武田薬品、Adaptate Biotherapeutics社を買収し、固形がんを標的とする新規ガンマデルタ(γδ)T細胞エンゲージャー療法の開発を推進
武田薬品、Adaptate Biotherapeutics社を買収し、
固形がんを標的とする新規ガンマデルタ(γδ)T細胞エンゲージャー療法の開発を推進
- 買収によりAdaptate社の新規の抗体ベースのγδT細胞エンゲージャープラットフォームが武田薬品の自然免疫に着目したがん免疫治療のポートフォリオに加わります
- 複数年にわたる研究開発パートナーシップの成果に基づき、1年以内に武田薬品として3件目の「build to buy」買収を発表しました
日本・大阪および英国ロンドン、2022年1月10日 – 武田薬品工業株式会社 (TSE:4502/NYSE:TAK)(以下、「武田薬品」)は本日、可変デルタ1 (Vδ1)ガンマデルタ(γδ)T細胞を修飾し抗体ベースの治療薬の開発を進める英国に本拠を置く企業であるAdaptate Biotherapeutics (以下、「Adaptate社」)を買収するオプション権を行使しましたのでお知らせします。今回の買収計画により、武田薬品は、Adaptate社の抗体ベースのγδT細胞エンゲージャープラットフォームを前臨床段階の候補品および創薬パイプラインのプログラムを含め取得します。Adaptate社のγδT細胞エンゲージャーは、遺伝子組換え技術を用いて、腫瘍でのみγδT細胞がメディエートする免疫反応を特異的に修飾し、健康な細胞を傷つけないよう設計されています。
今回のAdaptate社の買収は、武田薬品によるGammaDelta Therapeutics Limited社(以下、「GammaDelta社」)の買収オプション件の行使に続き、革新的なγδT細胞ベースの治療薬の開発をさらに加速することを目的としています。GammaDelta社の細胞療法ベースのプラットフォームとAdaptate社の抗体ベースのγδT細胞エンゲージャープラットフォームを武田薬品の強固な研究開発組織と組み合わせることで、武田薬品はがん治療においてγδT細胞のポテンシャルを最大限に発揮させる最先端の企業として研究を進めることができます。武田薬品は、別の「build to buy」提携の結果としてMaverick Therapeutics社 から取得した新規T細胞エンゲージャーCOBRAプラットフォームを用いて固形がん治療における細胞エンゲージャーの研究開発を進めていますが、今回のAdaptate社買収計画は、この取り組みを補完する内容です。
武田薬品Oncology Cell Therapy and Therapeutic Area Unitのヘッドを務めるクリストファー・アーレント博士(Christopher Arendt, Ph.D.)は、次のように述べています。「開発早期のイノベーターと連携し、がん治療に向けた最先端のプラットフォームにアクセスすることは、私たちの研究開発戦略の中心にあります。Adaptate社のγδT細胞エンゲージャープラットフォームと、チームがもつγδT細胞の生理学的特徴に関する深い理解は、私たちに強力な自然免疫の機序を活用し新クラス治療薬を開発する機会を与えてくれます。今回の買収計画は、武田薬品が進めているがん患者さんの生活を一変させるような治療薬の開発を向けた努力の一環として行うもので、武田薬品におけるがん免疫療法の研究開発の強化が期待できます」
Adaptate社は、GammaDelta社のスピンアウト企業としてAbingworth LLP社と武田薬品からの投資を受け2019年に設立された企業で、同社設立の際、武田薬品は事前交渉により定められた契約一時金でAdaptate社を買収する独占的オプション権を取得しました。Adaptate社とGammaDelta社の買収は、武田薬品の2022年度第1四半期の完了を予定していますが、米国の1976年ハート・スコット・ロディノ反トラスト改正法を含む独占禁止法に基づく審査完了時期によります。
Adaptate社CEOのナタリー・マウント(Dr. Natalie Mount)は、次のように述べています。「今回の武田薬品による買収は、Adaptate社の才能にあふれた素晴らしいチームが過去2年間にわたり行ってきた優れた研究が高く評価されたことを意味します。私たちは、新規のVδ1を標的とする抗体の治療薬としての可能性を前臨床モデルで速やかに立証し、このことでVδ1T細胞を標的とする治療法の可能性を最大限に実現し、がん患者さんの治療アウトカムを改善するという目標に向かって心躍る1歩を歩むことができました」
Abingworth社の会長兼マネージングパートナーであるティム・ヘインズ(Tim Haines)は、次のように述べています。「Adaptate社の設立以来重要な役割を果たしてきた企業として、私たちはナタリー・マウントが率いる同社のγδT細胞治療用抗体ポートフォリオの素晴らしい開発状況をたいへん嬉しく感じています。武田薬品がAdaptate社の有望な治療用抗体を臨床開発に進め、さらなる段階に進めることを期待しています」
武田薬品のオンコロジーパイプラインは、免疫系の力を活用する新たな治療戦略に特化したもので、特に自然免疫に力を入れています。自然免疫反応は、様々な機序や、γδT細胞やナチュラルキラー(NK)細胞をはじめとする多種多様の細胞がオーケストラのように連携し疾患と戦う生体防御機構の第一線として活動するしくみで、これを活用すれば、免疫の監視から逃れる能力を持つがんの克服に役立つと考えられています。Adaptate社は、がん微細環境内のγδT細胞の活性を選択的に調節する独自の抗体を発見しました。この抗体は、自然免疫系に対して正確に標的を絞ったシグナルを発信することで、現在固形がんに対して行われている従来型のがん免疫療法に比べ有効性と安全性が高い治療法となることが期待されます。
武田薬品のオンコロジー領域における取り組み
オンコロジー領域研究開発におけるコアミッションは、私たちの科学技術、画期的なイノベーションと患者さんの生活改善に向けた熱い思いを通じ、新たな医薬品を世界中のがん患者さんにお届けすることにあります。血液疾患治療薬、パイプライン品目、および固形がん治療薬のいずれについても、革新的で競争力のある研究開発を進め、治療薬を必要とする患者さんにお届けしてまいります。詳細については、www.takedaoncology.comをご覧ください。
<武田薬品工業株式会社について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝性・血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。詳細については、https://www.takeda.comをご覧ください。
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Adaptate Biotherapeutics社は、患者さん自身の細胞傷害性γδT細胞の活性を患者さんの体内で調節する革新的な治療用抗体のポートフォリオを開発する免疫療法に特化した企業です。Adaptate社の標的を定めたアプローチにより、現行のがん免疫療法で頻繁に直面する課題に安全かつ効果的に対処することが可能になります。Adaptate Biotherapeuticsは、2019年下旬に GammaDelta Therapeuticsからスピンアウトして設立された企業で、Abingworth LLP社と武田薬品工業株式会社から投資を受け、キングスカレッジロンドン、フランシス・クリック研究所およびCancer Research Technology社より支援を受けています。
<本リリースに関するお問い合わせ先>
Adaptate BiotherapeuticsSarah Jeffery [email protected] |
武田薬品工業株式会社
R&D Communications, Japan-APAC [email protected]
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