欧州委員会によるクリゾチニブの治療歴を有する患者に対するALK陽性非小細胞肺がん治療剤「ALUNBRIG®(一般名: brigatinib)」の承認について

欧州委員会によるクリゾチニブの治療歴を有する患者に対するALK陽性非小細胞肺がん治療剤「ALUNBRIG®(一般名: brigatinib)」の承認について


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2018年11月28日

− ALUNBRIGはクリゾチニブの治療歴を有する患者を対象に、16.7ヵ月の無増悪生存期間中央値と34.1ヵ月の全生存期間という結果を示唆
− 米国やカナダでの承認に加え、本承認により欧州におけるアンメットニーズの高いALK陽性NSCLCの治療に対する貢献が期待

当社は、このたび、ALUNBRIG®(一般名:brigatinib)について、クリゾチニブの治療歴を有する進行性未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)の非小細胞肺がん(NSCLC)成人患者に対する単剤療法として、欧州委員会(EC)に承認されましたのでお知らせします。この決定は、2018年9月20日付の欧州医薬品評価委員会(CHMP)による肯定的見解に従ったものです。

バルセロナのVall d'Hebron University Hospital, Oncology Department, Thoracic Oncology Unit HeadであるEnriqueta Felipは、「ターゲットセラピーの導入により、ALK陽性NSCLCの治療は大きく改善しました。しかし、脳転移を有しクリゾチニブ投与中に進行した患者さんの約70%には、新たな治療選択肢が必要です。ALUNBRIGを検証したALTA試験のデータからは、ALUNBRIGの全身および頭蓋内の持続的な有効性の結果や管理可能な安全性プロファイルが示され、このような患者さんに最も長い無増悪生存期間と全生存期間をもたらしました。この承認により、欧州連合の医師たちには、クリゾチニブの治療歴を有するALK陽性NSCLC患者さんの治療にもう一つの選択肢が与えられました」と述べています。

当社の Vice President であり、Head of Oncology Clinical Research and Development である Jesús Gomez-Navarro は、「欧州委員会によるALK陽性NSCLC患者さんを対象としたALUNBRIGの承認は、この生命を脅かす疾患に罹患する欧州の患者さんの治療にとって非常に大きな前進です。ALTA試験のデータは、クリゾチニブ投与後の患者さんを対象として、16ヵ月を超える無増悪生存期間中央値(独立審査委員会評価)および34ヵ月の全生存期間中央値が初めて報告されたもので、これは同試験のデータでも際立った結果です。欧州におけるALUNBRIGの承認は、世界で毎年約4万人が診断されている本疾患の患者さんの生存を改善するための、革新的な治療法開発への当社の継続的なコミットメントの証となるものです」と述べています。 

Lung Cancer EuropeのPresidentであるStefania Valloneは、「多くの人々は、例えば、この種の肺がんは若年層の患者が多いことや喫煙との関連性がないことを知らないなど、ALK陽性NSCLCやその曖昧な徴候についての知識がありません。若年層の患者は人生を謳歌している真最中であり、子育てやキャリアの構築に専念していたり、地域に貢献していたりします。症状が進行することなく寿命を延ばすことができる、新しい治療法があることは非常に重要であり、決して軽視できるものではありません」と述べています。

欧州委員会の承認は、グローバル臨床第2相ALTA試験のデータに基づいています。同試験で、患者はALUNBRIG 90mgの1日1回 投与群(n=112)またはALUNBRIG の推奨用量である180mgの1日1回(90mg1日1回を7日間投与した後、180mgへ増量)投与群(n=110)の2種類のレジメンのいずれかのグループに分けられました。ALTA試験の結果は、推奨用量である180 mgを投与した患者群のうち、独立審査委員会(IRC)の評価による全総奏効率(ORR)56%、奏効期間(DOR)の中央値15.7ヵ月を示しました。ALUNBRIGはまた、クリゾチニブ投与中に進行した局所進行性あるいは転移性ALK陽性NSCLC患者を対象として、IRCの評価による16.7ヵ月の無増悪生存期間(PFS)および34.1ヵ月の全生存期間を示しました。

ALUNBRIG の推奨用量である180 mg投与群の患者に最も多く認められた有害事象(25%以上)として、アスパラギン酸アミノトランスフェラーゼ(AST)上昇、高血糖、高インスリン血症、貧血、クレアチンホスホキナーゼ(CPK)増加、悪心、リパーゼ増加、リンパ球数減少、アラニンアミノトランスフェラーゼ(ALT)上昇、下痢、アミラーゼ増加、疲労、咳嗽、頭痛、アルカリホスファターゼ増加、低リン酸血症、活性化部分トロンボプラスチン時間(APTT)の異常増加、発疹、嘔吐、呼吸困難、高血圧、血球数減少、筋肉痛、および末梢性ニューロパチーが報告されました。また、同推奨用量でALUNBRIGの投与を受けた患者に、悪性新生物進行に関連する事象以外でもっとも高頻度で発現した重篤な有害事象(2%以上)として、肺臓炎、肺炎および呼吸困難が報告されました。

今回の欧州委員会の決定により、欧州連合(EU)の28の加盟国ならびにノルウェー、リヒテンシュタインおよびアイスランドにおけるALUNBRIGの販売が承認されることになります。欧州委員会の決定の詳細については、以下の欧州医薬品庁のウェブサイトをご参照ください: www.ema.europe.eu/ema

以上