中等症から重症の活動期クローン病患者を対象とした臨床第3相試験において、 ベドリズマブ皮下注射製剤が主要評価項目である52週時点での臨床的寛解を達成
中等症から重症の活動期クローン病患者を対象とした臨床第3相試験において、 ベドリズマブ皮下注射製剤が主要評価項目である52週時点での臨床的寛解を達成
− 現在、ベドリズマブ皮下注射製剤は、欧州医薬品庁(EMA)および米国食品医薬品局(FDA)において、潰瘍性大腸炎を適応とした承認申請の審査中
当社は、このたび、消化管に選択的に作用する生物学的製剤であるベドリズマブの皮下注射製剤の有効性および安全性を評価したVISIBLE 2試験の結果が得られましたので、お知らせします。VISIBLE 2試験は、治療期開始時点(0週)および2週時点に非盲検下にてベドリズマブの静脈内投与を2回行った後、6 週時点で臨床的改善[*]が得られた成人の中等症から重症の活動期クローン病患者に対する維持療法として、ベトリズマブの有効性及び安全性を評価する試験です。本試験の主要評価項目において、52週時点で臨床的寛解[†]が得られた患者の割合は、プラセボ投与群と比較して、ベドリズマブ皮下投与群で統計学的に有意に高い結果を示しました。ベドリズマブ皮下投与は6週時点から開始され、2週間ごとに最長50週まで投与が継続されました。有害事象は、ベドリズマブ点滴静注製剤で認められた既報の安全性プロファイルと同様であり、安全性に関する新たな兆候はみられませんでした。
当社Gastroenterology Therapeutic Area Unit HeadであるAsit Parikhは、「VISIBLE 2試験における主要評価項目の達成は、ベドリズマブにおいて、静脈内投与または皮下投与のいずれの投与方法においても、クローン病患者さんを支援するという当社の決意を伴う大きな一歩です。これらデータは、潰瘍性大腸炎患者さんを対象としたVISIBLE 1試験の結果とあわせて、潰瘍性大腸炎およびクローン病両方の患者さんにおける、維持療法としてのベドリズマブの新たな剤形である皮下注射製剤のより包括的な全体像を示しています」と述べています。
VISIBLE 2試験の結果は、規制当局へ報告するとともに、今後さらに詳細なデータを、学会の場において発表予定です。ベドリズマブ皮下注射製剤は、世界中の患者さん一人一人のニーズを満たすという、当社の継続的な取り組みの一環を成すものです。
VISIBLE 2試験は、中等症から重症のクローン病患者を対象に、維持療法としてのベドリズマブ皮下注射製剤の有効性および安全性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、臨床第3相試験です。本試験には644名が登録され、すべての被験者が登録前にコルチコステロイド、免疫調節剤または抗TNFα製剤による治療で効果不十分、効果減弱、または不耐性だった患者です。治療期開始時点(0週)および2週時点に非盲検下にて、ベドリズマブ300 mgの静脈内投与を2回行った後、6週時点で臨床的改善が得られた患者(n=410)は、その後ベドリズマブ皮下注射製剤108 mgまたはプラセボ皮下注射製剤のいずれかの投与群に無作為に割り付けられました。どちらの投与群も、6週時点より最長50週時点まで、2週間間隔で皮下注射製剤が投与されました。
[*] 臨床的改善は、クローン病活動指数(CDAI:Crohn's Disease Activity Index)のスコアがベースライン(0週)から70ポイント以上の減少として定義
[†] 臨床的寛解は、クローン病活動指数(CDAI:Crohn's Disease Activity Index)のスコアが52週時点で150以下と定義
<VISIBLE試験について>
VISIBLE試験は、中等症から重症の活動期潰瘍性大腸炎およびクローン病の成人患者を対象に、ベドリズマブ皮下注射製剤の維持療法としての有効性および安全性を検討することを目的としています。
VISIBLE試験は、1,000名以上の潰瘍性大腸炎患者およびクローン病患者が参加する3つの臨床第3相試験から構成されます。治療52週時点に臨床的寛解を達成した患者の割合を検討する2つの無作為化、二重盲検、プラセボ対照試験、ならびにベドリズマブ皮下注射製剤の長期安全性および有効性を検討する非盲検の継続試験です。
<潰瘍性大腸炎およびクローン病について>
潰瘍性大腸炎およびクローン病は、最も代表的な炎症性腸疾患です。潰瘍性大腸炎とクローン病はいずれも、再燃と寛解を繰り返す慢性の炎症が消化管に生じる、進行性となることの多い疾患です。潰瘍性大腸炎は大腸のみに発症するのに対して、クローン病は口から肛門に至るまで、消化管のあらゆる部位に発症します。また、クローン病は腸壁全層にも発症する可能性がありますが、潰瘍性大腸炎は大腸の最も内側の粘膜のみに発症します。潰瘍性大腸炎でよくみられる症状は、出血あるいは排膿を含む腹部不快感および軟便です。一方、クローン病でよくみられる症状は、腹痛、下痢および体重減少などです。 潰瘍性大腸炎やクローン病の正確な原因については明らかになっていませんが、最近の研究では、遺伝的要因や環境要因に加え、遺伝的素因を有する人に生じる腸内細菌抗原に対する異常な免疫応答などが原因と考えられています。
<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、日本に本社を置き、自らの経営の基本精神に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、グローバルな研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。武田薬品のミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。研究開発においては、オンコロジー(がん)、消化器系疾患、希少疾患およびニューロサイエンス(神経精神疾患)の4つの疾患領域に重点的に取り組むとともに、血漿分画製剤およびワクチンにも注力しています。武田薬品は、研究開発能力の強化ならびにパートナーシップを推し進め、強固かつ多様なモダリティ(創薬手法)のパイプラインを構築することにより、革新的な医薬品を開発し、人々の人生を豊かにする新たな治療選択肢をお届けします。武田薬品は、約80の国および地域で、医療関係者の皆さんとともに、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
以上