COCKPI-T | 武田薬品
Co-Create Knowledge for Pharma Innovation with Takeda (COCKPI-T®) Funding
2024年7月31日更新 ご応募の受付は終了いたしました。多数のご応募をいただきありがとうございました。
概要
タケダは、「世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献する」というパーパスのもと、常に革新に挑み、あらゆる可能性を追求しています。
このパーパスを実現するために、既存のネットワークに加えて、より多くの研究者の皆さまとの協業が重要になってきています。COCKPI-T® Fundingでは、当社より創薬ターゲットや創薬技術に関するニーズを提示し、募集対象地域内の大学・公的研究機関・企業等に所属する研究者の皆さまのアイデアを幅広く募集いたします。 COCKPI-T® Fundingでは採択案件に対して、研究費(および当社・当社子会社保有の創薬関連技術)を提供し、皆さまのイノベーティブなアイデアの具現化を支援していきたいと考えています。
2023年度は、数多くご応募いただいた中から8案件を採択いたしました。今年度も私たちの取組みにご賛同いただける皆さまからのご応募をお待ちしております。
募集要項
研究課題
当社が指定する以下の疾患領域の研究(全4課題 )に関する新しい創薬アイデア(創薬コンセプト、創薬技術等)を募集します。
課題1
以下の神経系の疾患に対する画期的な治療アプローチを可能にする提案。例えば、
- 新規治療ターゲット や患者層別化/治療予測バイオマーカーなどに関する研究
- 革新的な創薬アプローチ/メカニズムに基づいた創薬ヒットまたはリード化合物の探索 (in vivoデータのあるものを優先)
- 病気の診断と患者の層別化のためのin vitro/in vivoイメージングプローブの発見
対象とする神経系疾患
- 筋萎縮性側索硬化症
- 前頭側頭葉変性症
- アルツハイマー病
- パーキンソン病
- 多系統萎縮症
- 脳アミロイドアンギオパチー
- ハンチントン病
- 運動失調症 (Ataxia)
- 筋強直性ジストロフィー1型
- デュシェンヌ型筋ジストロフィー
- 顔面肩甲上腕型ジストロフィー
- シャルコー・マリー・トゥース病1A型
- 重症筋無力症
- サルコペニア
- てんかん脳症
- 上記以外のリピート病
課題2
ヒトの病態生理または生理学上の根拠に基づく革新的な中枢疾患治療アプローチ及び疾患の再分類を可能にする研究。例えば、
- 自己抗体・自己免疫による神経障害
- 脳の老廃物除去能の低下
- 血液脳関門の機能低下
- 細胞内小器官の機能や恒常性の低下
- DNA損傷の蓄積
- RNA異常
- 疾患に対する抵抗/保護因子(レジリエンス)
- 液-液相分離
- グリア細胞の機能異常
以下の疾患は対象外とします:
多発性硬化症、急性虚血性脳卒中、急性外傷性脳損傷、脳血栓症、脳出血、脊髄損傷、疼痛、視神経脊髄炎
課題3
- 核酸医薬品に関する新規技術基盤の確立と検証
- 核酸医薬品の薬効、選択性、安全性、持続性を改善する技術(新規修飾核酸や新規コンストラクト等)
- 核酸医薬品を選択的に組織に輸送する薬物送達技術(血液脳関門や血液神経関門を貫通できる技術、IT投与による脳深部への送達技術、特定の臓器移行回避技術、薬物送達を促進するデバイス)
- 核酸医薬品のin vivoでのPK/PDを予測する技術
- 合成化学技術に関する新規技術基盤の確立と検証
- 革新的な合成化学技術(高化学選択性・高収率・高速反応 (光反応、電解反応、flow反応含む)、生体直交化学反応や新規のコンジュゲーション技術等)
- 化合物の物性(溶解度等)を改善させる汎用的手法の開発(ホストゲスト複合体、共結晶等)
- 人工知能、機械学習、分子シミュレーション技術、オートメーション技術の創薬応用
- 反応/合成ルート最適化、スケールアップ合成への適用
- 標的への新規作用機序や薬理活性・副作用予測
- バーチャル(in silico)スクリーニング技術
- 臨床外挿性の高い新規バイオマーカー探索
