さらなるイノベーション創出に向けた湘南研究所における創薬支援の子会社設立について
さらなるイノベーション創出に向けた湘南研究所における創薬支援の子会社設立について
- 武田薬品の創薬研究部門の一部事業の会社分割(簡易吸収分割)による同社100%子会社への承継
武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下、「武田薬品」)は、武田薬品の創薬研究部門の一部事業(以下、「分割事業」)の分社化に向け、2017年5月15日、同年4月に設立した武田薬品の100%子会社(所在地:神奈川県藤沢市、以下、「本承継会社」)と吸収分割契約を締結することを決定し、同日、本承継会社と吸収分割契約を締結しましたのでお知らせします。
本承継会社は、武田薬品のみならず外部研究機関やバイオベンチャーなどの創薬に関わる企業・組織に対し、創薬のコンサルティングを含む包括的サポートを行い、幅広い疾患領域において探索研究から候補化合物の最適化、さらには臨床開発への橋渡しのプロセスまで、顧客のニーズに合わせて創薬に関するさまざまなサービスを提供します。創薬における豊富な知見を活用し、付加価値の高いサービスを提供することで、日本内外でのイノベーション創出に還元することを目指しています。
現在、武田薬品は、「オンコロジー(がん)」「消化器系疾患」「中枢神経系疾患」の3つの重点疾患領域と「ワクチン」へのさらなる特化と、研究開発活動の日本および米国への集約を通じ、研究開発体制の変革を加速するプランを実行しています。この変革は、当社が長期にわたり持続的な成長を遂げるためにイノベーションを推進し、パートナーシップを拡大して、研究開発の生産性を高めるうえで必要な組織上および財務上のフレキシビリティを獲得するための極めて重要な取り組みです。
この取り組みの一環として、武田薬品は、スクリーニング、合成、薬効薬理、薬物動態、安全性評価などの創薬研究部門の一部事業を分社化することで、より効率的な研究体制を構築し、真のイノベーションをもたらす治療薬の創出を目指します。
武田薬品 取締役Chief Medical and Scientific OfficerのAndrew Plump は、「画期的な新薬を創出し患者さんにお届けすることがますます難しくなってきている中、世界中のイノベーションを取り入れることができる、より柔軟で効率的な研究開発モデルが求められています。このたびの新会社の設立は、基礎研究から臨床開発に至るまでの橋渡しをすることで、日本の創薬における“死の谷”の克服に寄与するものと期待しています」と述べています。
武田薬品は、本会社分割を通じ、同社湘南研究所が目指す様々な英知を結集した「ヘルス イノベーション パーク」において、画期的な創薬基盤をさらに成長させ、革新的な新薬創出の可能性を広げることで、人々の健康と医療の未来に貢献してまいります。
なお、本会社分割は、武田薬品の100%子会社に一部事業を承継させる会社分割であるため、開示事項・内容を一部省略して開示しています。
1.会社分割の要旨
(1)会社分割の日程
本承継会社設立日 |
2017年4月27日 |
取締役会から委任を受けた取締役による会社分割の決定日 |
2017年5月15日 |
吸収分割契約締結日 |
2017年5月15日 |
吸収分割効力発生日 |
2017年7月1日(予定) |
(注)本会社分割は、会社法第784条第2項の規定により、同法783条第1項に定める武田薬品の株主総会の承認を得ないで分割を行うものです。
(2)会社分割の方式
武田薬品を分割会社とし、本承継会社を承継会社とする吸収分割です。
(3)会社分割に係る割当ての内容
武田薬品は本会社分割の対価として、本承継会社から新たに発行する普通株式9,800株の交付を受けます。
(4)会社分割に伴う新株予約権および新株予約権付社債に関する取扱い
武田薬品は新株予約権を発行していますが、本会社分割によるその取扱いに変更はありません。
(5)会社分割により増減する資本金
本会社分割による武田薬品の資本金の増減はありません。
(6)承継会社が承継する権利義務
本承継会社は、吸収分割契約の規定に従い、武田薬品の分割事業にかかる資産等の権利義務を承継します。
