QDENGA ®▼(4価弱毒生デング熱ワクチン)のブラジルにおける承認取得について
QDENGA ®▼(4価弱毒生デング熱ワクチン)のブラジルにおける承認取得について
− 国家衛生監督庁(ANVISA: National Health Surveillance Agency)による、4歳から60歳までを接種対象としたQDENGA(TAK-003)の承認1
− QDENGAの承認は、28,000例を超える小児および成人を対象とした19件の臨床第1、2、3相試験にわたる結果に基づき、4.5年の追跡調査データより一貫した有効性が示され、重要な安全性リスクは特定されず
− QDENGAは、ワクチン接種前の感染歴検査が不要なブラジルで承認された唯一のデング熱ワクチン
− ラテンアメリカ初のQDENGAの承認
当社は、当社のデング熱ワクチンQDENGA®(4価弱毒生デング熱ワクチン)(開発コード:TAK-003、以下「QDENGA」)が、ブラジルで国家衛生監督庁(ANVISA: National Health Surveillance Agency)により、4種すべてのデングウイルス血清型により引き起こされるデング熱の予防を目的として、4歳から60歳までを接種対象として承認されましたので、お知らせします1。QDENGAは、当局の推奨に従って使用することが必要です。QDENGAは、デングウイルス感染歴を問わず、またワクチン接種前の感染歴検査を必要としない、ブラジルで承認された唯一のデング熱ワクチンです1。
当社のブラジル法人のプレジデントであるJosé Manuel Caamañoは、「ブラジルはデング熱の有病率が高く、医療制度や地域社会におけるデング熱の大きな負担の制御に役立つ有効かつ安全なワクチンの選択肢を必要としています。私たちは、ブラジル政府および医療従事者にワクチンを提供できることを誇りに思い、またこのワクチンが、媒介害虫である蚊の駆除と共に総合的なデング熱対策プログラムの一環として、デング熱と闘うための重要なツールになることを期待しています。臨床試験結果によると、QDENGAは、入院を必要とするデング熱を含め、ブラジルにおける症候性デング熱の発症を有意に予防しうることが期待されます。世界の国々にQDENGAを届けることは、タケダにとって最優先事項であり、今回の承認は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献するというタケダの目的に向かう一歩です」と述べています。
デング熱は蚊が媒介するウイルス性疾患であり、世界人口の半分に公衆衛生上の重大な脅威をもたらしており、ラテンアメリカの多くを含む125ヵ国以上で感染リスクが高まっています2。重度のデング熱は、これらの地域の一部の国における小児や成人の入院や死亡の主な原因となっています2。保健省によると、2022年にブラジルではデング熱の症例が140万例、死亡例が1,000例を超え、症例数は2021年と比較して62.5%増加しました3。
タケダ ブラジル法人のメディカル・アフェアーズ部長であるDr. Vivian Kiran Leeは、「ブラジルの専門家および一般開業医によると、デング熱は感染者に影響するだけでなく、臨床医による他の患者さんへの医療サービスの提供にも影響するため、その流行と感染が引き起こす入院は、医療制度をかなり逼迫させます。ワクチン接種前の血液検査を必要としない安全かつ有効なワクチンの承認は、ブラジルの人々のワクチンへの大規模アクセスと接種に対する深刻な障壁を軽減するために重要です。QDENGAは、蚊の駆除対策と共に、デング熱と闘う国家プログラムの重要な柱となる可能性があります。そして、この疾患の脅威に晒され、ワクチン接種の対象となるブラジルの人々に利益をもたらし、医療制度への負担を軽減するのに役立つと確信しています」と述べています。
QDENGAの承認は、28,000例を超える小児および成人を対象とした19件の臨床第1、2、3相試験にわたる結果に基づいています。グローバル臨床第3相試験(TIDES試験:Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)の4.5年の追跡調査データが含まれています。TIDES試験では、ワクチン接種から12ヵ月後に症候性デング熱症例の80.2%が予防されたことにより、全般的なワクチン有効性(VE)という主要評価項目が達成されました4。さらに、TAK-003は、ワクチン接種後18ヵ月後の入院の90.4%を予防し、主要な副次評価項目も達成しました5。有効性は、血清型により異なり(DENV-1-4)5,6、このTIDES試験の探索的解析により、4.5年の追跡調査期間を通して、TAK-003がワクチン接種前の血清反応が陽性の被験者群(血清反応陽性群)と陰性の被験者群(血清反応陰性群)の両方を含む、全体集団においてデング熱による入院の84%、デング熱の61%を予防したことが示されました6。TAK-003の忍容性はおおむね良好であり、これまでにワクチン接種前の血清反応が陰性だった被検者群における重症化率が上がるエビデンスはなく、重要な安全性リスクは特定されていません7。
当社は、ブラジルの医療従事者および接種対象となる方々にQDENGAを利用可能にするとともに、国家衛生監督庁(ANVISA)ならびに現地の医療専門家と協力し、ブラジルの接種対象となるすべての人々にこのワクチンをお届けできるように取り組んでいくことを誇りに思っています。当社は、ラテンアメリカおよびアジアの他のデング熱流行国における規制当局への承認申請を引き続き行ってまいります。
<臨床第3相TIDES試験(DEN-301試験)について>
