米国FDAによるナルコレプシータイプ1治療薬として開発中である経口オレキシン作動薬TAK-994のブレークスルーセラピー指定について
米国FDAによるナルコレプシータイプ1治療薬として開発中である経口オレキシン作動薬TAK-994のブレークスルーセラピー指定について
- 承認された場合、現在開発中のTAK-994はナルコレプシータイプ1(NT1)の原因であるオレキシンの欠乏を標的とする治療選択肢となる可能性
当社は、このたび、臨床第2相試験を実施中の経口投与可能なオレキシン2型受容体選択的作動薬であるTAK-9941が、米国食品医薬品局(FDA)よりブレークスルーセラピーの指定を受けましたのでお知らせします。現在TAK-994は、睡眠-覚醒サイクルが変化する慢性神経疾患であるナルコレプシータイプ1(NT1)2の患者さんにおける日中の過度の眠気(EDS)の治療薬として開発が進められています。3EDSはNT1の特徴的な症状であり、一日を通して覚醒や注意力を保つことができず、日常的に無意識に不適切な時間であっても入眠するなどの特徴を示します。3,4
FDAによるブレークスルーセラピー指定は、重篤な疾患の治療を目的とした医薬品であり、かつ臨床的に重要な少なくとも1つ以上のエンドポイントにおいて既存の治療法より大幅な改善を示唆する予備的な臨床成績が提示された医薬品に対して、開発および審査を促進するために構築された制度です。5
TAK-994のブレークスルーセラピー指定は、NT1の患者さんにおいて開発中の経口オレキシン受容体作動薬が日中の覚醒状態の客観的および主観的評価項目において大幅な改善を示す可能性を示唆した、初期段階の予備的臨床データなどに基づくものです1。現在、TAK-994は臨床第2相試験(TAK-994-1501試験)を実施中です2。臨床第2相試験の結果は、治験終了後に今後の学会等で発表する予定です。
当社ニューロサイエンス疾患領域ユニットヘッドであるサラ・シーク(Sarah Sheikh)は、「ナルコレプシータイプ1の患者さんは日常的に職場や学校で眠ってしまうほどの、日中の過度の眠気に苦しんでいます。承認された場合、開発中のTAK-994は、疾患の根本的な原因であるオレキシン欠乏状態を改善し、現在のNT1治療法を革新的に変化させる可能性を有しています。オレキシンは患者さんの睡眠-覚醒サイクルの調節にきわめて重要な役割を果たしており、目覚めを促進する脳内の生理的な経路を担っています」と述べています。
TAK-994は、先駆的な複数のアセットを有する当社のオレキシンフランチャイズの中で最も先行する新規候補物質であり、湘南ヘルスイノベーションパークにある武田湘南研究所で創製されました。今回の指定は、NT1の患者さんにこの重要な治療薬をお届けするための当社の取り組みを加速させるうえで、大きな節目となるものです。
<武田薬品のニューロサイエンスに対する取り組みについて>
武田薬品のニューロサイエンスに対する取り組みは、神経疾患を有する患者さんの大きなアンメットニーズを解決するという強い思いによって推進されています。武田薬品の使命は、患者さんに、革新的で疾患を根本から解決する可能性のある医薬品をお届けすることです。患者さんに対する武田薬品のコミットメントは、研究開発に邁進することにとどまらず、神経精神疾患患者さんや医療機関を支援して疾患や治療に対する認知度を高め、啓発し、治療へのアクセスを拡大することに取り組んでいます。
<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品は、「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」という約束を胸に、革新的な医薬品を創出し続ける未来を目指します。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少遺伝子疾患および血液疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤とワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国と地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
<留意事項>
本留意事項において、「ニュースリリース」とは、本資料(添付資料及び補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法に基づく登録又は登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。
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<将来に関する見通し情報>
本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「することができた(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の業績は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の業績とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む当社のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、世界的な医療制度改革を含む関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品および既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、当社が事業を行う国の政府を含む当社とその顧客及び供給業者又は当社事業の他の側面に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとってのノン・コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社のウェブサイト(https://www.takeda.com/investors/reports/sec-filings/)又はwww.sec.gov において閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書及び当社の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果は武田薬品の将来の経営結果又はその公表を示すものではなく、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。
References
1. Data on File. Takeda Pharmaceuticals. 2021.
2. A Study of TAK-994 in Participants With Narcolepsy With or Without Cataplexy (Narcolepsy Type 1 [NT1] or Narcolepsy Type 2 [NT2]). ClinicalTrials.gov. Published April 1, 2021. https://clinicaltrials.gov/ct2/show/NCT04096560
3. Ruoff C, Rye D. The ICSD-3 and DSM-5 guidelines for diagnosing narcolepsy: clinical relevance and practicality. Curr Med Res Opin. 2016;32(10):1611-1622. doi:10.1080/03007995.2016.1208643
4. Brown J, Makker H. An approach to excessive daytime sleepiness in adults. BMJ. 2020;(368):m1047.
5. Breakthrough Therapy. FDA. Published online November 3, 2018. Accessed July 23, 2021. https://www.fda.gov/patients/fast-track-breakthrough-therapy-accelerated-approval-priority-review/breakthrough-therapy
以上