(7)債務履行の見込み
本会社分割において、効力発生日以降の本承継会社が負担すべき債務については、その履行の見込に問題はないと判断しておりますが、武田薬品が債務履行を保証するものではありません。
2. 会社分割の当事会社の概要
|
分割会社(2017年3月31日現在) | ||
(1) |
名 称 |
武田薬品工業株式会社 | |
(2) |
所在地 |
大阪府大阪市中央区道修町四丁目1番1号 | |
(3) |
代表者の役職・氏名 |
代表取締役社長CEO クリストフ・ウェバー | |
(4) |
事業内容 |
医薬品等の研究開発・製造・販売 | |
(5) |
資本金 |
65,203百万円 | |
(6) |
設立年月日 |
1925年1月29日 | |
(7) |
発行済株式数 |
790,521,195株 | |
(8) |
決算期 |
3月31日 | |
(9) |
大株主および持株比率 |
日本生命保険相互会社 日本マスタートラスト信託銀行株式会社(信託口) 日本トラスティ・サービス信託銀行株式会社(信託口) ジェー ピー モルガン チェース バンク 380055 公益財団法人武田科学振興財団 |
6.42% 5.32% 4.62% 4.31% 2.27% |
(10)直前連結会計年度(2017年3月期)の財政状態および経営成績(連結・国際会計基準) | |
親会社の所有者に帰属する持分 |
1,894,261 百万円 |
総資産 |
4,355,782 百万円 |
1株当たり親会社所有者帰属持分 |
2,425.92 円 |
売上収益 |
1,732,051 百万円 |
営業利益 |
155,867 百万円 |
税引前利益 |
143,346 百万円 |
親会社の所有者に帰属する当期利益 |
114,940 百万円 |
基本的1株当たり当期利益 |
147.15 円 |
1株当たり配当金 |
180.00 円 |
|
承継会社(2017年4月27日現在) |
(1)名 称 |
PRE設立準備株式会社 |
(2)所在地 |
神奈川県藤沢市村岡東二丁目26番地の1 |
(3)代表者の役職・氏名 |
代表取締役 井形 英樹 |
(4)事業内容 |
創薬研究に係る事業に関連する業務の受託等 |
(5)資本金 |
10百万円 |
(6)設立年月日 |
2017年4月27日 |
(7)発行済株式数 |
200株 |
(8)決算期 |
3月31日 |
(9)大株主および持株比率 |
武田薬品工業株式会社 100% |
3. 分割事業の概要
(1)分割事業の内容
武田薬品の湘南研究所のリサーチ部門が行う創薬研究に係る事業の一部を分割します。
(2)分割事業の経営成績
分割事業は外部売上を計上しておりません。
(3)分割する資産、負債の項目および帳簿価格(2017年3月31日現在)
資 産 |
負 債 | ||
項 目 |
帳簿価格 |
項 目 |
帳簿価格 |
流動資産 |
0円 |
流動負債 |
3.3億円 |
固定資産 |
10.1億円 |
固定負債 |
1.9億円 |
合 計 |
10.1億円 |
合 計 |
5.2億円 |
4. 会社分割後の状況
(1)本会社分割後、分割会社である武田薬品の名称、所在地、代表者の役職・氏名、事業内容、資本金、決算期に変更はありません。
(2)本会社分割により、本承継会社の資本金が10百万円から100百万円に増加します。
(3)本承継会社の株主総会による定款(社名)変更および代表者異動の決議後、吸収分割効力発生日の2017年7月1日(予定)付で、本承継会社の名称変更および代表者の異動を予定していますが、新名称ならびに新代表者は現時点では未定です。
5.今後の見通し
本会社分割による影響は、2017年5月10日に公表した武田薬品の2018年3月期の連結業績予想に織り込んでいます。
(参考)当期連結業績予想(2017年5月10日公表)および前期連結実績(百万円)
営業利益 |
税引前利益 |
親会社の所有者に |
| |
当期業績予想 |
1,680,000 |
180,000 |
190,000 |
138,000 |
前期実績 |
1,732,051 |
155,867 |
143,346 |
114,940 |
以上