レボドパ投与中の日本人のパーキンソン病患者さんを対象としたラサギリンメシル酸塩の国内臨床第2/3相試験結果の発表について
レボドパ投与中の日本人のパーキンソン病患者さんを対象としたラサギリンメシル酸塩の国内臨床第2/3相試験結果の発表について
当社は、2017年10月26日から28日にかけて東京で開催された第11回パーキンソン病・運動障害疾患コングレスにおいて、レボドパ投与中の日本人のパーキンソン病患者さんを対象としたラサギリンメシル酸塩(一般名、開発コード:TVP-1012、以下「ラサギリン」)の試験結果を発表しましたのでお知らせします。本試験において、レボドパ投与中のパーキンソン病患者さんに対するラサギリンによる治療は、主要評価項目である1日あたりの平均オフ時間※1のベースラインからの変化量においてプラセボに比べて有意な改善が認められ、忍容性は良好であることが示されました。
ラサギリンの臨床第2/3相試験であるCCT-002試験では、Wearing off現象※2を伴うレボドパ投与中の日本人のパーキンソン病患者さん404名を対象に、プラセボ群、ラサギリン0.5 mg群又はラサギリン1 mg群のいずれかに無作為に割り付け、各投与群には、それぞれプラセボ、ラサギリン0.5 mg又はラサギリン1 mgを1日1回投与しました。主要評価項目である治療期における1日あたりの平均オフ時間の観察期終了時からの変化量の調整済み平均値は、プラセボ群-0.51時間、ラサギリン0.5 mg群-1.11時間、ラサギリン1 mg群-1.35時間であり、ラサギリン0.5 mg群又はラサギリン1 mg群は、いずれもプラセボ群と比べて統計学的に有意な低下が認められました(それぞれp=0.0140、p=0.0006)。有害事象の発現率はプラセボ群50.4%、ラサギリン0.5 mg群69.9%、ラサギリン1 mg群73.6%でした。
順天堂大学大学院医学研究科 神経学教授である服部 信孝 医師は、「本学会発表責任者として、本試験によりラサギリンでWearing off現象を伴う進行期パーキンソン病の運動症状への有効性と安全性が示されたことは、パーキンソン病患者さんにとって恩恵があると期待されます。今回の試験ではMDS-UPDRS※3で有効性が示されたことも重要であり、MAO-B※4阻害剤で選択肢が増えることも患者さんにとってメリットがあるものと確信しています」と述べています。
※1抗パーキンソン病薬の効果が失われている時間
※2抗パーキンソン病薬の効果持続時間が短縮し、薬物濃度の変動とともに症状が変動する現象
※3パーキンソン病の運動症状を把握する評価法
※4モノアミン酸化酵素B
<CCT-002試験のデザインについて>
Wearing off現象を伴う日本人のパーキンソン病患者にレボドパ併用下でラサギリンを投与したときの有効性および安全性を検討する、臨床第2/3相、プラセボ対照、無作為化、二重盲検、並行群間比較試験です。試験期間は観察期2週間および治療期26週間からなり、選択基準を満たし、かつ除外基準に抵触しない被験者を組み入れ、プラセボ群、ラサギリン0.5 mg群又はラサギリン 1 mg群のいずれかに1:1:1の比で無作為割付けしました。各投与群には、治療期用治験薬として、それぞれプラセボ、ラサギリン0.5 mg又はラサギリン1 mgを1日1回、26週間二重盲検下で投与しました。
<ラサギリンメシル酸塩について>
ラサギリンメシル酸塩は、非可逆的特異的モノアミン酸化酵素B(MAO-B)阻害活性を有する抗パーキンソン病薬です。MAO-Bに非可逆的に結合することにより、脳内のドーパミンの分解を抑制し、シナプス間隙中のドーパミン濃度を高めることにより、パーキンソン病の症状に有益な効果をもたらします。本薬はTeva Pharmaceutical Industries Ltd.(本社:イスラエル ペタハ・ティクバ)が開発し、日本においては2014年3月に当社と開発・販売に関する契約が締結され、2017年6月に厚生労働省に製造販売承認申請を行いました。
<注意事項>
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以上