悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®点滴静注用50mg」の日本における製造販売承認取得について

悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®点滴静注用50mg」の日本における製造販売承認取得について


Calendar
2014年1月17日

当社は、本日、悪性リンパ腫治療剤「アドセトリス®点滴静注用50mg」(一般名:ブレンツキシマブ ベドチン、以下「アドセトリス」)について、再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および再発・難治性のCD30陽性未分化大細胞リンパ腫を適応症とした製造販売承認を厚生労働省より取得しましたのでお知らせします。

今回の承認取得は、再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫および再発・難治性のCD30陽性全身性未分化大細胞リンパ腫を対象に実施した国内の臨床第1/2相試験および海外の臨床第2相試験での良好な結果に基づいています。なお、アドセトリスはCD30陽性のホジキンリンパ腫および未分化大細胞リンパ腫の適応症に対して、2012年3月に当局より希少疾病用医薬品の指定を受け、優先審査の対象となっていました。

本剤は、CD30抗原を標的とする抗体と微小管阻害作用を持つ低分子薬剤(モノメチルアウリスタチンE:MMAE)とを、シアトルジェネティクス社の特許技術を用いてリンカーで結合させた抗体薬物複合体です。この複合体は血中では安定であり、CD30抗原が発現した腫瘍細胞に選択的に作用し、腫瘍細胞内に取り込まれた後、タンパク質分解酵素によりリンカーが切断されてMMAEを放出するよう設計されています。

微小管とは、細胞分裂に重要な役割を担うタンパク質。MMAEは、その微小管を阻害することで細胞分裂を停止させ、癌細胞の増殖を抑制する。

当社のOncology Therapeutic Area UnitのHeadであるMichael Vasconcellesは「本剤は、標準治療法が未だ確立していない再発・難治性のホジキンリンパ腫および再発・難治性の未分化大細胞リンパ腫の患者さんに対し、新たな治療オプションとなるものと期待しています。当社は今後も、アンメットメディカルニーズの高い領域において、より有効な治療薬をお届けできるよう、取り組んでまいります」と述べています。

以上

<今回承認された効能・効果、用法・用量について

販売名

アドセトリス®点滴静注用50mg

一般名

ブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え)

用法・用量

通常、成人には、ブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え)として3週間に1回1.8mg/kg(体重)を点滴静注する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

効能・効果

再発又は難治性のCD30陽性の下記疾患:

ホジキンリンパ腫

未分化大細胞リンパ腫

 

<欧米におけるブレンツキシマブベドチンの承認状況について>

ブレンツキシマブ ベドチンは、2011年8月、米国において、①自家造血幹細胞移植後の再発又は難治性のホジキンリンパ腫、又は自家造血幹細胞移植が適用とならない場合に少なくとも2回の多剤併用化学療法施行後の再発又は難治性の再ホジキンリンパ腫、および②少なくとも1回の多剤併用化学療法施行後の再発又は難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫の2つの適応症について、米国食品医薬品局(FDA)から迅速承認を取得しています。カナダにおいても2013年2月、上記①②の2つの適応症についてカナダ保健省より承認を取得しています。

欧州では、2012年10月、①自家造血幹細胞移植後、又は自家造血幹細胞移植や多剤併用化学療法が適応とならない場合に少なくとも2種類の治療を施行した成人の再発・難治性のCD30陽性ホジキンリンパ腫、および②成人の再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫について、欧州委員会(EC)より販売承認を取得しています。

米国およびカナダではシアトルジェネティクス社が販売し、それ以外の地域では当社が販売を行っています。