世界保健機関(WHO)の予防接種に関する戦略的諮問委員会(SAGE)、デング熱の疾病負担と感染率の高い地域の6歳から16歳を対象としてタケダのデング熱ワクチンを推奨
世界保健機関(WHO)の予防接種に関する戦略的諮問委員会(SAGE)、デング熱の疾病負担と感染率の高い地域の6歳から16歳を対象としてタケダのデング熱ワクチンを推奨
28,000例を超える被験者が参加した19件の第1、2、3相試験データを専門家がレビュー
今後数ヵ月以内に、WHOはSAGEの推奨を踏まえ、公的予防接種プログラムにおけるQDENGAの使用に関する最終的なガイダンスを発表
デング熱は、流行国の居住者や渡航者にとり、重大かつ増大する公衆衛生上の危機
当社は、このたび、世界保健機関(WHO)の予防接種に関する戦略的諮問委員会(SAGE)が、QDENGA®(4価弱毒生デング熱ワクチン)(開発コード:TAK-003、以下「QDENGA」)の使用に関する推奨を発表しましたので、お知らせします。今後数ヵ月以内に、WHOは、SAGEの推奨を踏まえ、公的予防接種プログラムにおけるQDENGAの使用に関する最終的なガイダンスを含むデング熱ワクチンに関するポジションペーパーを更新します。
SAGEは、以下の推奨を発表しました。
本ワクチンは、公衆衛生上のインパクトを最大化し、血清反応陰性者における潜在的リスクを最小限に抑えるため、デング熱による疾病負担と感染率が高い地域での導入を検討すること。
6歳から16歳の小児を対象とする。この年齢範囲で、デング熱による入院の発生率がピークに達する年齢の約1-2年前にワクチンを導入すること。2回接種とし、接種間隔は3ヵ月とすること。
本ワクチンは、よく検討された適切なコミュニケーションおよびコミュニティとの連携と併せて導入すること。
デング熱は、世界的に最も多い蚊媒介ウイルス性疾患の1つです1。世界100カ国以上で流行しており、毎年3億9000万人が感染していると推定されています2。多くのデング熱感染症は、無症候性又は軽度の症状しか引き起こしませんが、ときに重症化し、死に至ることもあります2。デング熱は、ラテンアメリカ、カリブ海地域、東南アジアから帰国する旅行者の発熱の主な原因でもあります3。
当社のグローバル ワクチン ビジネス ユニットのプレジデントであるGary Dubinは、「デング熱は、罹患率が上昇し続けており、その世界的な影響を看過できなくなっています。今週、WHOのSAGEは、デング熱の予防におけるQDENGAの使用に関する重要な推奨を発表しました。私たちはSAGEのフィードバックを喜ばしく思い、今後数ヵ月以内にWHOから最終的な見解が発表されることを期待しています」と述べています 。
SAGEは、第2世代デング熱ワクチンに関するWHOのガイダンスに従ってデザインされた臨床第3相TIDES(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)試験を含む、28,000人を超える小児および成人を対象とした19件にわたる第1、2、3相試験のデータをレビューしました。主要なTIDES試験では、主要評価項目である本ワクチン2回目接種後12ヵ月の追跡調査期間におけるウイルス学的に確認されたデング熱(VCD)に対する全体的なワクチン有効性(VE)が80.2%で達成され4、また評価に十分なデング熱症例数を有するすべての副次評価項目についても達成されました5。VCDによる入院に対するVEは90.4%でした5。また、ワクチン接種後4.5年(2回目接種後54ヵ月)までの長期探索的解析結果から、QDENGAが全般的な予防効果を維持し、VCDに対するVEは61.2 %、VCDによる入院に対するVEは84.1%でした6。VEの観察結果は、血清型によって異なり、過去に報告された結果と一致していました。QDENGAの忍容性は概ね良好であり、TIDES試験ではこれまでに重要な安全性リスクは特定されていません。
QDENGAは現在、欧州、インドネシアおよびブラジルの民間市場で小児および成人向けに販売されており、間もなくアルゼンチン及びタイでも販売される予定です。
QDENGA®(4価弱毒生デング熱ワクチン)について
