製薬企業の社員としてグローバルヘルスに貢献できるのはとても魅力的に感じて、2015年に自らの希望でAtMのチームに異動しました。それまでは研究者として薬理実験を行っていましたが、異動後はアライアンススタッフの中でAtM活動をリードして働いています。
なぜAccess to Medicinesに取り組んでいるのですか?
タケダの強みはこれまで培ってきた薬創りのノウハウと研究者の専門性です。これらがグローバルヘルスにとって非常に役に立つとパートナーの皆さんから期待されています。タケダとパートナーさんのそれぞれの強みを組み合わせて社会問題を解決する薬を創るわけですが、そこに私が研究者としてのバックグランドを活かしてアライアンススタッフとして関われることは光栄なことだと思っています。一社単独では成し遂げられないような成果がパートナーシップから出てくると信じています。
この活動を通じて、成し遂げたい事は?
タケダのミッションは、優れた医薬品の創出を通じて人々の健康と医療の未来に貢献することです。これは私がAccess to Medicinesのプロジェクトで成し遂げたいことでもあります。マラリア、結核、そしてリーシュマニア症などの顧みられない熱帯病に苦しむ世界中の患者さんに早く薬を届けたいです。
AtMの活動に参画して2年が経ちます。現在タケダでは、様々な外部パートナーと協働して複数の創薬プログラムを実施しており、その中で私自身は、新薬候補化合物の創出を目指して合成研究に従事しています。
なぜAccess to Medicinesに取り組んでいるのですか?
また、この活動を通じて、成し遂げたい事は?
世界中には、感染症で苦しんでいる多くの患者さんがいます。特に感染症が蔓延している発展途上国においては、安価で安全な医薬品へのアクセスが不足しており、国際社会全体の問題となっています。感染症の制圧はグローバルな課題である一方、医薬品開発をビジネスとする製薬会社においては、先進国をターゲットとする非感染症領域に多くのリソースが割かれており、発展途上国における感染症の治療薬開発は、大きなアンメットメディカルニーズがあるにも関わらず、投資対象としては顧みられない状態になっています。しかし、タケダでは、このような問題に対処するために感染症の専門家が集まる非営利組織と協働して、感染症治療薬の開発に参画しています。自社単独では開発できない領域においても、外部機関とのパートナーシップを通じて、タケダの研究ノウハウを提供できるということは、非常に価値のあることだと思います。自分たちの専門性を活かして、グローバルな問題解決に挑戦できることは、研究者自身にとっても貴重な経験ですし、成長の機会となります。私が参画している研究プログラムから、いち早く新薬候補化合物を見出し、安価で安全な医薬品として現地の人々に届けることが第一の目標です。
本プログラムにおいて、 Drugs for Neglected Diseases initiative (DNDi)と武田薬品は2015年7月よりin vitroおよびin vivoで優れた抗寄生虫活性を示す新たな作用機序を持ち、かつ経口投与で治療効果を示すアミノピラゾール系化合物群の誘導体最適化を目指し、協働して取り組んできました。武田薬品は化合物のデザインについて、最適化のための研究を進め、さらに、武田薬品が独自に所有するナレッジベースのデータベースを使用することで安全な抗寄生虫治療薬の開発に不可欠な化合物の薬物動態、安全性評価についてのアドバイスも提供しております。2018年4月にはDNDiと内臓リーシュマニア症の革新的な治療薬開発に向け、アミノピラゾール系化合物群の中から見出された医薬品候補化合物の前臨床試験および臨床第1相試験に協働して取り組む旨の契約を締結いたしました。
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