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肥満症治療薬「Contrave®」(ナルトレキソン塩酸塩徐放製剤とブプロピオン塩酸塩徐放製剤の合剤)の米国における販売許可取得について

肥満症治療薬「Contrave®」(ナルトレキソン塩酸塩徐放製剤とブプロピオン塩酸塩徐放製剤の合剤)の米国における販売許可取得について


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2014年9月11日

武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、以下「武田薬品」)および武田薬品の100%子会社である武田ファーマシューティカルズUSA Inc.(以下「TPUSA社」)とOrexigen® Therapeutics, Inc.(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ、以下「Orexigen社」)は、米国時間2014年9月10日、Contrave®(ナルトレキソン塩酸塩徐放製剤とブプロピオン塩酸塩徐放製剤の合剤、以下「Contrave」)について、米国食品医薬品局(FDA)より、ボディ・マス・インデックス(BMI)が30 kg/m2以上の成人肥満症患者、あるいは少なくとも1つ以上の体重に関連する合併症を有するBMIが27 kg/m2以上の成人体重過多の患者において、食事療法と運動療法による体重管理に対する補助療法として販売許可を取得しましたのでお知らせします。

Contraveは、武田薬品の代謝性・循環器系疾患治療薬の重要なポートフォリオの一つとして加わることになります。武田薬品は、Contraveを肥満症患者のニーズを満たす治療オプションとして、2014年秋に販売を開始する予定です。

 

Contraveの心血管疾患の発症率や死亡率に対する影響や、Contraveの体重減少を目的とした他の薬剤(処方薬、市販薬、漢方薬を含む)の併用時における安全性および有効性は明らかになっていません。

また、Contraveがどのように神経系へ作用して体重減少をもたらすかは完全には明らかになっていません。Contraveは、オピオイド拮抗薬のナルトレキソンと、ドーパミンおよびノルエピネフリンの比較的弱い再取り込み阻害薬のブプロピオンの2つの成分が含まれています。非臨床試験において、ナルトレキソンおよびブプロピオンは、脳の食物摂取を司る領域にある視床下部(食欲中枢)と中脳辺縁系ドーパミン経路(脳内報酬系)の2つの領域に作用することが示唆されています。

米国Scripps ClinicのNutrition and Metabolic Research Division of Diabetes and Endocrinology DirectorであるDr. Ken Fujiokaは「減量を希望する方の中には、食事・運動療法を含む生活習慣の改善に加え、他の治療プランが必要になる方もいます。Contraveの臨床試験データから、カロリーを低くした食事や運動療法に加えて本剤を使用することで、合併症を有する体重過多や肥満症の成人患者さんに対する有効な治療オプションとなることが示されています。私はこれらの条件にあてはまる患者さんを多く診察しており、Contraveの販売許可取得によりこのような患者さんに対する新たな治療選択肢が得られることを大変嬉しく思います」と述べています。

TPUSA社社長のDouglas Cole は、「今回のFDAによるContraveの販売許可は、肥満などの慢性症状・疾患に関わる患者さんや医療関係者に革新的な医薬品をお届けするというOrexigen社および当社のコミットメント実現のための大きな一歩となります。とりわけ今日の社会における肥満の方の割合の高さを考えた場合、医療関係者と患者さんが体重管理について話し合う際には、複数のオプションがあることが重要となります。Contraveがタケダの代謝性・循環器系疾患治療薬のポートフォリオに加わることを嬉しく思います」と述べています。

Orexigen社社長兼CEOのMichael Narachi氏 は、「私たちはContraveを承認に導いたチームの働きと研究開発への取り組みを特に誇りに思っています。武田薬品はこの目標の実現に大いに貢献してくれたパートナーであり、Orexigen社は今後タケダがContraveを米国市場に浸透させるにあたり可能な限り支援してまいります」と述べています。

米国健康栄養調査(NHANES)2012では、20歳以上の成人の約35%(3人に1人)はBMIが30 kg/m2以上の肥満症に分類されることが推測されています。肥満症は、種々の医療関係団体や政府機関からのみならず、米国医師会(AMA)からも慢性疾患であることが認められています。

以上

Contrave臨床試験プログラムについて

生活習慣の改善とともに使用した場合のContraveの有効性を評価するために、合計4,536例の肥満症患者を対象に、4件(COR-I[Contrave肥満症試験I]、COR-II[Contrave肥満症試験II]、COR-BMOD[Contrave肥満症試験+生活改善プログラム]、およびCOR-Diabetes[Contrave肥満症試験+2型糖尿病])の56週間の多施設共同、二重盲検、プラセボ対照比較試験を実施しました。COR-I、COR-IIおよびCOR-BMODには、BMIが30 kg/m2以上の成人肥満症患者、あるいは少なくとも1つ以上の合併症(高血圧症や脂質異常症など)を有するBMIが27 kg/m2以上の体重過多の患者が登録されました。一方、COR-Diabetesには、高血圧および/または脂質異常症の有無を問わず、BMIが27 kg/m2以上の2型糖尿病患者が登録されました。

COR-IとCOR-IIには、1日あたりのカロリー摂取量を約500 kcal下げる低カロリー食、生活改善カウンセリングおよび運動量の増加を図るプログラムが含まれます。COR-BMODには、食事および運動療法に加えて56週間で28回のグループカウンセリングセッションを実施する集中的な生活改善プログラムが含まれます。

COR-Diabetesは、経口抗糖尿病薬や食事・運動療法によっても目標血糖値(HbA1c<7%)が達成できていない2型糖尿病患者を対象としました。有効性に関する主要評価項目は、試験開始時からの体重の変化率および体重が5%以上減少した患者の割合としました。Contrave投与群で最も多く報告された(5%以上)有害事象は、悪心、便秘、頭痛、嘔吐、浮動性めまい、不眠症、口内乾燥、および下痢でした。

現在、Contraveの心血管リスクを評価するためのプラセボ対照二重盲検比較試験「Light Study」を行っています。本試験ではContraveを服用している心血管リスクの高い成人の体重過多または肥満患者に対する主要心血管イベントの発生について検証しています。

Contraveの承認に際し、武田薬品とOrexigen社は、小児の肥満に対する体重管理における安全性と有効性を検討する市販後臨床試験を実施します。また、心血管イベントの発症リスクを有する肥満症もしくは体重過多の患者を対象に本剤を長期投与した場合の心血管イベントの発症率を検証するための新たな市販後臨床試験(プラセボ対照二重盲検比較試験)を実施することについて同意しました。

Orexigen社について>

Orexigen® Therapeutics, Inc.は、肥満症治療薬の研究開発に特化したバイオ医薬品企業です。詳細については、www.orexigen.com.をご覧下さい。