中等症から重症の活動期クローン病患者を対象とした臨床第3相試験において、ベドリズマブ皮下注射製剤が52週時点での臨床的寛解を達成

中等症から重症の活動期クローン病患者を対象とした臨床第3相試験において、ベドリズマブ皮下注射製剤が52週時点での臨床的寛解を達成


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2020年2月17日

本資料は、2020年2月14日(現地時間)に発表した英語版プレスリリースを翻訳・編集し、配信するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容・解釈については英語が優先します。英文のプレスリリースは、グローバルサイトからご覧下さい。

- 第15回欧州クローン病・大腸炎会議(ECCO)でVISIBLE 2試験の最新データを発表

当社は、このたび、オーストリアのウィーンで2月12日から14日に開催された第15回欧州クローン病・大腸炎会議(Congress of European Crohns and Colitis Organisation: ECCO)において、消化管選択的作用を持つ生物学的製剤であるベドリズマブ(Entyvio®)の皮下注射製剤の有効性および安全性を評価したVISIBLE 2試験の最新データについてオーラルプレゼンテーションにて発表しましたので、お知らせします。

VISIBLE 2試験は、中等症から重症の活動期クローン病成人患者に対して、ベドリズマブ皮下注射製剤による維持療法を行ったときの有効性および安全性を評価する臨床試験です。本試験は、治療開始時点(0週)および2週時点に非盲検下にてベドリズマブの点滴静注製剤による静脈内投与を2回行う導入療法を実施後、6週時点で臨床的改善*が得られた患者に対して実施されました。本試験の結果、52週時点で臨床的寛解**が得られた患者の割合は、ベドリズマブ皮下投与群でプラセボ投与群と比較して有意に高く(48.0%[n=132/275]対34.3%[n=46/134]、p=0.008)、本試験の主要評価目的を達成したことが示されました。

ルーヴェン・カトリック大学のHead of the Department of Chronic Diseases & MetabolismでECCOの名誉会員であるSéverine Vermeireは、「VISIBLE 2試験では、中等症から重症の活動期クローン病患者において、ベドリズマブの静脈内投与による導入療法への反応がみられた後、ベドリズマブ皮下注射製剤を投与することにより、52週時点で臨床的寛解が達成されることが示されました。これらの結果は、消化管選択的作用を持つベドリズマブの皮下注射製剤が、自己投与治療を好む患者さんの新たな治療法となる可能性があることを示唆しています」と述べています。

ECCOでは、以下の副次評価項目の結果も発表されました。52週時点で大幅な臨床的改善***が得られた患者の割合は、ベドリズマブ皮下投与群で52.0%(n=143/275)であったのに対し、プラセボ投与群では44.8%(n=60/134)でした。投与群間で統計学的な有意差はなかったため、残りの副次評価項目については統計学的な検定は行われませんでした。ベースライン(0週)時点でステロイドによる治療を受けていた患者のうち、52週時点でステロイドフリーでの臨床的寛解が得られた患者の割合は、ベドリズマブ皮下投与群で45.3%(n=43/95)、プラセボ投与群で18.2%(n=8/44)でした。本試験には、抗TNFα抗体製剤による治療歴がない患者および抗TNFα抗体製剤による治療歴のある患者が登録されました。抗TNFα抗体製剤による治療歴がない患者のうち、52週時点で臨床的寛解ǂが得られた患者の割合は、ベドリズマブ皮下投与群で48.6%(n=52/107)、プラセボ投与群で42.9%(n=27/63)でした。

ベドリズマブの皮下投与は6週時点から開始され、以後2週間ごとに最長50週まで投与され、52週時点で主要評価項目が評価されました。ベドリズマブ皮下注射製剤の安全性に関する所見は、クローン病患者を対象としたベドリズマブ点滴静注製剤で認められた既報の安全性プロファイルと同様でした。どちらの投与群でも、重篤な感染症、悪性腫瘍、および肝障害が認められたのは患者の5%以下でした。ベドリズマブ皮下投与群の2.5%で抗ベドリズマブ抗体が検出され、このうち約半数で中和抗体が発現しました。ベドリズマブ皮下投与群の3%未満で注射部位反応が認められました。

カリフォルニア大学サンディエゴ校のDirector of the Inflammatory Bowel Disease CenterであるWilliam Sandbornは、「これらのデータは、ベドリズマブの皮下注射製剤が点滴静注製剤と同様の安全性プロファイルを有すると考えられることを示しています。ベドリズマブの皮下注射製剤が承認されれば、点滴静注製剤とともに患者さんの治療選択肢に加えられ、患者さんは個人のニーズや好みに合わせた治療が受けられるようになるでしょう」と述べています。

ベドリズマブ皮下注射製剤は、世界の複数の主要規制当局に承認申請され、現在審査中です。


*   臨床的改善:クローン病活動指数(CDAI:Crohn's Disease Activity Index)のスコアがベースライン(0週)から70ポイント以上の減少と定義。

**      主要評価項目:臨床的寛解は、CDAIのスコアが52週時点で150以下と定義。

***   副次評価項目:大幅な臨床的改善は、CDAIのスコアがベースライン(0週)から100ポイント以上の減少と定義。

  副次評価項目:ステロイドフリーでの寛解は、ベースライン(0週)時点でステロイドを使用していた患者において、ステロイドの使用を中止後、52週時点で臨床的寛解(CDAIのスコアが150以下)が得られたことと定義。

ǂ   副次評価項目:抗TNFα抗体製剤による治療歴のない患者における52週時点での臨床的寛解(CDAIのスコアが150以下)。


以上