武田薬品とCour社のセリアック病等の消化器疾患に対する治療薬の共同研究開発契約について
武田薬品とCour社のセリアック病等の消化器疾患に対する治療薬の共同研究開発契約について
武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)とCour Pharmaceuticals Development Company, Inc.(本社:米国イリノイ州シカゴ、以下「Cour社」)は、このたび、セリアック病の治療薬となり得る免疫調整薬の共同研究開発に関する契約を締結しましたのでお知らせします。本共同研究開発では、Cour社が有するTolerizing Immune Modifying nanoParticle (TIMP)技術に基づくナノテクノロジー技術が利用されます。TIMPは、生体にとって有益な免疫システムに悪影響を及ぼさずに病気の原因となる異常な免疫反応を抑制するため、自己免疫疾患およびアレルギー疾患にも応用可能です。
本提携では、セリアック病の患者さんが食事に含まれるグルテンに対する耐性を獲得できるTIMPを活用した治療薬の創出を目指します。TIMPは、Cour社とノースウエスタン大学の研究者との共同開発により生み出された技術であり、ポリマーと抗原タンパク質から構成され、安全に投与するためにカプセルに封入されて静注されます。TIMP化合物は、広範に免疫を抑制せず、全身のグルテン反応性T細胞を標的とし、同細胞を制御するというように、セリアック病の根本原因を標的としています。
本契約に基づき、Cour社は、武田薬品から一時金およびマイルストンを受領します。武田薬品は、臨床第2a相試験終了後にTIMP-GLIAプログラムに対する全世界のライセンスを獲得する独占的なオプション権を有します。武田薬品が製品化に成功した場合、Cour社は売上に応じたロイヤルティを武田薬品から受領します。武田薬品は、TIMP化合物についてさらに最大3つまで、それぞれ、開発・申請・売上マイルストン支払・売上に応じたロイヤルティ支払という一連の行為を1つ目の化合物と同様に行うオプション権を有します。その他、契約の詳細については開示しておりません。
武田薬品の消化器疾患創薬ユニット ヘッドのGareth Hicksは、「本提携は、消化器疾患に対する画期的な治療薬の研究開発を行う外部機関との提携促進に注力している消化器疾患創薬ユニットの戦略に合致しており、セリアック病の大きなアンメットニーズを満たす革新的な新薬創出のためにCour社との共同研究開発を開始できたことを嬉しく思います。当社は、消化器疾患領域のグローバルリーダーとして、同疾患の治療薬の研究開発に引き続き取り組んでまいります」と述べています。
Cour社の共同設立者の一人であり、CEOのJohn J. Puisisは、「武田薬品と提携できることを大変嬉しく思います。本提携は、セリアック病で苦しむ患者さんに対する治療薬開発における画期的な取り組みです。武田薬品は、消化器疾患領域に強力な基盤を有するとともに、消化器疾患で苦しむ患者さんのアンメットニーズを満たす治療薬の研究開発に専門性を有する、当社にとって理想的なパートナーです」と述べています。
<Cour社について>
Cour社は、治療困難な免疫疾患に対し革新的な治療薬の創出を目指す、ナノバイオ技術を有する非上場企業です。Cour社は、自己免疫疾患、アレルギー疾患、炎症性疾患において深刻なアンメットメディカルニーズを満たすために、免疫学、生物工学、薬学において世界的リーダーシップを有する著名な研究機関との提携を行っています。Cour社のTIMP技術により、セリアック病や食物アレルギーなど、治療が難しい疾患に対する新薬の研究開発に取り組む貴重な機会が創出されています。TIMP技術は、Cour社とノースウエスタン大学との提携により生み出されたものであり、Cour社のStephen Miller博士およびLonnie Shea博士が、免疫学と物質科学におけるそれぞれの専門性を融合した結果、この最先端の技術が生まれました。
詳細については、Cour社のホームページをご覧ください。www.courpharma.com
<武田薬品について>
武田薬品は、研究開発型の世界的製薬企業を目指して、自社研究開発を強化するとともに、ライフサイクルマネジメントの推進、導入・アライアンスの積極展開を通じて研究開発パイプラインの充実を図り、ミッションである『優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献する』の実現に努めています。詳細についてはhttps://www.takeda.com/jp/をご覧ください。
以上