2020年度上期はポートフォリオの底力を実証:通期のマネジメント・ガイダンスを維持、フリー・キャッシュ・フロー、財務ベース営業利益、財務ベースEPSを上方修正

2020年度上期はポートフォリオの底力を実証:通期のマネジメント・ガイダンスを維持、フリー・キャッシュ・フロー、財務ベース営業利益、財務ベースEPSを上方修正


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2020年10月29日

- 2020年度上期の業績はグローバルブランドの成長が牽引(ENTYVIO:対前年同期+25.8%、TAKHZYRO:
+45.5%、ニンラーロ:+19.2%)、利益率およびキャッシュ・フローが力強く成長
- 当社の革新的な研究開発体制によりパイプライン第1ウェーブの進捗が継続、細胞医薬品の製造能力を拡張
- 通期のマネジメント・ガイダンスを維持、フリー・キャッシュ・フロー、財務ベース営業利益、財務ベースEPSの通期予想を上方修正

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、本日、2020年度上期の業績を公表しましたのでお知らせします。

当社代表取締役社長CEOのクリストフ・ウェバーは次のように述べています。

「2020年度上期の業績は、当社の安定的なビジネスモデルとポートフォリオの厚さ、そして当社従業員が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)のパンデミックによる困難を乗り越えて世界中の患者さんや地域社会への貢献に継続的に取り組んできたことによる成果です。

これまでと同様に今回の業績も、当社の主要な5つのビジネスエリアにおけるグローバルブランド14製品の実質的な成長が牽引し、利益率およびキャッシュ・フローの力強い成長を達成できました。当社の革新的な研究開発体制によりパイプライン第1ウェーブの進捗が加速し、今後12ヶ月以内に7つの新規候補物質の新薬承認申請を予定しています。細胞医薬品の製造能力も拡張し、これらはいずれも当社の今後の成長に寄与すると考えています。また、ノン・コア事業等の売却では目標額を超え、2019年1月以降、総額110億米ドルを超える売却を公表し、継続的かつ迅速に負債を減額してきました。

当社は引き続きCOVID-19の治療薬となり得る医薬品の開発に注力しており、CoVIg-19アライアンスの臨床第3相試験に短期間で最初の患者登録ができたことは素晴らしい成果です。

通期のマネジメント・ガイダンスは維持し、フリー・キャッシュ・フロー、財務ベース営業利益、財務ベースEPSを上方修正しました。これは、当社の勢いある成長に対する自信を反映したものであり、COVID-19パンデミックによる困難な環境にもかかわらず、現在の当社業績が良好であることに裏付けられています。当社がこれまで達成してきたことを誇りに思うとともに、2020年度下期も力強い成長を遂げるよう努めてまいります。」

財務・ビジネスハイライト
2020年度上期(4~9月)連結業績[1],[2],[3],[4]

(億円)

財務ベース

Core

実質ベース

2020年度上期

対前年同期

2020年度上期

対前年同期

 

売上収益

15,908

△4.2%

15,908

△4.2%

+0.5%

営業利益

2,156

+97.7%

5,076

△6.3%

+1.9%

営業利益率

13.6%

+7.0pp

31.9%

△0.7pp

31.6%

当期利益

865

+15.8%

3,455

△9.2%

 

EPS(円)

55円

+7円

221円

△23円

△0.4%

営業活動による
キャッシュ・フロー

3,920

+14.9%

 

 

 

フリー・キャッシュ・フロー
(IFRSに非準拠)

4,255

△37.1%

 

 

 

1 「実質的な成長」は、当年度と前年度(四半期もしくは年間)の業績を共通の基準で比較するものであり、マネジメントによる業績評価に使用されています。これら共通の基準で比較される業績は、年間計画レートを用いた為替レートを一定として、事業等の売却影響およびその他の非定常的もしくは特別な事象に基づく影響、本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を控除し算定されます。
2 Core営業利益は、純利益から、法人所得税費用、持分法にかかる投資損益、金融損益、その他の営業収益およびその他の営業費用、製品に係る無形資産償却費及び減損損失を控除して算出します。その他、企業買収に係る会計処理の影響や買収関連費用など、本業に起因しない(ノン・コア)事象による影響を調整します。

