未治療のIII期CD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者さんに対するアドセトリス®(ブレンツキシマブ ベドチン)とAVDとの併用療法の欧州委員会による承認について

未治療のIII期CD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者さんに対するアドセトリス®(ブレンツキシマブ ベドチン)とAVDとの併用療法の欧州委員会による承認について


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2023年10月20日
  • III期およびIV期のホジキンリンパ腫を対象とした第3相試験ECHELON-1で得られた全生存期間に関する最新の良好な結果に基づく承認

  • III期およびIV期のホジキンリンパ腫においては20年間で初めて認められた全生存期間の有意な改善

  • 欧州連合ではアドセトリスの現在の適応症6つについての承認が拡大

当社は、2023年10月18日(米国時間)、欧州委員会(EC)より、未治療のIII期CD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者さんに対するドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(AVD)との併用療法として、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®」(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン、以下「アドセトリス」)の承認を取得しましたのでお知らせします。アドセトリスは、ホジキンリンパ腫に発現しているCD30抗原を標的とした抗体薬物複合体(ADC)です。欧州ではこれまでに、未治療のIV期CD30陽性ホジキンリンパ腫を含む6つの異なる適応症の成人患者さんに対する療法として承認されていました。この決定は、2023年9月14日付の欧州医薬品評価委員会(CHMP)の承認を推奨する旨の肯定的見解に従ったものです。

当社のグローバル メディカル アフェアーズ オンコロジーのヘッドであるAwny Farajallah, M.D.は、「アドセトリスと化学療法との併用を、未治療のIII期CD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者さんに対する治療として承認するという欧州委員会の決定を大変喜ばしく思います。特に最大で3分の1のIII期およびIV期の患者さんが、現行のレジメンでは効果が得られないリスクにさらされているからです。このような患者さんに治療選択肢としてアドセトリスを提供できるようになりました。ECHELON-1の臨床試験データによって証明されているように、アドセトリスをフロントラインの治療レジメンに加えれば、生存転帰に有意な改善をもたらす可能性があります」と述べています。

今回の承認は、未治療のIII期またはIV期ホジキンリンパ腫成人患者さんに対する療法としてアドセトリス+AVD併用療法とドキソルビシン+ブレオマイシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(ABVD)療法とを比較するために計画された、ランダム化第3相試験ECHELON-1の結果に基づいています。本試験では、主要評価項目である修正無増悪生存期間(PFS)および重要な副次評価項目である全生存期間(OS)が達成され、未治療のIII期またはIV期古典的ホジキンリンパ腫に対してアドセトリス+AVD併用療法を受けた成人患者さんのOSに統計学的に有意な改善がみられました。アドセトリスの安全性プロファイルは過去の試験と一致しており、新たな安全性シグナルは認められませんでした。

ECHELON-1の治験責任医師であるマンチェスター大学およびChristie NHS FoundationのJohn Radford, M.D., FMedSciは、「ECHELON-1試験では、この20年間で初めてIII期およびIV期ホジキンリンパ腫成人患者さんの全生存転帰に統計学的に有意な改善が認められ、アドセトリスの恩恵が幅広い患者さんの集団にもたらされることが示されました。今回の承認は、治療における非常に喜ばしい進歩です。アドセトリスによるものとして知られている確かな有効性、一貫した安全性および忍容性を、さらに多くのリンパ腫患者さんが得られるようになるでしょう」と述べています。

ECHELON-1は、未治療のIII期またはIV期古典的ホジキンリンパ腫患者さん1,334名を対象としてアドセトリス+AVD併用療法とABVD療法とを比較する試験であり、独立審査機関(IRF)が判定する修正PFSを主要評価項目としていました。重要な副次評価項目はOSであり、本評価項目については、治療企図解析対象集団を対象とし、事前に規定され、有意水準αで制御されたイベント主導型の解析を実施しています。

ホジキンリンパ腫について

リンパ腫とはリンパ系に由来するがんの総称であり、リンパ球と呼ばれる白血球の一種に発生します。リンパ腫は、ホジキンリンパ腫と非ホジキンリンパ腫の2つに大別されます。ホジキンリンパ腫は、リンパ節内のReed-Sternberg細胞の存在によって他のリンパ腫と区別されます。通常、Reed-Sternberg細胞の表面にはCD30という特殊なタンパク質が存在しており、このタンパク質はホジキンリンパ腫の重要なマーカーとされています。CD30は、ホジキンリンパ腫の全症例の約95%に認められます。

米国がん協会(American Cancer Society)は、米国では2022年に約8,540例がホジキンリンパ腫と診断され、900名以上の方がホジキンリンパ腫によって亡くなると予想しています。国際がん研究機関によると、2020年時点では世界全体で83,000名以上の方がホジキンリンパ腫と診断されており、約23,000名の方がこのがんで亡くなっています。

