がん免疫療法のポートフォリオ拡充に向けた新世代がん細胞療法に関する提携について
がん免疫療法のポートフォリオ拡充に向けた新世代がん細胞療法に関する提携について
− 新たな提携を通じた血液がんおよび固形がんに対する新規細胞療法の創出に向けた当社の取り組みを拡張
当社は、このたび、がん免疫領域において新たな研究提携契約を締結しましたのでお知らせします。がん免疫領域は、当社の戦略的フォーカスでも特に重要な領域です。これらの研究提携契約を通じ、武田薬品は次世代のがん免疫療法の創出に向けた研究を加速します。本研究には、治療が困難な患者さんのニーズに応える重要な機会となり得る新規の細胞療法に関する研究も含まれます。
当社のオンコロジー領域のヘッドであるPhil Rowlandsは、「私たちは、オンコロジー領域における研究開発における最近の進歩、特に拡大するパートナーシップネットワークを通じた細胞療法による治癒の可能性を喜ばしく思っています。私たちは今後も、がんの治癒という目標を達成するため、がん免疫領域におけるパイオニアである先進的な研究者との連携を継続し、がん免疫サイクルにおける新たな作用機序をターゲットとした研究および創薬をさらに加速してまいります」と述べています。
- 当社は、Memorial Sloan Kettering Cancer Center(以下、「MSK」)と共に、多発性骨髄腫、急性骨髄性白血病、その他の固形がんでの効能に向けた新規キメラ抗原受容体T細胞(CAR-T)療法の創出と開発に関する共同研究を行います。この広範で多面的な共同研究の共同リーダーは、CAR-T療法のパイオニアとして知られるMSKのCenter for Cell Engineeringの所長であり、Juno Therapeutics.のサイエンティフィックファウンダーであるMichel Sadelainが務めます。
- 当社は、ノイルイミューン・バイオテック社(以下、「ノイル社」)との、2017年9月に開始した既存の共同研究におけるオプションを行使しました。この共同研究の成果を受けて、当社はノイル社が開発した“Prime (Proliferation-inducing and migration-enhancing)” CAR-Tプラットフォームを活用した、各種固形がんを治療標的とするNIB-102およびNIB-103の独占的ライセンスを取得し、今後、これらのCAR-T細胞療法の共同開発を進めます。NIB-102については臨床第1相試験が年内に開始される予定です。
- 当社は、Crescendo Biologics社が持つオンコロジー領域におけるHumabody®技術の独占的ライセンスについてオプションを行使しており、これにより新規CAR-T治療の開発に向けたHumabody® VHs(完全ヒト型VHドメイン)のさらなる評価を行います。この開発により、標的腫瘍に結合するシングルドメイン抗体のユニークな性質を従来の一本鎖抗体(scFV)に基づくアプローチに代わる治療法して活用することが可能となります。
当社が進める次世代細胞療法の多様化は、血液がんと肺がん、がん免疫の3領域について進められています。当社は、新たに立ち上げたTranslational Cell Therapy Engineと社外パートナーとの連携を通じて、今後数年間で早期開発パイプラインを拡充させる予定です。
当社はこのほど、生体工学、CMC(化学・製造・品質管理)、臨床およびトランスレーショナル研究の専門家からなる社内グループであるTranslational Cell Therapy Engineを設立しました。本グループは、革新的かつ差別化された細胞療法のコンセプトを、臨床現場に迅速に届けることを目的としており、 Pharmaceutical SciencesおよびTranslational Cell Therapy EngineのHeadであるStefan Wildtが本グループを率います。
Stefan Wildtは、「期待される社外のイノベーションと、目的に特化したTranslational Cell Therapy Engineの力を組み合わせることで、真に革新的な細胞療法の開発を加速させていきます。私たちはこの目標の達成を目指し、細胞療法の開発経験を豊富に有する非常に優秀な人材の力を結集させました」と述べています。
以上