3 フリー・キャッシュ・フローは、営業活動によるキャッシュ・フローから有形固定資産の取得による支出を控除し、有形固定資産の売却による支出を加えて算出します。さらに、無形資産による支出、投資の取得による支出を控除し、投資の売却・償還による収入、処分した現金及び現金同等物控除後の事業売却による収入を加えて調整します。
4 当社のIFRSに準拠しない財務指標のさらなる詳細については当社のホームページをご参照下さい。
https://www.takeda.com/jp/investors/financial-results/

2020年度上期は堅実な業績を達成
財務ベース売上収益は、為替や事業売却による影響を受け、1兆5,908円(約151億米ドル)1でした。2020年度上期の実質的な売上収益成長率は対前年同期+0.5%で、「一桁台前半の成長」という通期のガイダンスと一致しています。

財務ベース営業利益は、企業買収に係る会計処理や統合関連費用が前年同期よりも小さかったことが影響し、対前年同期+97.7%の2,156億円(約20億米ドル)1となりました。企業買収に係る会計処理の影響や特別な事象に基づく影響を調整したCore営業利益は、為替影響および事業売却の影響により対前年同期で減少し5,076億円(約48億米ドル)1でした。Core営業利益率は対前年同期で+31.9%であり、為替影響と事業売却の影響を調整した実質的なCore営業利益率は、コストシナジーと営業経費効率化が寄与し、対前年同期で+31.6%となりました。

財務ベース当期利益は、主に企業買収に係る会計処理や統合関連費用が前年同期よりも小さかったことにより2、対前年同期+15.8%の865億円でした。

営業活動によるキャッシュ・フローは、対前年同期+14.9%の3,920億円となりました。資本的支出および事業等の売却から得られた資金を反映したフリー・キャッシュ・フローは、2019年7月のXiidra®売却に伴う現金3,755億円のマイルストン受領による影響を含め、4,255億円(約40億米ドル)1となりました。さらなるレバレッジ低下により、純有利子負債/調整後EBITDA倍率は2020年度上期末時点で3.7倍に低下しました。

COVID-19の世界的な流行拡大に伴う、2020年度第2四半期累計の連結業績への影響は軽微でした。売上収益については、ニューロサイエンス(神経精神疾患)など一部の疾患領域において、患者さんの医療機関への訪問頻度の減少等のマイナス影響が当期の最初の数カ月において見られましたが、一方で、服薬の利便性の高い特定の製品の需要拡大も流行初期に見られました。これらの動向はともに、当期末にかけて正常化し、COVID-19の流行拡大前の水準に戻りました。営業経費については、渡航制限や集会の自粛等、特定の事業活動を自主的に制限したことにより経費使用が減少したため、利益に対する影響は限定的でした。今回のパンデミックによりビジネスが遅延する可能性はありますが、当社は引き続き2020年度の主要な業績目標の達成に向けて邁進してまいります。2020年度第2四半期累計の連結業績の詳細は、本日公表した当社決算短信をご覧ください。COVID-19に関する当社の最新の情報については、こちらを参照(COVID-19インフォメーションセンター)ください。

主要な5つのビジネスエリアの収益アップデート

当社の主要な5つのビジネスエリアである消化器系疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンスの財務ベース売上収益は計1兆2,989億円で、上期の売上収益全体の約82%を占め、実質的な売上収益成長率は対前年同期+4.0%でした。 グローバルブランド14製品の財務ベース売上収益は合計5,959億円で、実質的な売上収益成長率は対前年同期+15.4%を達成しました。

消化器系疾患

  • 消化器系疾患フランチャイズは、腸管選択的に作用する生物学的製剤であるENTYVIOが米国、EU、および日本で患者シェアを拡大し、財務ベース売上収益は3,798億円、対売上収益比は24%。


希少疾患

  • 希少疾患フランチャイズは、力強い実績の維持とTAKHZYROの上市成功により、遺伝性血管性浮腫のポートフォリオで二桁台の成長を達成し、財務ベース売上収益は2,954億円、対売上収益比は19%。希少血液疾患における競合状況は、アディノベイトの売上伸長を一因とするアドベイトの対前年同期売上減少(△19%)や競争激化を含め、想定内。米国におけるNATPARA供給再開計画案に関して、当社は、必要となるデバイス変更と製品試験の実施が2021年以降に遅延する可能性が高いと予想しており、FDAと緊密に連携。


