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武田薬品とMD Anderson Cancer CenterのCD19 CAR-NK臨床試験ステージ進展と早期提供可能な細胞療法基盤技術構築に関する提携について

武田薬品とMD Anderson Cancer CenterのCD19 CAR-NK臨床試験ステージ進展と早期提供可能な細胞療法基盤技術構築に関する提携について


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2019年11月6日

- 現在実施中のCD19 CAR-NK臨床第1/2a相試験は、2021年に主要臨床試験への患者登録を開始予定
- 外来患者への投与が可能な初めてのCAR細胞療法となる可能性

The University of Texas MD Anderson Cancer Center (所在地:テキサス州ヒューストン、以下「MD Anderson」)および武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)は、このたび、B細胞性悪性腫瘍やその他のがんをターゲットとしたIL-15分泌促進型キメラ抗原受容体を発現した臍帯血由来NK(CAR NK)細胞療法に関し、独占的ライセンス契約ならびに共同研究開発契約を締結しましたのでお知らせします。

本契約に基づき、武田薬品はMD AndersonのCAR NK基盤技術へのアクセス権と、CD19をターゲットとしたCAR NK細胞療法や、B細胞成熟抗原(BCMA)をターゲットとしたCAR NK細胞療法を含む最大4つのプログラムについての開発および販売に関する独占的権利を獲得します。武田薬品およびMD Andersonはまた、これらのCAR NKプログラムの開発をさらに進展させるための共同研究を実施します。

MD AndersonのStem Cell Transplantation and Cellular Therapy教授であるKaty Rezvani, M.D., Ph.D.は、「我々のビジョンは、より多くの患者さんが効果的に、迅速に、最小限の毒性で治療を受けられ、外来治療も可能となるCAR NKを開発し既存の治療法を改善することです。武田薬品は、血液がんに対する専門性と次世代細胞療法開発へのコミットメントを有しており、CAR NK細胞療法を必要とする患者さんに提供できるようにするための理想的なパートナーです」と述べています。

<外来治療向けに早期提供可能なCARを提供するための新規手法>
MD Andersonの同種他家 CAR NK基盤技術により、臍帯血から分離したNK細胞を、特定のがんターゲットに対するCARが発現するよう改変します。CAR NK細胞には、レトロウイルスベクターを用いて遺伝子を組み込み、特定のがんを攻撃する効力を高めます。CD19 CARは細胞のB細胞性悪性腫瘍に対する特異性を高め、さらには免疫サイトカインであるIL-15が体内でのCAR NK細胞の増殖や生存を促進します。

患者さん自身の遺伝子改変T細胞を作成するプロセスに数週間かかる既存のCAR-T細胞療法とは異なり、CAR NK細胞は他人のドナーから採取した細胞を用いて作成され、既製の細胞療法製品としてストックされることを企図しているため、より早期に治療を開始することが可能となります。

CD19 CAR NK細胞療法は外来患者さんにも使用可能になると見込まれており、現在実施中の、再発・治療抵抗性B細胞性悪性腫瘍の患者さんを対象とした臨床第1/2a相試験では既存のCAR-T療法で見られる重篤なCRS(サイトカイン放出症候群)や神経毒性は報告されていません。

MD AndersonのCAR NK基盤技術の開発はRezvaniが主導しており、adoptive cell therapy platformChronic Lymphocytic Leukemia Moon Shot® およびB-Cell Lymphoma Moon Shot®からサポートを受けています。これらは全て科学的な発見を臨床的に意義のある治療法に変換して患者さんの生命を救う取り組みであるMD AndersonのMoon Shots Program®の一環です。

<武田薬品:複数の次世代CAR基盤技術の開発加速>
武田薬品Research and DevelopmentのPresidentであるAndy Plumpは、「MD AndersonのCAR NK基盤技術は、細胞療法ががんを根治できる可能性を示すものであり、それはまさに当社がCD19 CAR NKを当社オンコロジー領域において極めて重要な細胞療法パイプラインと位置付けている理由です。私たちは迅速かつ目的を持って業務を進める必要があり、2021年にはCD19 CAR NKの主要臨床試験を開始する予定です」と述べています。

CAR NK細胞療法に加え、武田薬品とそのパートナーは、GammaDeltaのCAR-TiPS細胞由来のCAR-T固形がんをターゲットとするCAR-T他の次世代の手法を含む第1世代のCAR-T細胞療法について、安全性、有効性および患者アクセスをより良くするための複数のアプローチを探求します。武田薬品は、2020年度末までに5つのがん領域の細胞療法を臨床試験段階に進める予定です。これらの基盤技術は、細胞療法の開発における製造上の課題の多くを克服するために、パートナーとの協力ならびにバイオエンジニアリング、CMC(化学・製造および品質管理)、臨床およびトランスレーショナルリサーチを全て進めることができる武田薬品の細胞療法エンジンが活かされることで発展を遂げています。

武田薬品は、本契約に基づき、あらゆるCAR-NK製品の開発、製造および製品化の責任を負います。MD Andersonは、契約一時金を受領するとともに、開発および販売マイルストン、これらのCAR NK製品の売上高に応じた段階的ロイヤルティを受領する権利を有します。

MD Andersonおよび武田薬品は、追加のターゲットやCAR-NK基盤技術について、合同research committeeの指示のもと研究を継続します。MD Andersonは本研究に関し、当該機関が定めた利益相反の管理および監視計画を適用します。

MD Andersonについて>
ヒューストンに所在するThe University of Texas MD Anderson Cancer Centerは、がん患者さんのケア、研究、教育および予防にフォーカスした世界で最も優れた施設の1つです。当施設唯一のミッションは、世界中の患者さんとそのご家族からがんをなくすことです。MDACCは国立がん研究所(NCI)が指定した50の総合がんセンターの中の1つであり、U.S. News & World Reportの「Best Hospitals」調査においてがんケアでNo.1にランクされました。また、同調査が始まった1990年からがんケアの全米トップ2病院の1つにランクされ、直近18年で15回、1位に輝いています。MD Andersonは、国立衛生研究所(NIH)のNCIから、がんセンターサポートの助成金を受け取っています(P30 CA016672)。

以上