先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する標準治療と比較したTAK-755の良好な安全性および有効性を示す臨床第3相試験の結果について

先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する標準治療と比較したTAK-755の良好な安全性および有効性を示す臨床第3相試験の結果について


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2023年1月5日

- 治療選択肢が限られている超希少疾患のcTTPに対する初めてかつ唯一の臨床第3相試験による結果
- cTTPはADAMTS13プロテアーゼの欠乏によって引き起こされるため1、TAK-755は欠落または欠乏したADAMTS13酵素を補充するよう設計2
- cTTP治療のための初のADAMTS13補充療法薬としてTAK-755の製造販売承認申請を予定

当社は、このたび、主要な臨床第3相試験において事前に計画した中間解析より得られた包括的なエビデンスから、先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)に対する酵素補充療法薬としてのTAK-755の有効性および安全性が支持されたことをお知らせします。cTTPは、ADAMTS13プロテアーゼの欠乏により生じる希少な慢性かつ消耗性の血液凝固障害である血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)の超希少なサブタイプです1、3。未治療のまま経過した場合、急性TTPの死亡率は90%を超えます4

本試験は、複数の臨床的に関連のある評価項目を用いて、有効性、薬物動態、安全性および忍容性データから示される包括的エビデンスに基づいて、TAK-755の臨床効果を評価するよう設計されました5。このアプローチについては、各国の規制当局と協議を行いました。本試験では無作為化クロスオーバー法において、TAK-755を現在の標準治療(SoC)である血漿製剤を用いた治療と比較して評価しました。中間成績から、TAK-755がSoCと比較してcTTPの重要な疾患活動性マーカーである血小板減少症事象の発現率を60%(95%信頼区間:30%~70%)低減させることが示されました。また、治療と関連性がある有害事象が発現した被験者の割合は、SoCを受けている被験者(47.7%)と比較して、TAK-755が投与された被験者(8.9%)で実質的に低い結果でした。

臨床第3相試験の中間解析から得られたこれらのデータに基づき、当社は患者さんの大きなアンメットニーズがある疾患であるcTTPに対する初の遺伝子組換えADAMTS13(rADAMTS13)補充療法薬としてTAK-755の製造販売承認申請を目指しています。

当社の希少遺伝子疾患および血液疾患領域ヘッドであるダニエル・カラン(Daniel Curran, M.D.)は、「当社は、現在までに疾患管理を可能とする承認された治療薬がないcTTPの患者さんに対し、治療選択肢を提供できるよう取り組んでいます。本試験の結果は大変喜ばしいものであり、当社は患者さんにTAK-755を可能な限り早くお届けするために世界中の規制当局との連携を続けてまいります」と述べています。

当社は、今後の学会でこの中間解析の結果を発表する予定です。

これらの結果公表に加え、当社はNew England Journal of Medicine(NEJM)2022年12月22日号に2つの症例報告が掲載されたことをお知らせします。この症例報告は2名の医師が執筆、投稿したものであり、医師らはcTTPとの関係が認められる重大な合併症に直面している患者さんを治療するために、TAK-755の人道的使用を要請しました。本症例報告はNEJMのウェブサイトで閲覧可能です。

TAK-755については、後天性(免疫性)TTP(iTTP)に対するrADAMTS13の薬物動態、安全性および有効性を評価する臨床第2相試験も実施中です6

本臨床第3相試験の中間解析の結果が、当社の2023年3月期(2022年度)の通期の連結業績予想に及ぼす影響はありません。

<TAK-755について>

TAK-755は、現在開発中の、初めてかつ唯一の遺伝子組換えADAMTS13タンパク質です。欠落または欠乏したADAMTS13酵素を補充することによって、血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)患者さんのアンメットメディカルニーズに対処する標的療法を提供します7

TAK-755 cTTP臨床開発プログラムには、1つのfirst-in-human臨床第1相試験である281101試験(NCT02216084)8と、主要な臨床第3相試験の281102試験(NCT03393975)と臨床第3b相継続試験のTAK-755-3002試験(NCT04683003)5、9の2つの臨床第3相試験が含まれます。また、TAK-755については後天性(免疫性)TTP(iTTP)と鎌状赤血球症を対象にそれぞれ臨床第2相試験(NCT03922308)と臨床第1相試験(NCT03997760)を実施中であり、2023年にデータを公表する予定です6、10

TAK-755は米国食品医薬品局(FDA)より先天性、後天性、特発性および続発性を含むTTPの治療(ODA-08-2622)と予防(ODA-08-2652)に対して、欧州医薬品庁(EMA)よりTTPの治療(EU/3/08/588)に対して、また日本の厚生労働省より血栓性血小板減少性紫斑病に対して希少疾病用医薬品指定(ODD)を受けました。遺伝性(先天性)ADAMTS13欠乏症の患者さんにおけるTTPの急性症状の治療、予防および定期予防に対してFDAよりTAK-755のファスト・トラック指定(FTD)も受けています。