課題4
疾患領域
- 固形腫瘍 (特に肺がんおよび消化器がん)
- 血液悪性腫瘍 (特にAML)
募集する研究領域 (上記のがん種に関連した研究テーマを特に優先)
- ヒトおよび患者由来の試料・情報を用いたdata-drivenな新規治療標的の同定 (単一細胞・空間解析, CRISPR screen, AI/MLによる各種データの統合解析など)
- 腫瘍微小環境を制御する新規なアプローチ(腫瘍細胞内因性、間質、免疫細胞等を標的とするもの)
- 自然免疫に関わる細胞治療もしくはエンゲージャーに関する新規技術(薬効増強・補完的に働くもの)
- 腫瘍および標的の間質/免疫細胞に対する新規薬物送達技術(選択性・安全性・免疫原性などに関する差別化が望ましい)
- ヒトへの外挿性の高い新規動物モデル(ヒト化モデルなど)、もしくはヒトおよび患者由来の細胞を用いた in vitro/ex vivo 評価系 (腫瘍中の空間的情報を保った再構成系・オルガノイドなど)
研究内容
新規性の高い病態仮説に立脚した創薬ターゲットや治療コンセプトのバリデーション、ならびに革新的な創薬技術の実現性検証を目的とする研究
募集対象地域
日本、韓国、台湾、シンガポール、オーストラリアおよびニュージーランド
応募資格
上記の募集対象地域内の大学、公的な研究機関、企業等に所属する研究者 ※ご所属大学・機関・企業等との契約を予定しております。
応募資格
上記の募集対象地域内の大学、公的な研究機関、企業等に所属する研究者 ※ご所属大学・機関・企業等との契約を予定しております。
スケジュール
- 募集期間:2024年6月3日(月)~2024年7月30日(火)17時
- 1次選考:2024年9月10日(火)までに結果をお知らせいたします。
- 2次選考:2024年10月29日(火)までに結果をお知らせいたします。
- 契約・研究の実施:契約締結後、順次研究開始
- 結果の報告:研修終了から30日後
研究期間
契約締結日(2025年1月頃)から1年間
研究費
当社から研究費として間接経費を含め最大1,300万円(相当額)程度を提供いたします。 金額はご応募頂いた研究計画(研究内容、予算等)に応じて当社が決定いたします。
創薬関連資産・技術
当社および当社子会社が保有する創薬研究に関する資産・技術を提供する場合がございます。
応募方法
下記の1~3の手順に従ってご応募ください。
- 下記の研究計画書をダウンロードし、非機密の情報に基づき研究計画書に必要事項をご記入ください。
- 下の「COCKPI-T® Fundingに応募する」ボタンをクリックしてください。 ※「応募のために同意いただく事項」の内容をご確認の上、「同意する」ボタンをクリックしてください。
- 応募フォームに必要事項を入力し、1.で作成した研究計画書を添付の上、入力内容に誤りがないことをご確認いただき、「送信」ボタンをクリックしてください。 ※応募フォームにご入力いただいたメールアドレスに、COCKPI-T® Funding事務局から応募受付確認メールをお送りします。
下記からダウンロードの上ご利用ください。
※A4縦 保存形式:.docx .doc ファイルサイズ:5メガバイトまで ファイル名:半角英数
- 武田薬品工業株式会社 (以下「当社」)および当社子会社は、COCKPI-T® Fundingへの応募に関連して、応募者から開示・提供を受けた情報(以下「本情報」)につき、秘密保持義務その他のいかなる義務も負いません。
- 当社および当社子会社は本情報をCOCKPI-T® Fundingの目的にのみ使用(保管、複写・複製、第三者への開示・提供、処分等を含む。以下、同じ。)するものとし、応募者の同意を得ることなくその他の目的に使用しません。
- 応募者は、COCKPI-T® Fundingに応募すること及び本規約を同意することにつき、正当な権限を有すること、並びに、本情報の当社への開示・提供及び当社による本情報の使用が、第三者(応募者が所属する大学その他公的研究機関及び企業等を含む。)の知的財産権その他の権利を侵害するものでないことを表明及び保証します。
