進行性ALK 陽性非小細胞肺がんに対するフロントライン治療としてALUNBRIG®(一般名:brigatinib)とクリゾチニブを比較したALTA-1L試験における有効データについて
進行性ALK 陽性非小細胞肺がんに対するフロントライン治療としてALUNBRIG®(一般名:brigatinib)とクリゾチニブを比較したALTA-1L試験における有効データについて
- ALTA-1L試験では、ALUNBRIG群がクリゾチニブ群と比較して、独立評価委員会による盲検下評価にて無増悪生存期間を有意に改善し、主要評価項目を達成
- 本データは第19回世界肺癌学会議(WCLC)のプレジデンシャル・シンポジウムで発表されると同時にNew England Journal of Medicine誌に掲載予定
当社は、このたび、ALK阻害剤未治療の局所進行性または転移性未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)の非小細胞肺がん患者を対象としたグローバル無作為化臨床第3相試験ALTA-1L(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113 in 1st Line)において、ALUNBRIG群でクリゾチニブ群と比較して独立評価委員会(BIRC)が盲検下で評価した無増悪生存期間が改善され、病状進行または死亡リスクが50%以上低下したことをお知らせ致します。ALTA-1L試験の初回の中間解析結果は2018年9月25日にトロントで開催される国際肺癌学会(IASLC)主催の第19回世界肺癌学会議(WCLC)のプレジデンシャル・シンポジウムで発表される予定です。また、本データは同時にNew England Journal of Medicine誌の電子版にも掲載されます。現在、ALUNBRIGは進行性ALK陽性非小細胞肺がんに対するフロントライン治療として承認されていません。
ALTA-1L試験は、ALK阻害剤未治療(進行期における化学療法の治療歴が1レジメン以下の患者を含む)の局所進行性または転移性未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)の非小細胞肺がん患者を対象とした、グローバルで実施中の無作為化、比較、非盲検、多施設共同の臨床第3相試験で、成人患者275名が登録されました。患者は各医療施設におけるALK検査に基づいて組み入れられ、ALUNBRIG 180 mgを1日1回(7日間の導入期間においては90 mgを1日1回)、もしくはクリゾチニブ250 mgを1日2回服用しました。ALUNBRIG群では独立評価委員会が盲検下で評価した無増悪生存期間についてクリゾチニブ群と比較して有意な改善が示されました[ハザード比=0.49、95%信頼区間:0.33-0.74、ログランクp=0.0007]。この改善は、病状進行または死亡リスクが51%低下したことを示します。ALUNBRIGの安全性プロファイルは、全般的に米国の添付文書に記載されている情報と一致しています。
University of Colorado Cancer CenterのLung Cancer Research のJoyce Zeff ChairでありALTA-1L試験の治験責任者を務めるRoss Camidge医師は、「ALK陽性非小細胞肺がんに対する治療はこの10年間で大きく変化しています。ALTA-1L試験では、Brigatinib(ALUNBRIG)がフロントライン治療において重要な役割を果たす可能性が示されました。ALTA-1L試験のデザインは実臨床へのデータの適用可能性という点も含めたユニークな特徴を持っています。この試験では化学療法による治療歴のある患者さんであっても組み入れ可能とし、中央検査機関による判定を義務付けるのではなく、各施設の標準的ALK検査に基づいて患者さんを選択しています。日々進化する状況の中で Brigatinib (ALUNBRIG)がどのような役割を担うのか、今後の情報によってさらに理解が深まると思います。続報が期待されます」と述べています。
当社のGlobal Clinical Lead for BrigatinibでありLung Cancer Clinical Portfolio Strategy LeadであるDavid Kersteinは、「これらの結果はおおいに待ち望まれたもので、肺がん疾患コミュニティと共有できることを大変嬉しく思います。ALTA-1L試験では、フロントライン治療としてのALUNBRIGがクリゾチニブと比較して優れていることが示されました。ALUNBRIG群では病状進行または死亡リスクが半分以上低下し、特に脳転移がある患者さんにおける効果が顕著でした。この重要な臨床試験に参加いただいたすべての医師、そして特に患者さんとそのご家族に対し、感謝申し上げます」と述べています。
ALK 阻害剤未治療の進行性ALK陽性非小細胞肺がん患者を対象としたBrigatinibとクリゾチニブの比較:臨床第3相試験(ALTA-1L)の第一報は、9月25日(火)午前8時30分(米国東部標準時間)にMetro Toronto Convention Centre North BuildingのPlenary Hallで開催されるプレジデンシャル・シンポジウムにて発表予定です。University of Colorado Cancer CenterのLung Cancer ResearchのJoyce Zeff Chair でありALTA-1L試験の治験責任者を務めるRoss Camidge医師によって発表される主な結果は、英文プレスリリースをご参照下さい。
<ALT-1L試験について>
ALTA-1L(ALK in Lung Cancer Trial of AP26113 in 1st Line)試験は、ALUNBRIGのALK阻害剤未治療の局所進行性または転移性未分化リンパ腫キナーゼ遺伝子転座陽性(ALK陽性)の非小細胞肺がん患者を対象とした、グローバルで実施中の無作為化、比較、非盲検、多施設共同の臨床第3相試験で、成人患者275名が登録されました。患者は、ALUNBRIG 180mgを1日1回(7日間の導入期間においては 90mgを1日1回)、もしくはクリゾチニブ250mgを1日2回服用しました。独立評価委員会が評価したPFSが主要評価項目であり、副次評価項目は、固形がんの治療効果判定のための新ガイドライン(RECIST)改訂版1.1による客観的奏効率(ORR)、頭蓋内病変におけるORR、頭蓋内病変における無増悪生存期間、全生存期間、安全性および忍容性が含まれています。ALUNBRIGが少なくとも6ヵ月クリゾチニブを上回る無増悪生存期間の改善を示すために、合計約198件の無増悪生存期間イベントが発生した時点で、主要評価項目の最終解析が行われる予定です。また、本試験では、予定されている無増悪生存期間イベントの50%が発生した時点および75%のイベントが発生した時点の2回にわたり、主要評価項目に対する中間解析を行うことが事前に設定されています。
<ALK陽性NSCLCについて>
世界保健機構(WHO)によると、非小細胞肺がんは、肺がんの中でも最も一般的ながんであり、世界中で毎年新規に肺がんと診断される患者さん180万人のうちの約85%を占めています。遺伝学的研究により、未分化リンパ腫キナーゼ(ALK)における染色体の転座が、一部の非小細胞肺がん患者において重要な因子であることが示されています。転移性非小細胞肺がん患者のうち約3~5%の患者においてALK遺伝子に転座がみられます。
当社は、全世界で毎年、この重篤でかつ希少な肺がんと診断される約4万人の患者の生活を改善するため、非小細胞肺がんに対する研究開発を継続することに力を注いでいます。
以上