Keros Therapeutics社とのelriterceptのライセンス契約によるオンコロジーパイプライン強化について | 武田薬品

Keros Therapeutics社とのelriterceptのライセンス契約によるオンコロジーパイプライン強化について


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2024年12月4日
  • elriterceptは、骨髄異形成症候群および骨髄線維症など一部の血液がんに関連する貧血を治療するために設計された、後期段階のベスト・イン・クラスとなる可能性のあるアクチビン阻害剤
  • 当社は、中国本土、香港、マカオを除く全地域での独占的なグローバルライセンスを取得
  • 血液がん治療におけるタケダの実績にもとづき、グローバルオンコロジー戦略が前進

当社は、2024年12月3日(米国時間)、 Keros Therapeutics社とelriterceptの中国本土、香港、マカオを除く全世界での開発、製造、商業化に関する独占的なライセンス契約を締結しましたのでお知らせします。

elriterceptは、骨髄異形成症候群(MDS)および骨髄線維症(MF)など一部の血液がんに関連する貧血を治療するために設計された、後期段階の開発中のアクチビン阻害剤です。elriterceptは米国食品医薬品局(FDA)から、very lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDSの治療開発に対して、ファストトラック指定を受けました。MDSおよびMFは、血液細胞の産生が不十分であり、しばしば重度の貧血を引き起こし、患者さんの健康とQOL(生活の質)に大きな影響を与えます。elriterceptは、貧血関連疾患において重要な役割を果たすと考えられているアクチビンAおよびBタンパク質を標的としています。初期の臨床試験では、elriterceptはvery lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDSの患者さんにおいて単剤療法として、またMFの患者さんにおいて標準治療と併用して、有望な臨床効果と管理可能な安全性プロファイルを示しました。

当社のグローバル オンコロジー ビジネス ユニットのプレジデントであるテレサ・ビテッティは 「elriterceptは、当社の戦略的な注力領域の一つである血液がんの患者さんにとって、意味のある変化をもたらす可能性があります。elriterceptが加わることにより、当社のオンコロジーパイプラインはさらに強化され、当社にとって将来の成長ドライバーとなる可能性があります。この潜在的な治療選択肢を患者さんに届けるために、Keros Therapeuticsチームが開始した先駆的な取り組みをさらに進めていくことを、とても楽しみにしています」と述べています。

elriterceptについて現在2つの臨床第2相試験が進行中であり、一つはvery lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDS患者さんに対する試験、もう一つはMF患者さんに対する試験です。very lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDSの輸血依存性貧血の成人患者さんに対するelriterceptの評価を行う第3相RENEW試験は、まもなく登録を開始します。当社は、これらのがんにおける患者層、治療全体においてelriterceptを評価する予定です。

Keros Therapeutics社の会長およびCEOであるJasbir S. Seehra, Ph.Dは「武田薬品と提携できることを非常に嬉しく思います。武田薬品のオンコロジーおよび血液疾患におけるグローバルなリーチと専門知識は、MDSおよびMFの患者さんに対するelriterceptの可能性を引き出すのに役立つでしょう。血液細胞の産生における広範な経路を標的とする差別化された作用機序を持つelriterceptは、標準治療に反応しなかった患者さんにとって有望な結果を示しています。この提携により、必要としている患者さんのためにelriterceptの開発を加速し、これらの複雑な血液疾患に対する新たな発見を提供することができます」と述べています。

契約条件に基づき、当社はelriterceptを全ての適応症および中国本土、香港、マカオを除く全ての地域で開発、製造、商業化するための独占的な世界的ライセンスを取得します。当社は、本契約の効力発生日において、全ての開発、製造、商業化について責任を負います。当社は、Keros Therapeutics社に対して2億ドルの前払い金、および規制、開発、商業販売のマイルストーンに関連して今後発生する可能性のある支払い、ならびに売上高に対するロイヤリティを提供します。この契約は、反トラスト審査の完了を含む慣例的なクロージング条件に従います。

