治療歴を有する転移性大腸がんに対するFRUZAQLAの欧州委員会による承認について | 武田薬品
治療歴を有する転移性大腸がんに対するFRUZAQLAの欧州委員会による承認について
- 国際共同第3相FRESCO-2試験の肯定的な結果に基づく承認
- FRUZAQLA(フルキンチニブ)は、EUにおいてここ10年以上の間で初の、バイオマーカーの状態にかかわらない転移性大腸がん(mCRC)に対する新規分子標的治療薬
当社は、2024年6月21日(米国時間)、フッ化ピリミジン系抗悪性腫瘍剤、オキサリプラチン、およびイリノテカンを含む化学療法、抗VEGF療法ならびに抗EGFR療法による治療歴があり、トリフルリジン・チピラシル塩酸塩配合剤又はレゴラフェニブのいずれかによる治療中に進行したもしくはこれらに不耐の転移性大腸がん(mCRC)成人患者さんに対する単剤療法として、FRUZAQLA(一般名:フルキンチニブ)が欧州委員会(EC)によって承認されましたのでお知らせします。本決定は、2024年4月25日の欧州医薬品評価委員会(CHMP)からの肯定的見解と2023年11月8日のオキサリプラチンおよびイリノテカンを含むレジメンによる治療歴のあるmCRCの成人患者さんに対する米国食品医薬品局(FDA)による承認に続くものです1,2。
Vall d´Hebron Institute of Oncology (VHIO)の取締役であるJosep Tabernero, MD, PhD,は「転移性大腸がんの患者さんは、疾患と治療の副作用の両方に起因する多くの困難に直面しています。この疾患の複雑な性質を考慮すると、化学療法以外の経口分子標的薬の治療選択肢であるフルキンチニブのような革新的な治療を導入することが不可欠です。適切な患者さんに新たな治療選択肢を提供できることを楽しみにしています」と述べています。
今回の承認は、国際共同第3相試験であるFRESCO-2試験の結果に基づいています。本試験では、治療歴を有するmCRC患者さんを対象としてFRUZAQLA+最良の支持療法(BSC)群とプラセボ+BSC群を比較検討しました。FRESCO-2試験は、有効性に関する主要評価項目および重要な副次評価項目をすべて達成し、前治療の種類にかかわらず、FRUZAQLAの投与を受けた患者さんで一貫した効果を示しました。FRUZAQLAはFRESCO-2試験において管理可能な安全性プロファイルを示しました。投与中止に至る有害事象の発現率は、プラセボ+BSC群では21%であったのに対し、FRUZAQLA+BSC群では20%でした。FRESCO-2試験のデータは、2023年6月にThe Lancet誌に掲載されました3。
当社のグローバル オンコロジー ビジネス ユニットのプレジデントであるTeresa Bitettiは、「本日の承認はEUにおける大腸がんコミュニティにとって重要な瞬間です。治療歴のある転移性大腸がん患者さんは、この10年以上で初めて、バイオマーカーにかかわらず使用可能な新たな標的治療薬の選択肢を手にしました。当社は管理可能な安全性プロファイルを有し、前治療の種類にかかわらず有効となりうる新規治療選択肢を患者さんにお届けすることを楽しみにしています」と述べています。
FRUZAQLA(フルキンチニブ)について
FRUZAQLAは、3つすべてのVEGF受容体(1/2/3)に対する選択性を有する経口阻害薬です。VEGFR阻害薬は腫瘍血管新生の阻害において極めて重要な役割を果たします。FRUZAQLAは、標的外のキナーゼ活性を最小限に抑えることにより、高い選択性を有するようデザインされており、高い薬物曝露、持続的な標的阻害、併用療法の一部として使用する柔軟な可能性を有しています。
当社は中国本土、香港、マカオ外でのフルキンチニブのグローバル開発、商業化および製造をさらに進めるための独占的ライセンスを有しています。FRUZAQLAは2023年11月に米国食品医薬品局(FDA)により承認されました。2023年9月に、日本の医薬品医療機器総合機構(PMDA)への申請を行いました。フルキンチニブは中国ではHUTCHMED社により開発および販売されています。フルキンチニブは2018年9月に中国国家食品薬品監督管理局(NMPA)により販売承認され、2018年11月に中国でELUNATE®の販売名で上市されました。
CRCについて
CRCは、結腸または直腸から発生するがんです。国際がん研究機関によると、CRCは世界で3番目に多いがんであり、2022年には1,900,000人以上が新たに診断され、900,000人以上の死亡が報告されました。欧州では、2022年にCRCは2番目に多いがんであり、約538,000人が新たに診断され、248,000人の死亡が報告されました4 。米国では、2024年に153,000人がCRCと診断され、53,000人がCRCにより死亡すると推定されています5。日本では、2022年にCRCは最も多いがんであり、145,000人以上が新たに診断され、60,000人の死亡が報告されました4。早期CRCは外科的切除が可能ですが、転移性CRCは依然として予後不良で治療選択肢が限られており、アンメットニーズが高い領域です。転移性CRCの一部の患者さんは、分子特性に基づいて個別化治療戦略からベネフィットを得られる可能性がありますが、ほとんどの患者さんには治療選択に有用な遺伝子変異が認められない腫瘍があります6,7,8,9,10。
第3相FRESCO-2試験について
FRESCO-2試験は、治療歴を有するmCRC患者さんを対象に、FRUZAQLA+BSC群とプラセボ+BSC群を比較検討する、米国、欧州、日本およびオーストラリアで実施された国際共同臨床試験です(NCT04322539)。本試験は主要評価項目および重要な副次評価項目を達成し、FRUZAQLAの投与により、統計学的に有意で臨床的に意義のあるOSとPFSの改善が示されました。FRESCO-2試験におけるFRUZAQLAの安全性プロファイルは、これまでに報告されたフルキンチニブ単剤療法の試験と一致するものでした。この試験の結果は、2022年9月にESMOで発表され、その後2023年6月にThe Lancet誌に掲載されました11,3。
武田薬品について
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
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医療情報
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以上
References
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- Takeda Pharmaceuticals. (2023 November 8). Takeda Receives U.S. FDA Approval of FRUZAQLA™ (fruquintinib) for Previously Treated Metastatic Colorectal Cancer [Press Release]. Available here.
- Dasari NA, et al. Fruquintinib versus placebo in patients with refractory metastatic colorectal cancer (FRESCO-2): an international, multicentre, randomised, double-blind, phase 3 study. Lancet. 2023;402(10395):41-53. doi:10.1016/S0140-6736(23)00772-9.
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