治験は、試験の目的および特徴にもとづいて様々な段階に分けられます。各段階は、新薬の開発や治療において重要な役割を果たします。段階をあらわす治験のフェーズは図Ⅱのとおりです。
製薬企業は、治験の結果を取りまとめ、治験薬の品質や治験に入る前の研究段階での資料などとともに、国(PMDA*)に提出します。効果や安全性・適切な使い方などについて審査が行われ、審査の結果、国(厚生労働大臣)から承認されてはじめて「治験薬」から「医薬品」となり、多くの患者さんへ使われることになります。
臨床第1相試験から臨床第3相試験のあと、臨床第4相試験という段階もあります。
新薬が医薬品として国(日本では厚生労働省)に承認されると、治験を実施した製薬会社に対して、医薬品の安全性、有効性、最適な使用法に関する追加情報を国から集めるよう求められることがあります。この追加情報を収集するための医薬品承認後の臨床試験が臨床第4相試験とよばれるものです。
治験は新しい薬を生み出すプロセスとしてだけでなく、すでに承認されている薬の適応拡大(他の疾患でも使えるようにする)などでも行われます。
*PMDA(医薬品医療機器総合機構)は、厚生労働省所轄の独立行政法人であり、医薬品と医療機器の承認審査・安全対策や健康被害の救済などを行っています。