武田薬品、ナルコレプシータイプ1を対象としたTAK-861の国際共同臨床第3相試験の速やかな開始予定について

経口オレキシン受容体作動薬TAK-861のナルコレプシータイプ1を対象とした国際共同臨床第3相試験の2024年度上期の速やかな開始予定について


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2024年2月8日
  • ナルコレプシータイプ1の患者さんを対象とした臨床第2b相試験において主要評価項目と主な副次評価項目を達成

  • TAK-861の安全性および忍容性は概ね良好

  • 試験結果は医学学会で発表予定

当社は、2024年2月8日(米国時間)、ナルコレプシータイプ1(NT1)の患者さんを対象として開発中の経口オレキシン2受容体(OX2R)作動薬であるTAK-861の無作為化、二重盲検、プラセボ対照、反復投与、臨床第2b相試験の良好なトップライン結果が得られましたのでお知らせします。

ナルコレプシーは、中枢性過眠症の中でも、慢性的な希少疾患であり、複数の医薬品が承認されているにもかかわらず、未だアンメットニーズが高い疾患です。現在、ナルコレプシーは2種類に分類されており、オレキシンニューロンの著しい減少によりオレキシンが欠乏するNT1と、オレキシン濃度が概ね正常なナルコレプシータイプ2(NT2)があります。NT1の患者さんのOX2Rを刺激しオレキシンシグナル伝達を回復させることは、疾患の病態生理に即した治療となり得ます。当社は、ナルコレプシーにおける臨床第2b相試験として、NT1を対象とした試験(NCT05687903Go to https://classic.clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT05687903?term=TAK-861&draw=2&rank=3)とNT2を対象とした試験(NCT05687916Go to https://clinicaltrials.gov/search?term=NCT05687916)の2つの試験を実施しました。

NT1を対象としたTAK-861-2001試験では、112名の患者さんを対象にTAK-861を評価したところ、第8週目においてプラセボとの比較で、覚醒に関する主観的評価項目と客観的評価項目に統計学的に有意かつ臨床的意義のある改善が示されました。これには主要評価項目である覚醒維持検査(Maintenance of Wakefulness Test, MWT)での改善(p < 0.001)が含まれます。主な副次評価項目であるエプワース眠気尺度(Epworth Sleepiness Scale, ESS)スコアと1週間あたりの情動脱力発作(カタプレキシー)発現率(Weekly Cataplexy Rate, WCR)についても、主要評価項目の成績と一致する統計学的に有意で臨床的意義のある改善が認められました。本試験を完了した患者さんの大部分が、長期継続投与試験に参加しました。本試験結果と世界各地の医薬品規制当局との協議に基づき、当社はNT1を対象とするTAK-861の国際共同臨床第3相試験を2024年度上期に速やかに開始する予定です。

現時点では 、NT2を対象としたTAK-861の開発を進める予定はありません。オレキシン濃度が正常な疾患群に対する次のステップを決定するため、データを解析しています。当社は現在、NT2などオレキシン神経ペプチドの濃度が正常な疾患群や、オレキシンの生理作用が関与するその他の疾患を対象として、複数のオレキシン受容体作動薬の開発を進めています。

臨床第2b相試験のいずれの試験においても、TAK-861の安全性および忍容性は概ね良好でした。治療に関連する重篤な有害事象の報告はありませんでした。また、これらの臨床第2b相試験および現在実施中のTAK-861長期継続投与試験のいずれにおいても、肝毒性や視覚障害は報告されていません。

当社のニューロサイエンス領域ユニットヘッド兼グローバルデベロップメントヘッドであるSarah Sheikh, M.Sc., B.M., B.Ch, MRCPは、「このたびNT1におけるTAK-861の臨床試験において、明確かつ説得力のある結果を公表できたことをたいへん嬉しく思います。本試験結果により、当社は今年、本疾患の病態生理に焦点をあてた医薬品を患者さんにお届けするため、臨床第3相試験を速やかに開始することができます。当社のオレキシン受容体作動薬の臨床試験にご参加いただいた患者さん、介護者や治験責任医師の方々に深く感謝いたします。私たちは、オレキシンの生物学的特性について深めてきた知見を活かして、このメカニズムで改善する可能性のある疾患をもつ患者さんに革新的な医薬品を開発し、お届けできるよう努めてまいります」と述べています。

両試験の結果は今後、医学学会で発表する予定です。

これら臨床第2b相試験の結果は、2024年3月期(2023年度)通期の連結業績予想に影響を及ぼすものではありません。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

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