- 応募者は、本情報について、応募者が当該本情報の当社の開示・提供時に知る限りにおいて、事実を正確に反映したものであり、虚偽又は誤りがないことを表明及び保証します。
- COCKPI-T® Fundingの選考は、当社の裁量により行われるものとし、1 次選考結果は 2024年9 月10 日(火)までに、2 次選考結果は 2024年10月29日(火)までに当社から応募者へ電子メールにて通知されます。
- COCKPI-T® Fundingへの応募は応募者が任意に行うものであり、COCKPI-T® Fundingへの応募により応募者にいかなる不利益が生じた場合であっても、当社は、当該不利益につき何らの責任も負いません。
- 当社および当社子会社は、個人情報の保護に関する法令等を遵守し、COCKPI-T® Fundingへの応募に際しご提供いただく氏名・住所等の個人情報については、COCKPI-T® Funding及び当社および当社子会社との協業の可能性の検討の目的にのみ使用します。
- 応募者からのCOCKPI-T® Fundingに関する一切のご連絡は、当社のCOCKPI-T® Funding事務局(COCKPI-T@takeda.com)に対してのみ行われ、当社が別途案内する場合を除き、その他当社の電子メール、電話番号、人物に対して行われないものとします。
- 本規約は、COCKPI-T® Fundingに関する応募者・当社間のすべての合意を網羅しており、COCKPI-T® Fundingに関する応募者・当社間の書面又は口頭による従前の一切の合意に優先します。本規約の変更は、当社が署名した書面によらない限り、応募者・当社のいずれにも拘束力がないものとします。
選考について
1次選考
ご応募頂いた書類に対して、研究課題とのマッチング、独創性、実施可能性等を基準に選考いたします。1次選考結果は2024年9月10日(火)までに電子メールにてお知らせいたします。
2次選考
研究予算計画書をご提出いただいた後、面談(ウェブ会議形式もしくは対面)を実施いたします。 ※原則、非機密の内容にて面談を実施いたしますが、必要に応じて面談前に秘密保持契約を締結いたします。
2次選考結果は2024年10月29日(火)までに、電子メールにてお知らせいたします。 ※ご応募いただいた提案をCOCKPI-T® Funding採択対象案件として検討するのが基本ですが、場合によっては、当社のCOCKPI-T® Funding以外の取り組み(共同研究等)のご提案をさせていただくことがあります。
Words from our partners
COCKPI-T®における採択研究者様からのコメントを紹介いたします。
岩城 光宏 先生
理化学研究所
COCKPI-T研究タイトル:
「心筋細胞における分子間・細胞間相互作用定量方法の開発」
COCKPI-T研究内容:
独自に開発したフォースセンサーを応用して、心筋細胞の拍動が生み出す機械的な力を光学顕微鏡下でリアルタイム観察する技術を開発します。
COCKPI-Tに対するコメント:
応用を意識した基礎研究に取り組みたいと思っていたところ、COCKPI-Tを知り応募させていただきました。研究費提供による実験環境の拡充とともに、企業の視点からのアドバイスや情報を定期的にいただくことができ、新しい視点を取り入れながら研究を進めることができています。本研究はメカノバイオロジーの要素が強いテーマですが、独創的でソリッドな基礎研究から真に役立つ知見が得られ、種々の研究における応用に繋がるという私たちの姿勢を評価し、採択いただきました。本研究を通して実現性検証を進め、今後の共同研究に繋げたいと思っています。
土居 信英 先生
慶應義塾大学理工学部
COCKPI-T研究タイトル:
「新規の膜透過促進ペプチドとpH応答性低分子抗体とを組み合わせた細胞選択的DDSの開発」
COCKPI-T研究内容:
本研究では、我々が以前に発見したヒト・シンシチン1由来膜透過促進ペプチドを膜抗原に対するpH応答性のフラグメント抗体と組み合わせることで、タンパク質などのバイオ医薬の細胞選択的なDDSに応用することを目標としました。
COCKPI-Tに対するコメント:
