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治療歴を有する転移性大腸がんに対するフルキンチニブの欧州医薬品評価委員会(CHMP)による肯定的見解の受領について | 武田薬品

治療歴を有する転移性大腸がんに対するフルキンチニブの欧州医薬品評価委員会(CHMP)による肯定的見解の受領について


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2024年4月26日
  • 欧州連合で承認された場合、フルキンチニブはバイオマーカーのステータスにかかわらず、ここ10年以上の間で、転移性大腸がんに対して承認された初の新規の分子標的治療となる
  • プラセボ+最良支持療法群と比較して、全生存期間および無増悪生存期間の有意な改善を示し、過去の治療の種類にかかわらずベネフィットが認められた臨床第3相試験の結果に基づく肯定的見解

当社は、2024年4月26日(米国時間)、欧州医薬品庁(EMA)の欧州医薬品評価委員会(CHMP)が、治療歴を有する転移性大腸がん(mCRC)成人患者さんの治療薬として血管内皮増殖因子受容体(VEGFR)1/2/3の選択的阻害薬であるフルキンチニブの承認を推奨しましたのでお知らせします。欧州委員会(EC)は、欧州連合(EU)全体、ノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドでのmCRCに対するフルキンチニブの製造販売承認を判断する際に、CHMPの肯定的見解を考慮します。承認された場合、フルキンチニブは治療歴を有するmCRC患者さんの治療薬として、EUで承認された、最初で唯一の3種類のVEGF受容体すべてに対して選択性を有する阻害薬となります1,2

当社のオンコロジーのチーフ・メディカル・オフィサーであるAwny Farajallah, M.D.は、「現在、EUにおける転移性大腸がん患者さんに対する治療選択肢は限られており、予後不良につながっています。フルキンチニブに対する今回の肯定的見解により、当社は延命効果をもたらす見込みのある、化学療法を必要としない新しい経口薬の選択肢を患者さんにお届けできる可能性に一歩近づきました。当社は、治療体系を再定義し、mCRC患者さんの重要なアンメットニーズへの対応を促進することに取り組んでおり、近い将来、欧州委員会から正式な決定が下されることを楽しみにしています」と述べています。

同委員会の肯定的見解は、主に国際共同臨床第3相FRESCO-2試験の結果に基づいています。本試験では、治療歴を有するmCRC患者さんを対象としてフルキンチニブ+最良支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討しました。FRESCO-2試験は、有効性に関する主要評価項目および重要な副次評価項目をすべて達成し、過去の治療の種類にかかわらず、フルキンチニブの投与を受けた患者さんで一貫した効果を示しました。フルキンチニブはFRESCO-2試験において管理可能な安全性プロファイルを示しました。投与中止に至る有害事象の発現率は、プラセボ+BSC群では21%であったのに対し、フルキンチニブ+BSC群では20%でした。FRESCO-2試験のデータは、2023年6月にLancet誌に掲載Go to https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)00772-9/abstractされました3

フルキンチニブについて

フルキンチニブは、VEGFR 1/2/3に対する選択性を有する経口阻害薬です。VEGFR阻害薬は腫瘍血管新生の阻害において極めて重要な役割を果たします。フルキンチニブは、標的外のキナーゼ活性を最小限に抑えることにより、高い選択性を有するようデザインされており、高い薬物曝露、持続的な標的阻害、併用療法の一部として使用する柔軟なポテンシャルを有しています。

当社は中国本土、香港、マカオ外でのフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造をさらに進めるための独占的ライセンスを有しています。フルキンチニブは2023年11月に米国食品医薬品局(FDA)により承認され、FRUZAQLA®の販売名で販売されています。2023年9月に、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)への申請を行いました。フルキンチニブは中国ではHUTCHMED社により開発および販売されています。フルキンチニブは2018年9月に中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)により販売承認され、2018年11月に中国でELUNATE®の販売名で上市されました。

