NATPARA®注射剤(副甲状腺ホルモン製剤)の米国における回収について

NATPARA®注射剤(副甲状腺ホルモン製剤)の米国における回収について


Calendar
2019年9月6日

− NATPARA使用中の患者さんに対し、すみやかに、安全な中止方法について医師と相談することを推奨

− 早期の事案解決と供給再開に向け、米国食品医薬品局(FDA)と緊密に連携

当社は、このたび、米国で販売しているNATPARA®注射剤(副甲状腺ホルモン製剤)について、米国において全ての用量(25µg、50µg、75µg、100µg)を回収することといたしましたのでお知らせします。本件回収は、NATPARAカートリッジのゴム製隔壁部分由来のゴム小片がカートリッジ内に混入する可能性があることが判明したため、FDAとの協議に基づき、ただちに実施するものです。NATPARAの使用においては、14日間の治療期間中、1日の薬液用量を採取するため隔壁部分に毎日針を刺します。隔壁部分に繰り返し針を刺すことにより、剥離した小さなゴム破片がカートリッジ内に混入する可能性があります。

当社は患者さんの安全を最優先に考えており、米国の医療関係者、患者さん、薬局に直接レターを送付し、本件回収に伴い必要となるアクションについて周知をはかります。また、添付文書の記載事項に基づき、NATPARAを使用中の患者さんならびに処方医師に対し、NATPARAの使用を中止すると急激な血中カルシウム濃度の低下(重篤な低カルシウム血症)を来たし、重大な健康上のリスクとなり得ることを注意喚起します。NATPARAを使用中の患者さんは、低カルシウム血症を引き起こさないよう、処方医師と個々の治療方針についてよく相談し、血中カルシウム濃度の頻回測定や活性型ビタミンDおよびカルシウム製剤の適正な投与を含む緊密な治療管理を受けていただきますよう、お願いいたします。

NATPARAの安全性プロファイルは添付文書の記載内容と整合しておりこれまでと変更はありません。当社は、NATPARAおよびNATPARを販売している米国以外の地域の規制当局とも緊密に連携してまいります。米国以外の地域ではNATPARAおよびNATPARは引き続き使用可能です。

NATPARAは、内因性副甲状腺ホルモンの全長84のアミノ酸配列を有する遺伝子組み換えヒトタンパク質製剤であり、現在、通常療法(カルシウムおよびビタミンDによる治療)で効果不十分な成人の慢性副甲状腺機能低下症に対する補助療法として米国で承認されている唯一の薬剤です。

当社は製品の安定供給に努め、早期の事案解決と供給再開に向けてFDAと緊密に連携してまいります。
本件NATPARAの回収が業績に与える影響については現在、改善プランとあわせ精査中であり、結果が判明次第お知らせします。

<NATPARA®およびNATPAR®について>
NATPARAおよびNATPARは、日本では製造販売承認を取得しておりません。NATPARAは欧州においてNATPAR®の製品名で、標準療法で効果不十分な成人の慢性副甲状腺機能低下症に対する補助療法として製造販売承認を取得しています。当社はNATPARについて、EU加盟の28カ国およびアイスランド、リヒテンシュタイン、ノルウェーで販売許可を取得しており、現在、ドイツ、ギリシャ、オーストリア、デンマーク、ノルウェーで販売しています。欧州における添付文書情報の詳細はhttps://www.ema.europa.eu/en/documents/product-information/natpar-epar-product-information_en.pdfにアクセスください。

以上