「誰かを助けたい」という人々の思いによる献血から作られる血漿分画製剤には、未知の可能性があります。治療法の確立していない病気から命を救いたい―私たちはこの願いを胸に、血漿分画製剤が担う未来を拓いていきます。私たちの原動力は「託された思いを無駄にしない、決して諦めない」という、強い決意です。
血漿分画製剤は、人の「いのち」に直結するものでもあり、安定供給は大切な使命です。そのため、設備機器ならびに法令・規定などの進化とともに、私たちの技術・技能も更なる進化を遂げなければなりません。安定供給と品質を維持・実現するために、日々努力を続けています。
定められた手順を遵守し安定した生産(操業)を行うことが、品質の維持に直結すると私たちは考えています。製造設備を安定して稼働させるには、様々な視点により品質に関わる管理も必要となります。5Mの視点「人(Men)、方法(Method)、機械(Machines)、材料(Materials)、計測(Measurement)」での製造管理・品質管理により、品質の維持に努めています。
技術の向上とは、「あたりまえにしている事をより深く知り、応用を加え改善し、新たな価値を生み出す技術に進化させる」と私たちは考えています。そのために設備・機器などの「あたりまえ」の機能・理論に対して自己研鑽により振り返りを行い、技術の向上を探求しています。また、個人が保有する能力「技能」についても、技術を表現(見える化)する活動に力を入れています。
技能・技術を伝える手法としてはOJT(実地訓練)とOFFJT(集合教育)が代表的な手法として一般的には活用されています。医薬品は異物の混入を防ぐために、人が介在しない条件で製造を行うことが望まれますが、無人化が難しい工程は人の手に頼らなければなりません。設備機器は進化し続け、より少人数でのオペレーションが進んでいます。同時に、理論・理屈に基づく技術も普遍的であると考え、後進者の育成・技術の継承に取り組んでいます。
武田では欧州および米国に複数の血漿分画製剤の工場があり、成田工場においても様々な交流があります。品質保証システムの考え方や既存製造設備の改善による更なる歩留まりの改善、製造環境の改善などのテーマについて、海外の専門家の支援を受けながら、更なる飛躍に取り組んでいます。成田工場の歴史においても、さらには日本における血漿分画製剤の歴史においても、大きな変革な真っただ中を進んでおり、挑戦と成長を追求できる環境にあると感じています。
成田工場は日本でも数少ない血漿分画製剤を製造しています。この製剤は重症の患者さんにご使用いただくことが多いので、高品質のお薬を安定的にお届け供給していくことがとても重要だと考えて日々、品質保証業務に取り組んでいます。健康で幸せな生活を送りたいという思いは誰もが持っているものです。それは患者さんも同じはずです。そのような患者さんの力になれることができる大切な仕事だと感じています。
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