CRCについて

大腸がん(CRC)は、結腸または直腸から発生するがんです。国際がん研究機関によると、CRCは世界で3番目に多いがんであり、2020年には935,000人以上の死亡が報告されました。欧州では、2020年にCRCは2番目に多いがんであり、約520,000人が新たに診断され、245,000人の死亡が報告されました4。米国では、2024年に153,000人がCRCと診断され、53,000人がCRCにより死亡すると推定されています5。日本では、CRCは最も多いがんであり、2020年の新規症例数は148,000人、死亡例数は60,000人と推定されています4。早期CRCは外科的切除が可能ですが、転移性CRCは依然として予後不良で治療選択肢が限られており、アンメットニーズが高い領域です。転移性CRCの一部の患者さんは、分子特性に基づいて個別化治療戦略からベネフィットを得られる可能性がありますが、ほとんどの患者さんには治療選択に有用な遺伝子変異が認められない腫瘍があります6,7,8,9,10

第3相FRESCO-2試験について

FRESCO-2試験は、治療歴を有するmCRC患者さんを対象に、フルキンチニブ+BSC群とプラセボ+BSC群を比較検討する、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同臨床試験です(NCT04322539Go to https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04322539)。本試験は主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、フルキンチニブの投与により、統計学的に有意で臨床的に意義のある全生存期間(OS)と無増悪生存期間(PFS)の改善が示されました。FRESCO-2試験におけるフルキンチニブの安全性プロファイルは、これまでに報告されたフルキンチニブの試験と一致するものでした。この試験の結果は、2022年9月にESMOで発表Go to https://oncologypro.esmo.org/meeting-resources/esmo-congress-2022/fresco-2-a-global-phase-iii-multiregional-clinical-trial-mrct-evaluating-the-efficacy-and-safety-of-fruquintinib-in-patients-with-refractory-metされ、その後2023年6月にLancet誌に掲載Go to https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(23)00772-9/fulltextされました11,3

第3相FRESCO-2試験は、2023年6月に欧州医薬品庁(EMA)により受理されたフルキンチニブの製造販売承認申請(MAA)を支持するものでした。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

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References:

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  2. Sun Q, et al. (2014) Discovery of fruquintinib, a potent and highly selective small molecule inhibitor of VEGFR 1, 2, 3 tyrosine kinases for cancer therapy, Cancer Biol Ther. 2014 15:12, 1635-1645. Doi: 10.4161/15384047.2014.964087.
  3. Dasari NA, et al. Fruquintinib versus placebo in patients with refractory metastatic colorectal cancer (FRESCO-2): an international, multicentre, randomised, double-blind, phase 3 study. Lancet. 2023;402(10395):41-53. doi:10.1016/S0140-6736(23)00772-9.
  4. Sung H, et al. Global Cancer Statistics 2020: GLOBOCAN Estimates of Incidence and Mortality Worldwide for 36 Cancers in 185 Countries. CA Cancer J Clin. 2021;71(3):209-249. doi:10.3322/caac.21660.
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  6. Bando H, et al. Therapeutic landscape and future direction of metastatic colorectal cancer. Nat Rev Gastroenterol Hepatol 2023; 20(5)306-322. doi:10.1038/s41575-022-00736-1.
  7. D'Haene N, et al. Clinical application of targeted next-generation sequencing for colorectal cancer patients: a multicentric Belgian experience. Oncotarget. 2018;9(29):20761-20768. Published 2018 Apr 17. doi:10.18632/oncotarget.25099.
  8. Venderbosch, et al. Mismatch repair status and braf mutation status in metastatic colorectal cancer patients: A pooled analysis of the Cairo, Cairo2, coin, and Focus Studies. Clinical Cancer Res.,2014; 20(20):5322–5330. doi:10.1158/1078-0432.ccr-14-0332.
  9. Koopman, M., et al. Deficient mismatch repair system in patients with sporadic advanced colorectal cancer. Br J Cancer. 209;100(2), 266–273. doi:10.1038/sj.bjc.6604867.
  10. Ahcene Djaballah S, et al. HER2 in Colorectal Cancer: The Long and Winding Road From Negative Predictive Factor to Positive Actionable Target.Am Soc Clin Oncol Educ Book. 2022;42:1-14. doi:10.1200/EDBK_351354.
  11. Dasari NA, et al. LBA25 – FRESCO-2: A global phase 3 multiregional clinical trial (MRCT) evaluating the efficacy and safety of fruquintinib in patients with refractory metastatic colorectal cancer. Ann Oncol. 2022 Sep;33(suppl_7): S808-S869. Doi:10.1016/annonc/annonc1089.