中等度から重度の尋常性乾癬患者さんを対象とした1日1回投与の経口TYK2阻害薬として開発中であるTAK-279の臨床第2b相試験の良好な試験結果について
中等度から重度の尋常性乾癬患者さんを対象とした1日1回投与の経口TYK2阻害薬として開発中であるTAK-279の臨床第2b相試験の良好な試験結果について
− TAK-279(旧NDI-034858)の試験結果により、5 mg以上の投与群では12週時点のPsoriasis Area and Severity Index(PASI)75達成率が有意に優れていたことが示された1
−TAK-279の最高用量投与時では、12週時点で患者さんの46%がPASI 90、33%がPASI 100を達成し、皮膚病変のほぼ完全または完全な消失が示された1
− 2023年度に尋常性乾癬を対象とした臨床第3相試験を開始し、乾癬性関節炎を対象とした臨床第2b相試験のトップライン結果を公表見込み
−今後は全身性エリテマトーデス(SLE)や炎症性腸疾患(IBD)を含む他の複数の免疫介在性疾患領域を対象としてTAK-279を評価し、さらなる適応症を探索する予定
当社は、このたび、中等度から重度の尋常性乾癬の患者さんを対象とした高度に選択的な経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬TAK-279(旧NDI-034858)の臨床第2b相試験の良好な結果を公表しましたのでお知らせします。本試験では、12週時点で、PASI 75、90、100を達成した患者さんの割合がプラセボ投与群と比較して、TAK-279の5 mg、15 mg、30 mgの各投与群で統計学的に有意に高く、主要評価項目と副次評価項目を達成しました1。これらのデータは、2023年3月17~21日にニューオーリンズで開催している米国皮膚科学会(AAD)年次総会のLate-Breaking Sessionにおいて発表されました。
臨床第2b相試験の治験責任医師であり、University of Southern Californiaの皮膚科副学部長兼教授であるApril Armstrong(M.D., MPH)は、「本臨床第2b相TAK-279試験の結果から、全体的に強力な臨床的ベネフィットが示され、重要なことに、多数の患者さんがPASI 90または100に到達し、皮膚病変のほぼ完全または完全な消失を達成しました。これらの結果は、現在の治療法で最適な皮膚病不変の消失を達成していない中等度から重度の尋常性乾癬の患者さんにとって、高度に選択的なTYK 2阻害が有効かつ利便性の高い経口薬として治療選択肢となる可能性をさらに支持するものです。今後の臨床試験の結果にも期待を寄せています」と述べています。
本臨床第2b相試験では、259名の患者さんを4用量のうちのいずれかのTAK-279の1日1回投与またはプラセボに無作為に1:1:1:1:1に割付け、12週間の投与を行いました1。結果は以下のとおりです。
- TAK-279群のPASI 75達成率(5 mgで44%、15 mgで68%、30 mgで67%)はプラセボ群(6%)と比較して有意(p<0.001)に高く、試験の主要評価項目を達成しました1。
- TAK-279群のPASI 90達成率(5 mgで21%、15 mgで45%、30 mgで46%)はプラセボ群(0%)と比較して有意(p<0.001)に高く、TAK-279群のPASI 100達成率(5 mgで10%、15 mgで15%、30 mgで33%)は、TAK-279 30mg群でプラセボ群(0%)と比較して有意(p<0.001)に高いことが示されました1。
- TAK-279群の12週時点での医師総合評価(Physician Global Assessment;PGA)スコアでスコア0/1を達成した患者さんの割合(5 mgで27%、15 mgで49%、30 mgで52%)は、プラセボ群(4%)と比較して有意(p≤0.001)に高く、スコア0を達成した患者さんの割合(5 mgで10%、15 mgで15%、30 mgで33%は、TAK-279 30mg群でプラセボ群(0%)と比較して有意(p<0.001)に高いことが示されました1。PGAスコア1は皮膚病変のほぼ完全な消失を示し、0は完全な消失を示します2。
- TAK-279 2 mg群では、プラセボ群と比較して、PASIまたはPGA奏効率(PASI 75:18%、PASI 100:2%、PGA 0/1:10%、PGA 0:2%)における統計学的有意差は認められませんでした1。
有害事象(AE)の頻度は、治療群で53~62%、プラセボ群で44%でした。ほとんどの事象は軽度から中等度でした。1例(15 mg)で2件の重篤なAEが発生しましたが、治験薬投与との関連はなしと判断されました。臨床検査値パラメータの変化は、アロステリックTYK2阻害薬の既知の作用と一致していました1。
当社のリサーチ&デベロップメント プレジデントであるアンディ・プランプ(Andy Plump)は「これらの説得力のあるTAK-279のデータは、中等度から重度の尋常性乾癬患者さんに対する治療薬になる可能性を強固にしています。TAK-279で認められる高度に選択的なTYK2阻害により、ヤヌスキナーゼ(JAK)ファミリーの他のキナーゼが阻害されないため、JAKに関連する毒性を回避できると考えています。炎症性腸疾患を含む免疫介在性疾患に強みを有する当社は、幅広い開発プログラムを実施し、患者さんにベストインクラスとなる可能性のある薬剤をお届けできると信じています」と述べています。