COCKPI-Tに応募してもっともよかったことは、タケダの研究者の方々と定期的にディスカッションする機会が得られたことです。もともと膜透過ペプチドの研究は数年前に当時の大学院生のアイデアで始めたばかりでしたので、実験がうまくいかないときに建設的なアドバイスをいただいたり、関連する文献情報を教えていただいたりしたことは大変ありがたく、研究に参加している学生にも大変刺激になっていました。特に、製薬企業における創薬の一般的な視点からいただいたご助言は、アカデミアではなかなか気づくことができない視点で、応用研究の進め方を考える上でとても参考になりました。
松井 秀彰 先生
新潟大学脳病態解析分野
COCKPI-T研究タイトル:
「パーキンソン病を発症、進展、細胞死の3ヵ所でブロックする治療方法の検索」
COCKPI-T研究内容:
In vitro、小型魚類モデル、ヒト試料を縦断的に解析することで、パーキンソン病の発症から細胞死の様々なステップにおける病態を解析しました。
COCKPI-Tに対するコメント:
COCKPI-Tは一般的な研究助成とは異なり、研究者目線から、あるいは創薬目線からの短期長期のstrategyをその都度示唆していただける大変ユニークなシステムです。またアカデミアに存在するアイデアが実用のほんの萌芽の段階から御支援いただける極めて稀なものでもあります。研究の進展第一で、その進捗状況に応じ柔軟に追加の実験系を組み込んでいただけたり、さらなる共同研究に発展したりする可能性もあります。今回の研究計画においても私達だけでは数年かかっていたであろう検証が、1年の間に驚くほどの進捗を見ました。
研究業績:
Matsui H. Gut bacteria directly affects Parkinson’s disease pathology. 第23回小型魚類研究会(一般口演)
門之園 哲哉 先生
東京工業大学生命理工学院
COCKPI-T研究タイトル:
「抗体CDRペプチドを利用した抗体代替中分子の創出プラットフォーム技術の確立」
COCKPI-T研究内容:
これまでに開発を進めてきたペプチドの「構造ゆらぎ」制御技術を発展させ、抗体医薬のCDRペプチドを組み込んだ標的結合中分子の高速創出技術を確立し、抗体の構造情報からシームレスに代替中分子を創出するための創薬プラットフォーム技術を構築することを目指しました。
COCKPI-Tに対するコメント:
この度はCOCKPI-T研究の機会をいただきありがとうございました。これまでの基礎研究成果を実用化することを目指して、製薬企業の皆様と連携しながら研究を進めることが出来て本当に良い経験が出来ました。特に、担当者との定期的な面談において製薬企業研究者ならではのアドバイスを多数頂けて感謝しています。最初はアイデアしかありませんでしたが、COCKPI-T研究によって実用化に一歩近づくことが出来ました。本研究で得られた成果を基にして、現在はさらに技術の高精度化を進めています。
研究業績:
- 勝見 茉莉奈, 門之園 哲哉, Kyra See, 口丸 高弘, 近藤 科江, "抗体CDRペプチドを組み込んだ抗原結合中分子の迅速創製プラットフォームの構築", 第50回若手ペプチド夏の勉強会, 2018年8月6日
- 勝見 茉莉奈, 門之園 哲哉, Kyra See, 口丸 高弘, 近藤 科江, "Development of platform for generating antibody alternatives from CDR peptides", 第41回日本分子生物学会年会, 2018年11月28日
- 勝見 茉莉奈, 門之園 哲哉, Kyra See, 口丸 高弘, 近藤 科江, “Development of platform for generating antibody mimetics harboring constrained CDR peptides”, 第10回国際ペプチドシンポジウム, 2018年12月7日(ポスター賞受賞)
お問い合わせ COCKPI-T® Funding事務局
E-mail:COCKPI-T@takeda.com
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