当社の4価デング熱ワクチンQDENGA®(TAK-003)は、4種のワクチンウイルス型すべての遺伝子型の“バックボーン”として弱毒化された生の2型デングウイルスをベースに構築されています7。
臨床第3相TIDES試験(DEN-301試験)について
二重盲検、無作為化、プラセボ対照のグローバル臨床第3相試験であるTIDES試験は、小児・若年層被験者を対象とし、4種すべてのデングウイルス血清型によって引き起こされる、ウイルス検査レベルで感染が確認されたあらゆる重症度の症候性デング熱の予防において、TAK-003を2回接種した際の安全性および有効性を評価しています9。被験者を2:1の割合で無作為に割り付け、 TAK-003 0.5 mL又はプラセボを0ヵ月時及び3ヵ月時に2回皮下投与しました9。本治験は5つのパートで構成されており、パート1である主要評価項目の解析では、TAK-003の2回目接種後12ヵ月までのワクチン有効性(VE)および安全性を評価しました9。パート2では、さらに追跡調査を6ヵ月間追加し、副次評価項目であるデング熱による入院に対するVE、デングウイルスの血清型別VE、被験者のワクチン接種前血清状態別VEおよび症状の重症度別VEについての評価を行いました9。パート3では、WHOのガイダンスに従ってさらに2年半から3年にわたって被験者を追跡調査することにより、ワクチンの有効性と長期的な安全性を評価しました10。パート4では追加接種後13ヵ月間の有効性および安全性を評価し、パート5では、パート4完了後1年間の長期的な有効性および安全性を評価します9。
本試験はデング熱流行地域であるラテンアメリカ(ブラジル、コロンビア、パナマ、ドミニカ共和国、ニカラグア)およびアジア(フィリピン、タイおよびスリランカ)にて実施されており、これらの地域ではデング熱予防のアンメットニーズが高く、重症型デング出血熱は小児の重篤な疾患および死亡を引き起こす主たる要因となっています11。ワクチン接種前の血液サンプルを本試験に参加するすべての被験者から採取しており、接種前の血清反応(デングウイルス感染歴の有無)別の安全性および有効性を評価することが可能です。当社および専門家で構成される独立データモニタリング委員会は積極的な安全性のモニタリングを継続して行っています。
デング熱について
デング熱は、最も急速に感染が拡大している蚊媒介感染症で、WHOは、2019年のグローバルヘルスに対する10の脅威の1つにデング熱を挙げています2,12。デング熱は主にネッタイシマカ、および比較的低い割合でヒトスジシマカによって媒介され2、4 種のウイルス血清型すべてがデング熱または重症型デング出血熱を引き起こす可能性があります13。個別の血清型羅患率は地理、地域、国や季節によって異なり、また時間の経過とともに変化していきます14。ある血清型のウイルスに感染した場合、その血清型に対する免疫は一生涯続きますが、後に異なる血清型のウイルスに感染した場合、重症化のリスクが高まります2,15。
武田薬品のワクチンに対する取り組みについて
ワクチンは、毎年350万~500万人の生命を救い、世界の公衆衛生に劇的な変化をもたらしまし16。武田薬品は、約70年にわたり、人々の健康を守るため日本でワクチンを供給してきました。現在、当社のグローバルワクチンビジネスは、デング熱、新型コロナウイルス感染症、パンデミックインフルエンザ、ジカウイルス感染症など、世界で最も大きな課題となっている感染症に対し、最先端の取り組みを行っています。武田薬品はワクチン開発、製造およびマーケットアクセスに関する豊富な実績と深い知識を有しており、世界で最も緊急性の高い公衆衛生ニーズに対応すべく、パイプラインの充実に努めてまいります。詳細については、https://www.takeda.com/jp/science/areas-of-focus/vaccines/をご覧ください。
武田薬品について
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
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医療情報
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