アドセトリスについて

アドセトリスは抗体薬物複合体(ADC)です。Seagen社の特許技術を利用し、プロテアーゼで切断可能なリンカーによって微小管阻害薬(モノメチルアウリスタチンE[MMAE])と結合させた抗CD30モノクローナル抗体を含んでいます。血流中では安定を保ち、CD30陽性腫瘍細胞の内部に移行する際にMMAEを遊離するようデザインされた、リンカーシステムを採用しています。

アドセトリス点滴静注用は成人患者さんの治療としてFDAの承認を受けており、その6つの適応症は(1)未治療の全身性未分化大細胞リンパ腫(sALCL)またはその他のCD30発現末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)(血管免疫芽球性T細胞リンパ腫およびPTCL, 非特定型を含む)に対するシクロホスファミド、ドキソルビシンおよびプレドニゾンとの併用療法、(2)未治療のIII期またはIV期古典的ホジキンリンパ腫(cHL)に対するドキソルビシン、ビンブラスチンおよびダカルバジンとの併用療法、(3)再発または進行のリスクが高いcHLに対する自家造血幹細胞移植(自家HSCT)後の地固め療法、(4)自家HSCTで効果が得られなかった場合や、自家HSCTが適応とならずに多剤併用化学療法を2回以上実施しても効果が得られなかった場合のcHLに対する治療、(5)多剤併用化学療法を1回以上実施しても効果が得られなかったsALCLに対する治療、ならびに(6)全身療法歴のある原発性皮膚未分化大細胞リンパ腫(pcALCL)またはCD30発現菌状息肉症(MF)に対する治療です。アドセトリスは、未治療の高リスク古典的ホジキンリンパ腫(cHL)を有する2歳以上の小児患者さんに対してドキソルビシン、ビンクリスチン、エトポシド、プレドニゾンおよびシクロホスファミドと併用する治療としてもFDAから承認を受けています。

カナダ保健省はアドセトリスに対して、再発または難治性のホジキンリンパ腫およびsALCLを適応症とする条件付きの承認(2013年)、再発または進行のリスクが高いホジキンリンパ腫に対する自家造血幹細胞移植(ASCT)後の地固め療法としての無条件の承認(2017年)、全身療法歴のあるpcALCLまたはCD30発現MF成人患者さんに対する治療としての承認(2018年)、未治療のIV期ホジキンリンパ腫に対してドキソルビシン、ビンブラスチンおよびダカルバジンと併用する治療としての承認(2019年)、ならびに未治療のsALCL、未特定の末梢T細胞リンパ腫(PTCL-NOS)または血管免疫芽球性T細胞リンパ腫(AITL)を有し、腫瘍にCD30が発現している成人患者さんに対してシクロホスファミド、ドキソルビシンおよびプレドニゾンと併用する治療としての承認(2019年)を与えています。

欧州委員会からは2012年10月に条件付きの販売許可を得ており、その販売許可での義務は2022年5月に履行されています。欧州連合で承認されている適応症は、(1)未治療のIII 期およびIV期CD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者さんに対するドキソルビシン+ビンブラスチン+ダカルバジン(AVD)との併用療法、(2)ASCT後の再発または進行のリスクが高いCD30陽性ホジキンリンパ腫成人患者さんの治療、(3) ASCT後の、またはASCTや多剤併用化学療法が治療選択肢にならない場合は治療を2回以上実施した後の、再発または難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫を有する成人患者さんの治療、(4)再発または難治性のsALCLを有する成人患者さんの治療、(5)未治療のsALCL成人患者さんに対するCHPとの併用療法、ならびに(6)全身療法を1回以上実施した後のCD30陽性皮膚T細胞リンパ腫(CTCL)成人患者さんの治療です。

アドセトリスは再発または難治性のホジキンリンパ腫およびsALCLを適応症として、70か国以上で規制当局から販売許可を得ています。

アドセトリスは現在、70を超える臨床試験において幅広く評価されています。これらの試験には、ホジキンリンパ腫に対する一次治療として検討する第3相試験(ECHELON-1)、CD30陽性末梢T細胞リンパ腫に対する一次治療として検討する別の第3相試験(ECHELON-2)、その他多くのCD30陽性悪性腫瘍を対象にした臨床試験が含まれます。

当社はSeagen社と共同でアドセトリスを開発しています。提携契約の条件に基づき、米国およびカナダではSeagen社が販売権を有し、それ以外の地域では当社が販売権を有しています。Seagen社と当社はアドセトリスの共同開発費を50:50の割合で負担しておりますが、日本では当社のみが開発費を負担しています。

武田薬品について

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。

詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

重要な注意事項

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。

武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

将来に関する見通し情報

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govGo to https://www.sec.gov/Archives/edgar/data/1395064/000139506419000005/0001395064-19-000005-index.htmにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

医療情報

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以上