PDT
免疫疾患

  • PDT免疫疾患では、米国でのGAMMAGARD LIQUID並びに世界中での免疫グロブリン皮下注製剤の需要増に牽引され、財務ベース売上収益は2,059億円、対売上収益比は13%。アルブミン製剤の売上は、中国での中断期間明けの供給変動の結果による期ずれおよび2019年度第1四半期の力強い売上のため、対前年同期で低下(△13%)。しかしながら、需要増と生産能力拡大により2020年度下期は回復の見込み。


オンコロジー(がん)

  • オンコロジーでは、転移性非小細胞肺がん、慢性骨髄性白血病、骨髄腫、および卵巣がんで当社のポートフォリオの適応が継続的に拡大されており、財務ベース売上収益は2,100億円、対売上収益比は13%。


ニューロサイエンス(神経精神疾患)

  • ニューロサイエンスでは、COVID-19に関連した外出制限で患者さんの受診や診断が減少し、投薬が中止される事例が生じたことから成長の勢いが鈍化しており、財務ベース売上収益は2,078億円、対売上収益比は13%。売上は第2四半期末に向けて回復の兆し。


グローバルブランドのハイライト

ビジネスエリア

製品名

財務ベースの
製品売上収益(億円)

対前年同期の実質的な
売上収益成長率

消化器系疾患

ENTYVIO

2,070

+25.8%

希少疾患

TAKHZYRO

437

+45.5%

血漿分画製剤の免疫疾患治療領域

免疫グロブリン

1,627

+ 14.2%

オンコロジー

ニンラーロ

444

+ 19.2%

オンコロジー

ALUNBRIG

43

+30.2%


経費削減と事業等の売却
営業経費効率化と経費削減が利益率の改善につながり、
2021年度末までに年間23億米ドルのコストシナジーの達成に向けて順調に進捗しています。当社は迅速なレバレッジの低下を進めており、第2四半期末時点の純有利子負債/調整後EBITDA倍率は3.7倍と、2020年3月末時点の3.8倍からさらに低下しています。2021~2023年度に同倍率を2倍にするという中期的なレバレッジ低下目標達成に向けて順調に進捗しています。

ノン・コア事業等の売却は目標額である100億米ドルを既に達成し、2019年1月以降、現在までに公表している最大で合計113億米ドルの10案件のうち、代表的なものは以下の通りです。

 

  • 武田コンシューマーヘルスケア株式会社をThe Blackstone Group Inc. とその関係会社が運用するプライベート・エクイティ・ファンドが管理する買収目的会社Oscar A-Co株式会社へ2,420億円で譲渡する契約を締結。一定の法律上・規制上のクロージング条件を満たすことを前提に、本譲渡は2021年3月31日に実施を予定。(ニュースリリース
  • 欧州およびカナダにおいてノン・コア資産をCheplapharma社へ約5億6,200万米ドルで譲渡する契約を締結。一定の法律上・規制上のクロージング条件を満たすことが前提。(ニュースリリース
  • フィブリノゲン配合組織接着・閉鎖パッチ剤TACHOSILをCorza Health社へ譲渡する契約を締結。一定の法律上・規制上のクロージング条件を満たすことを前提に、当社は、本譲渡実施日である2021年3月31日までに3億5,000万ユーロを現金で受領予定。(ニュースリリース

 

また、不動産および有価証券の売却による7億米ドルのキャッシュ創出目標をすでに達成しており、現時点で11億米ドルを創出しています。

パイプラインのアップデート:当社のダイナミックな研究開発体制の勢いある成長
当社は、サイエンスにより革新的な治療薬を創出するために、世界中の革新的なエコシステムと積極的に協力しながら、社内の研究能力を活用し、世界レベルの研究開発体制を構築しました。新薬上市に向けた主なドライバーは、第1ウェーブにおける12の新規候補物質であり、そのうち複数は、2024年度までの上市を目指し、ピーク時売上高が合計100億米ドルを超える可能性のあるベスト・イン・クラス/ファースト・イン・クラスの治療薬となり得るものです。

