ALK陽性非小細胞肺がんに対するファーストライン治療としてのALUNBRIG®(一般名:brigatinib)の欧州委員会による承認について
ALK陽性非小細胞肺がんに対するファーストライン治療としてのALUNBRIG®(一般名:brigatinib)の欧州委員会による承認について
- 本承認は、ファーストライン治療としてのALUNBRIGがクリゾチニブと比較して、全般的および頭蓋内病変に対する有効性において有意な改善を示した臨床第3相ALTA-1L試験の良好な結果に基づくもの
- 本適応追加により、 約1万人の欧州におけるALK陽性非小細胞肺がん患者に対する新たなファーストライン治療の選択肢を提供
当社は、このたび、ALUNBRIG®(一般名:brigatinib)について、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)阻害薬による前治療歴のない成人のALK遺伝子転座陽性(ALK陽性)進行性非小細胞肺がん患者に対する単剤療法として、欧州委員会(EC)より適応追加の承認を取得しましたので、お知らせします。この決定は、2020年2月27日付の欧州医薬品評価委員会(CHMP)による肯定的見解を受けたものです。
Royal Marsden NHS Foundation TrustのConsultant Medical OncologistであるSanjay Popat教授は、「ALK陽性非小細胞肺がんの患者さん、特に脳転移のある患者さんには、ファーストライン治療として有効性が証明された新たな治療選択肢が必要です。Brigatinibは、脳転移を有する患者さんを含むALK陽性非小細胞肺がんの患者さんを対象としたファーストライン治療として、クリゾチニブに対する優位性を示しました。今回の承認を受け、ALK陽性非小細胞肺がんの患者さんの治療にあたる欧州の医師は、新たな選択肢を得ることとなり、治療は大きく前進します」と述べています。
当社Global Oncology Business UnitのPresidentであるTeresa Bitettiは、「当社は、治療を進展させ、肺がんにおけるアンメットニーズに対応することにより、患者さんに貢献できるよう日々取り組んでいます。ALUNBRIGがファーストライン治療においても、全般的および頭蓋内病変への有効性などにおいて良好な結果を示したことを嬉しく思います。本剤を、欧州で新たにALK陽性非小細胞肺がんと診断された患者さんにお届けできる日を楽しみにしています」と述べています。
Lung Cancer Europe(LUCE)のPresidentであるStefania Vallone氏は、「ALK陽性非小細胞肺がんは複雑かつ繊細な疾患であり、多様な治療選択肢があることは患者さんの救いとなります。この適応追加は、欧州のがんコミュニティやこの重篤かつ希少な疾患に苦しんでいる患者さんにとって朗報であり、間もなく患者さんの元に届けられることを期待しています」と述べています。
今回の承認は、ALK阻害薬による前治療歴のないALK陽性局所進行性または転移性非小細胞肺がん患者を対象にALUNBRIGの安全性および有効性をクリゾチニブと比較した臨床第3相ALTA-1L試験の結果に基づいています。試験結果より、ALUNBRIGはクリゾチニブと比較してベースラインで脳転移を有する患者において有意な抗腫瘍活性が示され、ALUNBRIGのクリゾチニブに対する優位性が示されました。2年以上の追跡後、ALUNBRIGは、ベースラインで脳転移を有する患者において、独立審査委員会(BIRC)の評価による頭蓋内病変の病状進行または死亡のリスクが69%低下し(ハザード比=0.31、95%信頼区間:0.17-0.56)、治験責任医師の評価では76%低下しました(ハザード比=0.24、95%信頼区間:0.12-0.45)。また、ALUNBRIGは、全体の有効性(ITT解析集団)においても一貫性が示され、独立審査委員会の評価による無増悪生存期間(PFS)の中央値はクリゾチニブ群11.0ヵ月(95%信頼区間:9.2-12.9)に対して24.0ヵ月(95%信頼区間:18.5-NE)、治験責任医師の評価ではクリゾチニブ群9.2ヵ月(95%信頼区間:7.4-12.9)に対して29.4ヵ月(95%信頼区間:21.2-NE)とクリゾチニブ群の2倍以上でした。
ALTA-1L試験におけるALUNBRIGの安全性プロファイルは、既存の欧州製品概要(SmPC)と概ね一致していました。ALUNBRIG群で、試験中に発現した最も頻度の高いグレード3以上の有害事象(TEAE)は、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)上昇(24.3%)、リパーゼ上昇(14.0%)および高血圧(11.8%)であり、クリゾチニブ群ではアラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇(10.2%)、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)上昇(6.6%)およびリパーゼ上昇(6.6%)でした。
今回の欧州医薬品庁の決定により、欧州連合(EU)の全加盟国ならびにノルウェー、リヒテンシュタイン、アイスランドにおけるALUNBRIGの本適応での販売が承認されることになります。本決定の詳細については、欧州医薬品庁のウェブサイトをご参照ください:www.ema.europa.eu/ema
以上