refractory-metされ、その後2023年6月にThe Lancet誌に掲載Go to https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)00772-9/abstractされました2.1

武田薬品の日本での「大腸がん領域」における取り組みについて

日本では、大腸がんは最も罹患数が多いがんであり、国立がん研究センターのがん統計によると、2023年の予測罹患数は16.1万人、死亡数は5.4万人と推定されています3。早期の大腸がんは外科的切除が可能ですが、転移性の大腸がんは依然として予後不良で治療選択肢が限られており、アンメットニーズが高く、新たな治療オプションが待ち望まれている領域です4-8。当社では、日本において10年以上に渡り、革新的な医薬品の提供やエビデンスジェネレーションを通して、これらの治療選択肢が限られている後期ステージの大腸がん患者さんの治療と、個別化治療の進展に貢献してまいりました。今後も引き続き、大腸がん患者さんの治療とアンメットニーズの解決のための取り組みを進めてまいります。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。

詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

重要な注意事項

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。 武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。 本ニュースリリースに記載されている製品名は、武田薬品又は各所有者の商標又は登録商標です。

将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」、「予測する(forecasts)」、「見通し(outlook)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機、温室効果ガス排出量の削減又はその他環境目標の達成を可能にする武田薬品の環境・サステナビリティに対する取り組みの成功、人工知能(AI)を含むデジタル技術の統合をはじめとする、業務効率化、生産性向上又はコスト削減に向けた武田薬品の取り組みや、その他の事業再編に向けた取り組みが、期待されるベネフィットに寄与する程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to www.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

以上

References

  1. Dasari NA, et al. Fruquintinib versus placebo in patients with refractory metastatic colorectal cancer (FRESCO-2): an international, multicentre, randomised, double-blind, phase 3 study. Lancet. 2023;402(10395):41-53. doi:10.1016/S0140-6736(23)00772-9.
  2. Dasari NA, et al. LBA25 – FRESCO-2: A global phase 3 multiregional clinical trial (MRCT) evaluating the efficacy and safety of fruquintinib in patients with refractory metastatic colorectal cancer. Ann Oncol. 2022 Sep;33(suppl_7): S808-S869. Doi:10.1016/annonc/annonc1089.
  3. 公益財団法人 がん研究振興財団 がんの統計2024
  4. Bando H, et al. Therapeutic landscape and future direction of metastatic colorectal cancer. Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2023; 20(5)306-322. doi:10.1038/s41575-022-00736-1.
  5. D'Haene N, et al. Clinical application of targeted next-generation sequencing for colorectal cancer patients: a multicentric Belgian experience. Oncotarget. 2018;9(29):20761-20768. Published 2018 Apr 17. doi:10.18632/oncotarget.25099.
  6. Venderbosch, et al. Mismatch repair status and braf mutation status in metastatic colorectal cancer patients: A pooled analysis of the Cairo, Cairo2, coin, and Focus Studies. Clinical Cancer Res.,2014; 20(20):5322–5330. doi:10.1158/1078-0432.ccr-14-0332.
  7. Koopman, M., et al. Deficient mismatch repair system in patients with sporadic advanced colorectal cancer. Br J Cancer. 209;100(2), 266–273. doi:10.1038/sj.bjc.6604867.
  8. Ahcene Djaballah S, et al. HER2 in Colorectal Cancer: The Long and Winding Road From Negative Predictive Factor to Positive Actionable Target.Am Soc Clin Oncol Educ Book. 2022;42:1-14. doi:10.1200/EDBK_351354.