重要課題(マテリアリティ)の特定 | 武田薬品
重要課題(マテリアリティ)の特定
シャイアー社の買収完了後、優先順位を再調整するための包括的な重要課題(マテリアリティ)の特定を2019年度に実施しました。これにより、どのような非財務的課題が私たちとステークホルダーにとって戦略的に重要かについての理解を深め、意思決定の指針にすべく検討しました。
項目の抽出
EY新日本有限責任監査法人の協力を得て、まずサステナビリティ(持続可能性)戦略に関連するトピックをリスト化することから始め、それらを4つの重要な課題領域に分類しました。
ヘルスケア — グローバルヘルスに対するタケダ製品の影響と使用に関連する事項
環境 — 環境への影響を最小限に抑え、天然資源を保護するための取り組みに関連する事項
社会性 — タケダの製品や事業が従業員、顧客、地域社会に与える影響(慈善活動を含む)に関連する事項
ガバナンス — 事業の管理監督に影響を与えるシステム、組織、風土に関連する事項
優先順位付け
各項目について、ステークホルダーならびにタケダのビジネスにとっての重要度に基づいて優先順位をつけました。このプロセスは、現在と将来の両方の視点をバランスよく取り入れるように設計されており、以下の内容が含まれています。
現在のタケダの情報開示、同業他社の情報開示、グローバルで起こっている大きな潮流、さらにはグローバル・リポーティング・イニシアティブ(GRI)、サステナビリティ会計基準委員会(SASB)のバイオテクノロジーおよび医薬品スタンダード、UN産業別SDG手引き(UN SDG Industry Matrix)、Access to Medicine Index、気候関連財務情報開示タスクフォース(TCFD)、製薬業界サプライチェーンイニシアティブ(PSCI)などのセクター関連のフレームワークの分析
タケダ・エグゼクティブチームへの社内インタビュー
投資家やアナリスト、NGO、業界団体、国際機関、同業他社、顧客やサプライヤー、専門的なサービスを担うパートナーなど、外部のステークホルダーへのインタビューやアンケート調査
検証
最後に、ステークホルダーやタケダのビジネスにおける重要度に基づいて結果を整理し、私たちがリーダーシップを発揮できる可能性のある分野を優先度の高いトピックとして抽出しました。これらは「すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために」、およびタケダのバリュー(価値観)やパーパス(存在意義)に沿った行動をとるために重要な「マネジメントの基本原理」に分類されています。この優先順位付けの草案は、タケダのサステナビリティ・インテグレーション・チームとグローバル・パブリック・アフェアーズ・チームによってレビュー、調整、検証が行われ、企業理念を策定するにあたり重要な資料となりました。
重要なトピックを事業運営と戦略全体に組み込むことで、グローバルで大きな課題に対応するための資源配分と判断ができるようになります。毎年新たな重要課題(マテリアリティ)の評価を行うのではなく、重要なトピックを継続的に見直しています。これにより、市場が成熟し、私たちがさらに成長するにあたり必要かつ柔軟な対応ができるようになります。私たちは毎年、重要なトピックについて進捗状況を報告してまいります。