骨髄異形成症候群(MDS)について

骨髄異形成症候群(MDS)は、多様な血液がんの一群であり、骨髄が十分な健康な血液細胞を産生できなくなる疾患です。MDSは最も一般的な血液悪性腫瘍の一つであり、米国では年間約20,000件の新しい症例が診断されています1。MDSの患者さんの多くは貧血、すなわち赤血球数の低下を経験し、これがQOLや死亡率に影響を与えます2。MDS患者さんの75%は lowリスク MDSであり、中央値で約3年から10年の生存期間があります3,4。多くのlowリスクMDS患者さんは頻繁な赤血球輸血を必要とし、これが時間とともに増加し、QOLに悪影響を及ぼすことがあります5。治療の進歩にも関わらず、lowリスクMDS患者さん、特に環状鉄芽球陰性の患者さんや輸血の必要性が高い患者さんの QOLと貧血症状の改善のため、新たな治療選択肢が求められています。

骨髄線維症(MF)について

骨髄線維症(MF)は、骨髄に瘢痕組織が蓄積し、正常な血液細胞の産生を妨げる、稀で生命を脅かす血液がんです。米国では毎年約3,000件の新しいMF症例が診断されています6。MF患者さんはしばしば貧血、脾臓の腫大、およびQOLに大きな影響を与えるその他の症状を経験します。標準治療は脾臓のサイズを減少させ、症状を改善することができますが、貧血を悪化させ、血小板数を低下させる可能性があります。

elriterceptについて

elriterceptは、アクチビンAおよびアクチビンBタンパク質を標的とする、ベスト・イン・クラスとなる可能性のある開発中のアクチビン阻害剤です。これらのタンパク質は、貧血関連疾患において重要な役割を果たすと考えられています。elriterceptについて現在2つの臨床第2相試験が進行中であり、一つはvery lowリスク、lowリスク、intermediateリスク MDS患者さんに対する試験、もう一つはMF患者さんに対する試験です。very lowリスク、lowリスク、intermediateリスクMDS患者さんを対象とした輸血依存性貧血に対するelriterceptの評価を行う第3相RENEW試験は、まもなく登録を開始します。 elriterceptは米国食品医薬品局(FDA)から、この状態の治療開発に対してファストトラック指定を受けました。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

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医療情報

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

References:

  1. Gorak E, et al. Discordant pathologic diagnoses of myelodysplastic neoplasms and their implications for registries and therapies. Blood Adv. 2023 Oct 24;7(20):6120-6129. doi: 10.1182/bloodadvances.2023010061.
  2. Haring Y, et al. MDS-Related Anemia Is Associated with Impaired Quality of Life but Improvement Is Not Always Achieved by Increased Hemoglobin Level. J Clin Med. 2023 Sep 9;12(18):5865. doi: 10.3390/jcm12185865.
  3. de Witte T, et al. Novel dynamic outcome indicators and clinical endpoints in myelodysplastic syndrome: The European LeukemiaNet MDS Registry and MDS-RIGHT project perspective. Haematologica. 2020 Nov 1;105(11):2516-2523. doi: 10.3324/haematol.2020.266817.
  4. Sekeres M, et al. Diagnosis and Treatment of Myelodysplastic Syndromes: A Review. JAMA. 2022 Sep 6;328(9):872-880. doi: 10.1001/jama.2022.14578.
  5. Wood E, et al. Outpatient transfusions for myelodysplastic syndromes. Hematology Am Soc Hematol Educ Program. 2020 Dec 4;2020(1):167-174. doi: 10.1182/hematology.2020000103.
  6. Mehta J, et al. Epidemiology of myeloproliferative neoplasms in the United States. Leuk Lymphoma. 2014 Mar;55(3):595-600. doi: 10.3109/10428194.2013.813500. Epub 2013 Jul 29.