2020年度第1四半期の業績に関するニュースリリースで公表したとおり、当社は今後12ヶ月間で第1ウェーブにおける新規候補物質のうち、TAK-721、TAK-609、CoVIg-19、TAK-003、mobocertinib、pevonedistat、およびmaribavirの7つの新薬承認申請を目標としています。

第2四半期には、当社の研究開発体制によりパイプライン第1ウェーブの進捗が加速し、細胞医薬品の製造能力が拡張されました。第1ウェーブにおける第2四半期の主なハイライトは以下の通りです。

  • TAK-721は、新薬承認申請の段階的申請を開始し、好酸球性食道炎に対する治療薬として初となるFDAからの承認を目指し予定通りに進捗中。
  • CoVIg-19アライアンスは、COVID-19による重篤な合併症のリスクを有する成人の入院患者の治療薬としての抗コロナウイルス高度免疫グロブリン静注製剤(H-Ig)の安全性、忍容性、有効性を評価する臨床第3相試験(ITAC: Inpatient Treatment with Anti-Coronavirus Immunoglobulin)への患者登録を開始。(ニュースリリース
  • TAK-003は、デング熱ワクチンとしてアジアと中南米における複数のデング熱感染流行地域および欧州において2020年度第4四半期の申請に向け順調に進捗。
  • Mobocertinib(TAK-788)は、欧州臨床腫瘍学会(ESMO: European Society for Medical Oncology)のバーチャル会議で臨床第1/2相試験の10ヶ月の追跡結果を発表、上皮増殖因子受容体(EGFR)エクソン20挿入変異を伴う転移性非小細胞肺がん(mNSCLC)の患者さんにおいて1年以上の奏効期間(DoR)を達成。(ニュースリリース
  • Soticlestat(TAK-935/OV935)は、Ovid社との提携によるドラベ症候群またはレノックス・ガストー症候群の小児を対象とした臨床第2相ELEKTRA試験において主要評価項目である発作頻度減少を達成。(ニュースリリース
  • TAK-994は、初の経口投与可能なオレキシン2(OX2R)受容体選択的作動薬であり、ナルコレプシータイプ1(NT1)およびナルコレプシータイプ2(NT2)を対象とした臨床第2相臨床試験の患者さんを登録中。2021年度下期の最終データ取得を目標。

 
その他の重要なアップデート
当社は、TAK-007、TAK-940、TAK-102などの次世代臨床プログラムの支援に向け、米国マサチューセッツ州ボストンの研究開発拠点内に研究開発用の細胞医薬品製造施設を新設しました。新施設では、エンド・ツー・エンドの研究開発を行い、製造能力を向上させることで、次世代の細胞医薬品の開発に向けた当社の取り組みを加速させます。当初はオンコロジー領域に重点を置き、他の疾患領域への拡大の可能性を探ります。オンコロジー領域の5つの細胞医薬品に関する提携プログラムが2021年度末までに臨床段階に入る予定で、CAR-T細胞医薬品候補であるTAK-940およびTAK-102を検討する臨床試験は2020年度第2四半期に開始しました。(ニュースリリースウェブサイト

当社は、以下をはじめとする中期的に革新的な治療薬となりうる研究開発プログラムに期待を寄せています。

 

  • TAK-999当社とArrowhead社は、α-1アンチトリプシン欠乏症による肝疾患の根本的な原因の治療を目的としたファースト・イン・クラスのN–アセチルガラクトサミン(GalNAc)ベースのRNA干渉(RNAi)治療薬候補であるTAK-999の開発に向けて提携契約を締結しました。(ニュースリリース
  • TAK-981は、I型インターフェロンのシグル伝達とリンパ球の活性化を阻害するファースト・イン・クラスの低分子SUMO化阻害薬であり、アンメット・ニーズの高い広範ながん種を対象としたアダプティブデザインの試験において、10以上のコホートで検討が進められています。新たなデータでは、忍容性が良好であり、固形がんでの単剤による用量増加と非ホジキンリンパ腫(NHL)でのリツキシマブとの併用で奏効が認められたことが示されています。

 

当社は、2020年12月9日(日本時間)のパイプライン第1ウェーブの商機に関する説明会でさらなるパイプラインの進捗状況をご説明いたします。

主要な全社的施策
当社は、アクセンチュアおよびAmazon Web Services, Inc.(AWS)との提携により、クラウド活用やデータから導き出される知見で、バリューチェーン全体の生産性の向上、俊敏な業務運営、ITコスト削減などを実現するとともに、イノベーションに資する人材育成を推進することで、デジタル変革(DX)を加速します。