二重盲検、無作為化、プラセボ対照のグローバル臨床第3相試験であるTIDES(Tetravalent Immunization against Dengue Efficacy Study)試験は、小児・若年層被験者を対象とし、4種すべてのデングウイルス血清型によって引き起こされる、ウイルス検査レベルで感染が確認されたあらゆる重症度の症候性デング熱の予防において、TAK-003を2回接種した際の安全性および有効性を評価しています8。被験者を2:1の割合で無作為に割り付け、 TAK-003 0.5 mLまたはプラセボを0ヵ月時および3ヵ月時に2回皮下投与しました8。本治験は5つのパートで構成されており、パート1である主要評価項目の解析では、TAK-003の2回目接種後12ヵ月までのワクチン有効性(VE)および安全性を評価しました 8。パート2ではさらに追跡調査を6ヵ月間追加し、副次評価項目であるデング熱による入院に対するVE、デングウイルスの血清型別VE、被験者のワクチン接種前血清状態別VEおよび症状の重症度別VEについての評価を行いました8。パート3では、世界保健機関(WHO)の勧告に従ってさらに2年半から3年にわたって被験者を追跡調査することにより、ワクチンの有効性と長期的な安全性を評価しました8。パート4では追加接種後13ヵ月間の有効性および安全性を評価し、パート5では、パート4完了後1年間の長期的な有効性および安全性を評価します8。
本試験はデング熱流行地域であるラテンアメリカ(ブラジル、コロンビア、パナマ、ドミニカ共和国、ニカラグア)およびアジア(フィリピン、タイおよびスリランカ)にて実施されており、これらの地域ではデング熱予防のアンメットニーズが高く、重症型デング出血熱は小児の重篤な疾患および死亡を引き起こす主たる要因となっています9。ワクチン接種前の血液サンプルを本試験に参加するすべての被験者から採取しており、接種前の血清反応(デングウイルス感染歴の有無)別の安全性および有効性を評価することが可能です。当社および専門家で構成される独立データモニタリング委員会は積極的な安全性のモニタリングを継続して行っています。
<デング熱について>
デング熱は、最も急速に感染が拡大している蚊媒介感染症で、世界保健機関(WHO)は、2019年のグローバルヘルスに対する10の脅威の1つにデング熱を挙げています2, 10。デング熱は主にネッタイシマカ、および比較的低い割合でヒトスジシマカによって媒介され、4種のウイルス血清型すべてがデング熱または重症型デング出血熱を引き起こす可能性があります。個別の血清型羅患率は地理、地域、国や季節によって異なり、また時間の経過とともに変化していきます11。ある血清型のウイルスに感染した場合、その血清型に対する免疫は一生涯続きますが、後に異なる血清型のウイルスに感染した場合、重症化のリスクが高まります2。
デング熱はパンデミックを起こしやすく、熱帯および亜熱帯地域で流行が認められており、最近では北米大陸やヨーロッパの一部で流行しています9,12。現在、世界の約半数がデング熱の脅威にさらされており、毎年世界中で3億9000万人が感染し、約2万人が死亡していると推定されています2,13。デングウイルスはあらゆる年齢の人々に感染し、中南米およびアジアの一部の国では小児の重篤な疾患の主な原因となっています13。
<武田薬品のワクチンに対する取り組みについて>
ワクチンは、毎年350万~500万人の生命を救い、世界の公衆衛生に劇的な変化をもたらしました14。武田薬品は、約70年にわたり、人々の健康を守るため日本でワクチンを供給してきました。現在、当社のグローバルワクチンビジネスは、デング熱、新型コロナウイルス感染症、パンデミックインフルエンザ、ジカウイルス感染症など、世界で最も大きな課題となっている感染症に対し、最先端の取り組みを行っています。武田薬品はワクチン開発、製造に関する豊富な実績と深い知識を有しており、世界で最も緊急性の高い公衆衛生ニーズに対応すべく、パイプラインの充実に努めてまいります。
詳細については、www.TakedaVaccines.comをご覧ください。
<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。研究開発において、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(治療手段)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるように活動しています。詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
<重要な注意事項>
本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。
武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。本ニュースリリースに記載されている製品名は、武田薬品又は各所有者の商標又は登録商標です。
<将来に関する見通し情報>
本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、武田薬品が事業を行う国の政府を含む武田薬品とその顧客及び供給業者又は武田薬品の事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとっての非中核資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社による省エネルギーへの取り組み及び将来の再生可能エネルギー又は低炭素エネルギー技術の発展による当社の温室効果ガス排出量の削減の程度、武田薬品のウェブサイトhttps://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/又はwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。
<医療情報>
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