当社は、これらの臨床第2b相試験の結果に基づき、乾癬を対象としたTAK-279の臨床第3相試験を2023年度に開始する予定です。2023年度に乾癬性関節炎を対象とした臨床第2b相試験のトップライン結果の取得を見込んでおり、全身性エリテマトーデス(SLE)や炎症性腸疾患(IBD)を含む他の複数の免疫介在性疾患領域を対象としてTAK-279を評価する予定です。今後はさらなる適応症を探索する予定です。
本件について、米国東部標準時2023年3月18日(土)19:00/日本標準時2023年3月19日(日)8:00に投資家・アナリスト向けウェビナー会議を実施します。こちらのリンクよりご参加ください。
本臨床第2b相試験の結果が、当社の2023年3月期(2022年度)の通期の連結業績予想に及ぼす影響はありません。
*TAK-279 2 mg群では、プラセボ群と比較して、PASI 90反応率 8%、名目上p値=0.037でした1。
<尋常性乾癬について>
乾癬は慢性的な自己免疫疾患であり、身体の免疫系が皮膚細胞の過剰に急速な増殖を引き起こします3。尋常性乾癬は乾癬の一般的な形態であり、銀白色の鱗屑に覆われた痒みまたは痛みを伴う皮膚の隆起性紅斑を特徴とします3,4。尋常性乾癬は頭皮、肘、膝および腰で最も多く見られますが、体のあらゆる場所に出現します3-5。全世界では、1億2500万人が乾癬を有すると推定されており、うち約80~90%が尋常性乾癬を有しています5,6。
<TAK-279について>
TAK-279は複数の自己免疫疾患の治療薬として評価が行われている後期開発段階の高度に選択的な経口アロステリックチロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬です1,7。前臨床試験において、TAK-279は優れた機能的選択性と広い治療域の可能性を示しました8。臨床第1相試験では、良好な忍容性プロファイル、探索的な評価における用量依存的な臨床活動、1日1回の固形経口投与が可能な薬物動態プロファイルを示しました9。現在、活動性の乾癬性関節炎を対象とした臨床第2b相試験(NCT05153148)が進行中です。TAK-279は現在開発中の化合物であり、まだどの規制当局からも承認されていません。
<乾癬を対象としたTAK-279臨床第2b相試験について>
本臨床第2b相試験(NCT04999839)は、中等度から重度の尋常性乾癬患者さんを対象としてTAK-279の有効性、安全性および忍容性を評価するために設計された無作為化、多施設共同、二重盲検、プラセボ対照、反復投与試験です。259名の患者さんを4用量のうちのいずれかのTAK-279(2 mg、5 mg、15 mg、30 mg、すべて1日1回投与)またはプラセボに無作為に割付け(1:1:1:1:1の比)、12週間投与しました。主要評価項目は、12週時点においてPsoriasis Area and Severity Index(PASI)75を達成した患者さんの割合でした1。
<チロシンキナーゼ2(TYK2)阻害薬について>
チロシンキナーゼ2(TYK2)は細胞内酵素であり、ヤヌスキナーゼファミリーに属するチロシンキナーゼです10。TYK2はヤヌスキナーゼシグナル伝達兼転写活性因子(JAK-STAT)シグナル伝達経路の重要な因子であり、炎症に関連するいくつかの重要な免疫サイトカイン受容体を介在します11。これらの炎症性タンパク質の活性化の増加は、乾癬、乾癬性関節炎、全身性エリテマトーデスおよび炎症性腸疾患を含む、複数の自己免疫疾患と関連します12。TYK2の選択的なアロステリック阻害は、JAK阻害薬と関連する毒性を回避しつつ自己免疫炎症を標的とする有望な治療法となる可能性があります13。
<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。研究開発において、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(治療手段)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるように活動しています。詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
<重要な注意事項>
本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。
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<将来に関する見通し情報>
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<医療情報>
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References
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