データおよびデジタル領域における人材開発と新規採用を実施し、クラウド活用、高度解析、ロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)などの分野において従業員を育成します。アプリケーションの80%をクラウドに移行することで、差別化をもたらさないテクノロジーや自社データセンターの削減を進め、支出の抑制を図ります。(ニュースリリース

COVID-19アップデート
当社は、患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)に基づき、従業員の健康と安全の確保、当社医薬品を必要とされている患者さんへの提供、当社従業員が就業・居住するコミュニティでの感染の軽減およびサポートを中心に取り組んでいます。また、世界全体においてCOVID-19に対処するための様々な取り組みを進めています。

Novavax社と武田薬品による日本における新型コロナウイルス感染症ワクチンに関する提携について

ニュースリリース

Moderna社および厚生労働省との提携による、新型コロナウイルス感染症ワクチンの日本における供給について

ニュースリリース

COVID-19治療薬候補の高度免疫グロブリン製剤を評価するためにNIHが実施する臨床第3相試験に第1例目の患者さんを登録

ニュースリリース

COVID-19治療薬となり得る高度免疫グロブリン製剤の開発加速を目指す協力体制であるCoVIg-19アライアンスにおける参画メンバーの拡大および共同での臨床試験を通じた推進強化について

ニュースリリース

COVID R&D Allianceのメンバー企業とQuantum Leap Healthcare Collaborativeが連携しI-SPY COVID臨床試験に第1例目の患者さんを登録

ニュースリリース

 

2020年度ガイダンス
財務ベースの通期業績予想の上方修正、Coreおよび実質ベースのガイダンスは維持

(億円)

2020年度
前回公表予想
(2020年7月)

2020年度
今回公表予想(2020年10月)

実質ベース
(マネジメント・ガイダンス)

売上収益

32,500

32,000

一桁台前半の成長(%)

営業利益

3,950

4,340

 

Core営業利益

9,840

9,840

一桁台後半の成長(%)

Core営業利益率

30.3%

30.8%

30%台前半

当期利益

920

1,240

 

EPS(円)

59

79

 

Core EPS(円)

420

420

10%台前半の成長

1株当たりの年間配当(円)

180

180

 


当社は、2020年度下期においても堅実な成長を維持しており、中期的に実質的な成長を加速させ、30%台半ばの実質的なCore営業利益率を達成する見込みです。
2020年度のCoreおよび実質ベースのガイダンスに変更はありません。当社は、財務ベース営業利益、財務ベース当期利益、および財務ベースEPSの予想を上方修正しました。これは、前回公表では含まれていなかったものの、今年度中の計上が見込まれることとなった幾つかの公表済みの事業等の売却案件に伴う一時的収益を反映しています。なお、武田コンシューマーヘルスケア株式会社の株式譲渡については、今回公表予想に織り込まれておりません3。財務ベース売上収益は、主に為替の円高による影響を考慮して公表予想の為替レートを変更したことにより、500億円減収(△1.5%)の3兆2,000億円に修正しました。

2020年度ガイダンスにおける重要な仮定
当社のガイダンスは、当社の主要な5つのビジネスエリアに跨る勢いある成長の持続、14のグローバルブランドの実質的な売上収益の成長、コストシナジー実現の加速に対する経営陣の期待を表しています。

2020年度のガイダンスでは、主要な前提条件として、(i)ベルケイドについて、2020年度内に505(b)2申請に基づく皮下投与の新たな競合品の米国上市がない、(ii)武田コンシューマーヘルスケアを除き、2020年10月29日現在で公表した事業等の売却の影響を含んでいる、(iii)COVID-19に関する現時点での経営陣の見通し、などが織り込まれています。

当社は、COVID-19は2020年度の当社業績に対して重大な影響を及ぼすことはないと現時点で入手可能な情報に基づき考えており、当社の2020年度業績予想はこの考え方を反映しています。しかしながら、COVID-19を取り巻く状況は引き続き非常に流動的であり、新規または追加的な流行拡大や、主要市場におけるロックダウンや屋内退避命令の新規の措置や延長、その他政府による対策など、2020年度中の進展によっては、当社製品の需要減少やサプライチェーンに関連する問題の発生、または臨床試験の大幅な遅延など当社事業に深刻な影響を与える可能性があります。このような事態が生じた場合、当社事業や経営成績、財政状態に追加的な影響が及び、また、当社の2020年度業績は予想から大きく乖離する可能性があります。

