活動性の乾癬性関節炎の治療薬としての、選択性の高いTYK2阻害薬であるTAK-279を評価する臨床第2b相試験の良好なトップライン結果について
活動性の乾癬性関節炎の治療薬としての、選択性の高いTYK2阻害薬であるTAK-279を評価する臨床第2b相試験の良好なトップライン結果について
TAK-279のトップライン結果により、12週時点で少なくともACR20を達成した乾癬性関節炎患者さんの割合がプラセボと比較して有意に高かったことが示された1
良好な結果に基づき、当社は乾癬性関節炎に対するTAK-279の臨床第3相試験を開始予定
完全な臨床結果は今後の医学学会で発表予定
当社は、2023年9月11日(米国時間)、活動性の乾癬性関節炎(関節症性乾癬:以下、乾癬性関節炎)患者さんを対象として開発中の、次世代の選択性を有する経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬であるTAK-279の無作為化、二重盲検、プラセボ対照、反復投与、臨床第2b相試験の良好なトップライン結果を公表しましたのでお知らせします。本試験では、TAK-279を1日1回投与した患者さんにおいて、12週時点で疾患の徴候および症状が少なくとも20%以上改善(米国リウマチ学会が定めた基準による20%以上の改善[ACR20])した患者さんの割合がプラセボと比較して高いという主要評価項目を達成し、乾癬性関節炎患者さんにとって選択性の高い経口薬となる可能性が支持されました1。本臨床第2b相試験におけるTAK-279の安全性および忍容性プロファイルは、過去のTAK-279の臨床試験と一致していました1。この結果の解析は進行中であり、今後の医学学会で臨床結果を公表する予定です。
当社のリサーチ&デベロップメント プレジデントであるアンディ・プランプ(Andy Plump)は「乾癬性関節炎は患者さんにとって大きな負担となることがあり、有効性、安全性、忍容性に加えて利便性を兼ね備えた治療選択肢に対するアンメットニーズがあります。臨床第2b相試験の結果は、選択性の高い経口TYK2阻害薬であるTAK-279が乾癬性関節炎とともに生きる患者さんの臨床転帰を改善する可能性を示唆しています。当社は、TAK-279で認められる高い選択性が、JAK阻害による毒性を回避しながら、TYK2の強い阻害を誘導する可能性があるという仮説を立てています。近いうちにこの結果の詳細をお知らせでき、TAK-279についてのさらなる臨床研究が進むことを楽しみにしています」と述べています。
乾癬性関節炎は、関節の疼痛、こわばりおよび腫脹を生じさせる炎症を特徴とする慢性免疫介在性炎症性疾患であり2、全世界で約1千万人が罹患しています3。乾癬性関節炎で認められる慢性炎症は、適切に治療されない場合、非可逆的な関節破壊に至る可能性があり2、疾患の進行は重度の身体障害4および不安やうつ病などの重大なメンタルヘルス障害とも関連します5。
当社は、本臨床第2b相試験の結果に基づき、乾癬性関節炎を対象としたTAK-279の臨床第3相試験を開始する予定です。2023年度に尋常性乾癬を対象としたTAK-279の臨床第3相試験を開始し、全身性エリテマトーデス、クローン病、潰瘍性大腸炎などの免疫介在性炎症性疾患を対象としてTAK-279を評価する予定です。
本臨床第2b相試験の結果が、当社の2024年3月期(2023年度)の通期の連結業績予想に及ぼす影響はありません。
TAK-279について
TAK-279は後期開発段階の高度に選択的な経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬で6、JAK1と比較して、TYK2に対して約130万倍の選択性を示します7。TAK-279は、複数の免疫介在性炎症性疾患における重要な治療選択肢となる可能性を有します。TAK-279は、臨床第1相試験において、良好な忍容性プロファイル、探索的な評価における用量依存的傾向、固形製剤での1日1回の経口投与が可能な薬物動態プロファイルを示しました8。中等度から重度の乾癬患者さんを対象とした臨床第2b相試験では、12週時点でPsoriasis Area and Severity Index(PASI) 75、90、100を達成した患者さんの割合が、プラセボ投与群と比較して、TAK-279の5 mg、15 mg、30 mgの各投与群で統計学的に有意に高い結果となりました7。TAK-279は現在開発中の化合物であり、まだどの規制当局からも承認されていません。
乾癬性関節炎を対象としたTAK-279臨床第2b相試験について
本臨床第2b相試験(NCT05153148)は、活動性の乾癬性関節炎患者さんを対象としてTAK-279の有効性、安全性および忍容性を評価するために計画された無作為化、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、反復投与試験です6。290名の患者さんを3用量のうちのいずれかのTAK-279の1日1回投与またはプラセボに無作為に1:1:1:1に割付け、12週間の投与と4週間の安全性追跡調査を行いました。主要評価項目は、12週時点で少なくともACR20を達成した患者さんの割合でした。
ACR20は、圧痛関節数および腫脹関節数の20%以上の改善と5項目(疾患活動性の患者さんによる評価、疾患活動性の医師評価、患者さんによる疼痛評価、患者さんによる運動機能評価、急性期反応物質)のうち3項目における20%以上の改善の両方として定義される複合指標です9。
チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬について
チロシンキナーゼ2(TYK2)は細胞内酵素であり、ヤヌスキナーゼファミリーに属するチロシンキナーゼです10。TYK2はヤヌスキナーゼシグナル伝達兼転写活性因子(JAK-STAT)シグナル伝達経路の構成要素であり、重要な免疫サイトカイン受容体のシグナル伝達の下流を介在します10。炎症性サイトカインのシグナル伝達は、乾癬、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデスおよび炎症性腸疾患を含む、複数の免疫介在性炎症性疾患と関連します11。TYK2の選択的なアロステリック阻害は、JAKと関連する毒性の危険を軽減しつつ免疫介在性炎症を標的とする有望な治療法となる可能性があります12。
武田薬品について
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。 詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
重要な注意事項
本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。
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将来に関する見通し情報
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医療情報
本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。
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