新規経口プロテアソーム阻害薬ixazomibの初発の多発性骨髄腫患者の維持療法に対する国際共同臨床第3相試験開始について
新規経口プロテアソーム阻害薬ixazomibの初発の多発性骨髄腫患者の
維持療法に対する国際共同臨床第3相試験開始について
当社は、このたび、新規経口プロテアソーム阻害薬ixazomib(一般名、開発コード:MLN9708)について、一次治療に奏効が認められ、自家造血幹細胞移植歴のない初発の多発性骨髄腫患者を対象に、国際共同臨床第3相試験(「TOURMALINE-MM4試験)を開始しましたので、お知らせします。
本試験は、一次治療に奏効し、自家造血幹細胞移植(ASCT)を受けていない初発の多発性骨髄腫を対象に、ixazomibの維持療法の役割を検証する試験です。主要評価項目はixazomib群とプラセボ群の無増悪生存期間(PFS)を比較することです。本試験は、初発の多発性骨髄腫を対象に、ASCT後の維持療法を検証する、現在実施中の国際共同臨床第3相試験(TOURMALINE-MM3試験)を補完する試験になります。多発性骨髄腫に対するプロテアソーム阻害は確立された作用機序であり、長期間の継続治療は多発性骨髄腫の標準治療になりつつあります。
当社Oncology Therapeutic Area Unitの HeadであるMichael Vasconcellesは、「年齢、合併症や他の要因で移植を受けられない患者さんを対象とした、2つ目の維持療法の国際共同臨床第3相試験を開始することができ、大変嬉しく思います。ixazomibの開発プログラムでは現在、どの骨髄腫の患者さんの集団でも主要な試験を実施しており、本疾患で苦しんでおられる患者さんに、一層貢献できるものと確信しています。当社は多発性骨髄腫に関して豊富な経験を有しており、ixazomibの臨床試験にご参加いただいている患者さんおよび医療関係者の皆さんに対し、心より感謝いたします」と述べています。
本試験は、ixazomibの国際共同臨床第3相試験プログラムの5つ目にあたり、当該プログラムでは多発性骨髄腫におけるさまざまなラインセッティングや、患者数は少ないのですが重篤な形質細胞性疾患である再発・難治性の全身性軽鎖(AL)アミロイドーシスに対する評価が行われています。
<TOURMALINE-MM4について>
試験方法 |
ランダム化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同国際試験 |
対象患者 |
初発の多発性骨髄腫で、一次治療に奏効し、自家造血幹細胞移植(ASCT)を受けていない患者 |
主要評価項目 |
無増悪生存期間 |
副次評価項目 |
全生存期間、安全性 |
<ixazomibについて>
ixazomib(開発コード MLN9708)は、多発性骨髄腫やALアミロイドーシスなどの悪性腫瘍に対する新規経口プロテアソーム阻害薬です。本薬は米国および欧州で2011年に多発性骨髄腫について、2012年にALアミロイドーシスについてオーファン指定を受け、再発・難治性のALアミロイドーシス治療薬として、2014年に米国食品医薬品局(FDA)よりBreakthrough Therapyの指定を受けました。また、本薬は臨床第3相試験を開始した最初の経口プロテアソーム阻害薬であり、現在、5つの国際共同臨床第3相試験が実施されています。再発・難治性の多発性骨髄腫を対象に本薬・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較したTOURMALINE-MM1、再発・難治性のALアミロイドーシスを対象に本薬とデキサメタゾンの併用を検討したTOURMALINE-AL1、初発の多発性骨髄腫を対象に本薬・レナリドミド・デキサメタゾン併用群とプラセボ・レナリドミド・デキサメタゾン併用群を比較したTOURMALINE-MM2、未治療の多発性骨髄腫を対象に導入療法および自家造血幹細胞移植後の維持療法としての本薬とプラセボを比較したTOURMALINE-MM3、自家造血幹細胞移植歴のない初発の多発性骨髄腫を対象としたTOURMALINE-MM4を実施しています。詳細はwww.clinicaltrials.govをご覧ください。
以上