<cTTPについて>

cTTPは生命を脅かす急性症状と消耗性の慢性症状を伴う超希少、慢性、消耗性の血液凝固障害です1、3。cTTPは、有病率が100万人あたり2~6症例11と推定されているTTPのサブタイプであり、TTP患者さんの5%以下に相当します12、13。フォン・ヴィレブランド因子(VWF)切断プロテアーゼであるADAMTS13の欠乏により発現し、その結果、血液中に超巨大VWFマルチマーが蓄積します1。 超巨大VWFマルチマーが蓄積すると、コントロール不能な血小板の凝集および粘着が生じます3、14。これは体内の微小血管に異常な凝固を生じさせる可能性があり、溶血性貧血と血小板低値(血小板減少症)と関連します14

cTTPは急性症状と慢性症状の両方を有し(脳卒中と心血管疾患を含む)、大きな疾病負荷と関連します。ADAMTS13の欠乏状態に起因する進行中の広範な臓器障害などの深刻な併存疾患のため、一般集団と比較した患者さんのQOLは大幅に低下し生存期間は短縮します3、12、15、16。rADAMTS13はcTTPに対する新規治療アプローチとして治験中です17

cTTPに対する現在の標準治療は血漿療法ですが16、ADAMTS13を回復させるには不十分であり、時間と費用がかかります7、18、19

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE: 4502/NYSE: TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。研究開発において、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるように活動しています。詳細についてはhttps://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

<留意事項>

本留意事項において、「リリース」とは、本ニュースリリース(添付資料および補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明または配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答および書面または口頭の資料を意味します。本リリース(それに関する口頭の説明および質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却、その他の処分の提案、案内もしくは勧誘またはいかなる投票もしくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明または形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本リリースにより株式または有価証券の募集を公に行うものではありません。米国1933年証券法(その後の改正を含みます。)に基づく登録または登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本リリースは、(投資、取得、処分、その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。
武田薬品が直接的に、または間接的に投資している会社は別々の会社になります。本リリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品およびその子会社全般を参照するものとして便宜上使用されていることがあります。同様に、「当社(we、usおよびour)」という用語は、子会社全般またはそこで勤務する者を参照していることもあります。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあります。

 

<将来に関する見通し情報>

本ニュースリリースおよび本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標および計画を含む当社の将来の事業、将来のポジションおよび業績に関する将来見通し情報、理念または見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「することができた(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語もしくは同様の表現またはそれらの否定表現を含むことが多いですが、これらに限られるものではございません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の業績は、将来見通し情報において明示または暗示された将来の業績とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本および米国の一般的な経済条件を含む当社のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功および規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品および既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利および為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレームまたは懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、当社が事業を行う国の政府を含む当社とその顧客および供給業者に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期および影響、武田薬品の事業にとってのノン・コア資産を売却する能力およびかかる資産売却のタイミング、当社のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)またはwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書および当社の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、または当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果は武田薬品の将来の経営結果またはその公表を示すものではなく、その予測、予想、保証または見積もりではありません。

 

<医療情報>
本ニュースリリースには、製品についての情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではありません。また、国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品の効能を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

 

1 Alwan F, et al., Blood. 2019;133:1644–51

2 Kopić A, et al., J Thromb Haemost. 2016;14(7):1410-1419. doi:10.1111/jth.13341

3 Kremer Hovinga JA, et al., Nat Rev Dis Primers. 2017;3:17020

4 Van Dorland H et al., Haematologica. 2019;104:2107-16

5 ClinicalTrials.gov A Study of BAX 930 in Children, Teenagers, and Adults Born With Thrombotic Thrombocytopenic Purpura (TTP). Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03393975 Last accessed December 2022

6 ClinicalTrials.gov Study of rADAMTS-13 (SHP655) in the Treatment of Participants With Acquired Thrombotic Thrombocytopenic Purpura (aTTP) (SOAR-HI) Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT03922308 Last accessed December 2022

7 Scully M et al. Blood. 2017;130:2055-63

8 ClinicalTrials.gov Phase 1 Dose Escalation, Single Dose Study to Assess Safety and Pharmacokinetics of BAX930 in Hereditary Thrombotic Thrombocytopenic Purpura (TTP) Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT02216084 Last accessed December 2022

9 ClinicalTrials.gov A Study of TAK-755 in Participants With Congenital Thrombotic Thrombocytopenic Purpura Available at: https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04683003 Last accessed December 2022

10 ClinicalTrials.gov A Study of SHP655 (rADAMTS13) in Sickle Cell Disease (RAISE) Available at: A Study of SHP655 (rADAMTS13) in Sickle Cell Disease - Full Text View - ClinicalTrials.gov Last accessed December 2022

11 Zheng XL et al., J Thromb Haemost. 2020;18(10):2486-95

12 Sukumar S, et al. J Clin Med 2021;10:536

13 Mariotte E, et al. Lancet Haematol 2016;3:e237–45

14 Chiasakul T and Cuker A. Am Soc Hematol. 2018;2018(1):530–538

15 Joly BS et al., Blood. 2017;129(21):2836–2846

16 Zheng XL et al., J Thromb Haemost. 2020;18:2503-12

17 Royal College of Pathologists Bulletin 200 October 2022. Available at: https://www.rcpath.org/profession/publications/college-bulletin/october-2022/thrombotic-thrombocytopenic-purpura-past-present-and-future.html Last accessed December 2022

18 Blombery P, Scully M. J Blood Med. 2014;5:15-23. Published 2014 Feb 5. doi:10.2147/JBM.S46458

19 Oladapo A et al., ISTH abstract PB1582. Available at: https://academy.isth.org/isth/2019/melbourne/264771/abiola.oladapo.cost.of.illness.28coi29.of.congenital.thrombotic.thrombocytopenic.html?f=listing%3D6%2Abrowseby%3D8%2Asortby%3D2%2Atopic%3D21422 Last accessed December 2022

 

以上