武田薬品:ISPEの2024年Facility of the Yearのアワードを受賞―「Operation」カテゴリーにて

ISPEの2024年Facility of the Yearのアワードを受賞―「Operation」カテゴリーにて


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2024年4月16日
  • 当社のオーストリア・リンツの製造施設にあるEntyvio®(一般名:ベドリズマブ)の新しいプレフィルドシリンジ充填ラインにおいて、プロセスパフォーマンス適格性確認(PPQ)時間を50%短縮
  • 本受賞は、当社の、患者さんを中心に考える柔軟な供給体制への投資と強靭なサプライチェーンの確立を示す
  • 受賞プロジェクトでは、新しい製造ラインのPPQに新たな基準を設定し、上市までの時間短縮に貢献

当社は、このたび、国際製薬技術協会(International Society for Pharmaceutical Engineering : ISPE) による2024年の年間優秀施設賞(Facility of the Year Awards : FOYA) を「Operations」カテゴリーで受賞しましたのでお知らせします。今回の受賞は、当社が製造オペレーションにおいて、患者さんを中心に考えたプロセス改善に継続的に取り組んでいることによる結果であると考えます。本プロジェクトは、オーストリアのリンツにある製造施設で実施され、Entyvio皮下注(SC)製剤用のプレフィルドシリンジ充填ラインのプロセスパフォーマンス適格性確認(PPQ)時間を50%短縮することに成功しました。これにより、新しい製造ラインでPPQにかかる時間を短縮するとともに、強靭なサプライチェーンをさらに向上させる基盤を構築することができました。PPQ時間の短縮により、より短期間でより多くの製品を柔軟に市場に供給することが可能になります。

当社のGlobal Manufacturing and Supply Officer であるThomas Wozniewskiは、「当社がより柔軟に患者さんが待ち望む医薬品を提供していくために、リンツにある製造拠点で実施されているようなプロジェクトは重要な役割を果たします。ここから得られた知見を、当社の製造ネットワーク全体で共有し、将来のプロジェクトに活用してまいります。今回の受賞により、当社は、私たちが目指す未来の実現に向けてさらに前進し、医薬品製造におけるイノベーションの可能性も高めることができました。ISPEによる受賞を誇りに思うとともに、デジタル化とPharma 4.0の導入により、当社の医薬品を必要とする患者さんのために、医薬品製造のさまざまな課題に挑戦し続けてまいります」と述べています。

リンツ工場におけるEntyvio SC向けプレフィルドシリンジ充填ラインの導入は、多くの準備作業を並行して行うためより迅速なプロセスが必要であったことから、PPQにかかる時間を大幅に短縮することを目的とした「Warp Speed」プログラムの下で実施されました。これにより、従来は約36カ月を要していた工程を、24カ月に短縮することができました。

PPQは、新しい製造施設における製造が、承認された製造技術および基準に従って効果的かつ再現性のある方法で行われていることを検証し、文書化するために実施されます。新たな製造施設の商用稼働前には、PPQを実施、成功させることが必須となります。

本プロジェクトの実行にあたっては、自動化とデジタル化の分野でのPharma 4.0技術が重要な役割を果たしました。具体的には、製造実行システムとヒストリアンシステムを単一の自動化統合レイヤーで統合し、電子バッチ記録や外部アプリケーションのためのデータの利用が可能となるようにしました。また、将来の製造施設内における無菌充填ラインの完全な3D計画モデルも作成し、モデル内のすべての要件を確認し、無菌充填ラインの設置前の課題に対処しました。

当社のGlobal EngineeringヘッドであるGunter Baumgartnerは、「リンツでのプロジェクトを短期間で無事に完了したことで、当社の製造拠点で戦略的プロジェクトのタイムラインを短縮させるという重要な目標を達成することができました。本プロジェクトは、今後の製品上市を加速することを目的とした『Warp Speed』プログラムの下で始まりました。複数の部門にわたる緊密な連携と外部サプライヤーとの強力なパートナーシップを通じて、当社は新しい製造ライン導入の効率、スピード、成功についての新たな基準を設定することができました。この成果は、医薬品製造に大きな影響をもたらすとともに、当社の将来の成長と目標達成を後押しする基盤となります」と述べています。

リンツにある製造拠点では、Entyvioを含む、さまざまな慢性炎症性腸疾患の治療のための生物学的製剤の製造に注力しています。さらなる製造拡大のため、2025年までに約1億ユーロの設備投資が予定されており、今回の受賞プロジェクトはこの投資の一環です。リンツの製造拠点が本稼働した際には、Entyvio SCの全世界向け供給の約70%を担うことが見込まれています。

また、サステナビリティを重視して、有効成分の保管用に約20台の冷凍庫を設置したことにより、グローバルでの供給体制の時間短縮も可能になりました。当社では、バリューチェーン全体にわたって、再生エネルギーの供給をはじめとする革新的かつ持続可能な解決策の定期的な評価と導入も行っています。

ISPEのFacility of the Year Awardsプログラムについて

Facility of the Year Awards(FOYA)は2004年に創設され、新規の革新的なテクノロジーを活用して製品の品質を向上させ、高品質な医薬品を製造する際のコストを削減し、プロジェクト実施における進展を示す最先端のプロジェクトを表彰しています。FOYAプログラムは、テクノロジーや最先端のアプローチの新たな応用法の開発を共有し、設備設計、設備建設および稼働における成果を紹介する、薬学および製造業のプラットフォームを提供するものです。詳細については、https://ispe.org/facility-year-awardsGo to https://ispe.org/facility-year-awardsをご覧ください。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

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