潰瘍性大腸炎治療剤「エンタイビオⓇ」の日本における発売について

潰瘍性大腸炎治療剤「エンタイビオ」の日本における発売について


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2018年11月7日

日本における中等症から重症の潰瘍性大腸炎の患者さんに新たな治療選択肢が追加

当社は、本日、潰瘍性大腸炎治療剤「エンタイビオ」(一般名:ベドリズマブ、開発コード:MLN0002、以下「エンタイビオ」)を発売しましたのでお知らせします。

本剤は、国内の中等症から重症の活動期の潰瘍性大腸炎患者292名を対象としたCCT-101試験および中等症から重症の潰瘍性大腸炎患者895名を対象に、導入療法及び維持療法におけるベドリズマブの有効性、安全性を評価した海外臨床第3相試験であるGEMINI I試験の結果を基に、2017年8月に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、本年7月2日に厚生労働省より製造販売承認を取得しました。

当社の取締役 ジャパンファーマビジネスユニット プレジデントの岩﨑真人は、「エンタイビオは既に世界60ヵ国以上で承認されており、実臨床における豊富なエビデンスがあります。本剤を新たな治療オプションとして、医療関係者および潰瘍性大腸炎の患者さんにお届けするとともに、引き続き消化器系疾患の患者さんに革新的な医薬品をお届けするという使命を果たしていきます」と述べています。

<エンタイビオの概要>

製品名

エンタイビオ点滴静注用300mg

一般名

ベドリズマブ(遺伝子組換え)

効能・効果

中等症から重症の潰瘍性大腸炎の治療及び維持療法(既存治療で効果不十分な場合に限る)

用法・用量

通常、成人にはベドリズマブ(遺伝子組換え)として1 回300 mg を点滴静注する。初回投与後、2 週、6 週に投与し、以降8 週間隔で点滴静注する。

薬価

エンタイビオ点滴静注用300mg  27万4,490円


<潰瘍性大腸炎について>
現在、日本における潰瘍性大腸炎の患者数は約22万人i以上と推定されています。潰瘍性大腸炎は最も代表的な炎症性腸疾患の一つで、再燃と寛解を繰り返す慢性の炎症が大腸粘膜に生じる進行性の疾患です。よく見られる症状は、腹痛、腹部不快感、下痢時の出血あるいは排膿です。潰瘍性大腸炎の病因については明らかになっていませんが、最近の研究では、遺伝素因や環境要因に加え、腸内細菌抗原に対する異常な免疫応答といった様々な因子が関与する、多因子疾患と考えられています。

<エンタイビオについて>
エンタイビオ(海外製品名:エンティビオ)は、中等症から重症の潰瘍性大腸炎またはクローン病に対する治療薬として、現在60カ国以上の国で承認を取得しています。潰瘍性大腸炎は、炎症性細胞の大腸粘膜への浸潤が増加し、これらの炎症性細胞の存在によって潰瘍性大腸炎に特徴的な炎症性反応が引き起こされます。本薬は、炎症を起こしている腸管組織に炎症性細胞の一種であるTリンパ球の遊走を阻害することで、炎症を軽減するようデザインされています。細胞接着分子であるMAdCAM-1は腸管の血管内皮に選択的に発現しており、一方α4β7インテグリンは循環血液中のある種の白血球サブセットに発現しています。本薬は、α4β7インテグリンに特異的に結合し、α4β7インテグリンとMAdCAM-1との相互作用を阻害することにより、炎症を起こした腸管組織へのTリンパ球の遊走を抑制し、炎症を軽減します。

<注意事項>
本リリースに記載されている医薬品の情報は、当社の経営情報の開示を目的とするものであり、開発中のものを含むいかなる医薬品の宣伝、広告を目的とするものではありません。

以上

 


i西脇祐司ら; 潰瘍性大腸炎およびクローン病の有病者に関する全国疫学調査 調査結果報告, 厚生労働科学研究費補助金 分担研究報告書,62-76: 2017