当社の2020年度第2四半期の業績および他の財務情報の詳細については、こちらをご覧ください。
https://www.takeda.com/jp/investors/financial-results/

<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、希少疾患、ニューロサイエンス(神経精神疾患)および消化器系疾患の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80カ国で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。

留意事項
本留意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリース(添付資料及び補足資料を含みます。)において武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類、口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます。)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法に基づく登録又は登録免除の要件に従い行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性がございます。

武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品およびその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、usおよびour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。

将来に関する見通し情報
本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む当社の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」「することができた(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではございません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の業績は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の業績とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む当社のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、製品開発計画の成功又は失敗、規制当局による判断とその時期、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念等、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機が、当社が事業を行う国の政府を含む当社とその顧客及び供給業者に及ぼす影響、買収対象企業とのPMI(買収後の統合活動)の時期及び影響、武田薬品の事業にとってのノン・コア資産を売却する能力及びかかる資産売却のタイミング、当社のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings-and-security-reports/)又はwww.sec.gov において閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書及び当社の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は当社が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果は武田薬品の将来の経営結果又はその公表を示すものではなく、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

国際会計基準に準拠しない財務指標
本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、実質的な売上収益、Core営業利益、実質的なCore営業利益、Core純利益、実質的なCore EPS、有利子純負債、EBITDA、調整後EBITDA、フリー・キャッシュ・フローのように、IFRSに準拠しないIFRS財務指標が含まれています。当社役員は業績評価並びに経営及び投資判断を、IFRS及び本ニュースリリースに含まれるIFRS以外の指標に基づき行っています。IFRSに準拠しない財務指標においては、最も近いIFRS財務指標では含まれることとなる、又は異なる数値となる一定の利益、コスト及びキャッシュ・フロー項目を除外しております。IFRSに準拠しない財務指標を提供することで、当社役員は、投資家の皆様に対し、当社の経営状況、主要な業績及び動向の更なる分析のための付加的な情報を提供したいと考えております。IFRSに準拠しない財務指標は、IFRSに準拠するものではなく、付加的なものであり、また、IFRSに準拠する財務指標に代替するものではありません(IFRSに準拠する財務指標を「財務ベース」指標として参照している場合があります)。投資家の皆様におかれましては、IFRSに準拠しない財務指標につき、これらに最も良く対応するIFRS準拠財務指標との照合を行っていただけますようお願い申し上げます。

当社のIFRSに準拠しない財務指標のさらなる詳細については当社のホームページをご参照下さい。 https://www.takeda.com/jp/investors/reports/quarterly-announcements/

医療情報
本ニュースリリースには、製品についての情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではありませんし、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品の効能を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

財務情報
当社の財務諸表は、IFRSに基づき作成しております。米国会計基準に基づき作成されておりましたシャイアー社の売上収益は、IFRSに組み替えておりますが、両者に重大な差異はございません。

以上



1 米ドルでの表記は1米ドル105.6円で換算した参考値です。

2 2019年度において当社グループはShire社買収により取得した資産および引き受けた負債について取得対価の配分を完了しました。この結果、2019年度上期の損益計算書を遡及修正しております。
3 本年7月、当社は、当社連結子会社であり、日本国内を中心とするコンシューマーヘルスケア事業に特化した武田コンシューマーヘルスケア株式会社(以下「TCHC社」)を、Blackstone社に2,420億円で譲渡する契約を締結したことを公表しました。株式譲渡実行日は、一定の法律上・規制上のクロージング条件を満たすことを前提に、2021年3月31日を予定しております。当社は、本株式譲渡が実行され成立した場合、約1,400億円の株式売却益(税引前)の発生を見込んでおりますが、今回修正した業績予想には織り込まれておりません。本株式譲渡に伴う業績影響を公表予想に織り込む適切なタイミングについては、正確な譲渡実行時期を勘案し、引き続き精査してまいります。