1933年3月29日『京都武田薬草園』として創設され、薬用植物の基礎研究を開始しました。1945年終戦後すぐに、『京都試験農園』と改名し、天然物由来の新しい医薬品の創出や薬用植物の品種改良の研究をスタート。1994年研究部門の移転に伴い、名称を『京都薬用植物園』とし、薬用植物の収集・保存・栽培を中心に活動する施設となりました。2010年10月事務棟と研修棟を新しく建築し、薬用植物の保全と教育支援ができる施設として、再スタートすることになりました。2021年12月には京都市と「生物多様性保全に関する協定」を締結し、京都市における生物多様性保全の推進に関して相互の連携を強化し、さまざまな取組みを促進することを発表しました。
中央標本園 |
日本薬局方に収載されているトウキ、ミシマサイコなどの重要な生薬の基原植物を中心に、約200種を栽培・展示。水生植物コーナーには、オニバスやコウホネなど植栽。 |
漢方処方園 |
漢方薬は、古い中国の医学書などに基づき、さまざまな生薬を組み合わせて処方されてきた。漢方処方園は、それらについて理解促進を図るため薬用植物を処方ごとに植栽している。厚生労働省が承認する一般用漢方製剤294処方で使用されている生薬の中で、配合頻度が高い順にその基原植物を栽培・展示するコーナーも設置。 |
温室 |
熱帯・亜熱帯の薬用・有用植物を約500種栽培・展示。薬用植物ではトウシキミ、トンキンニッケイなど、熱帯果樹ではカカオ、サンジャクバナナなど、スパイスではコショウ、バニラなどをそれぞれ展示。 |
樹木園 |
樹木園にはメタセコイア、セコイア、カツラなどの高木やコブシ、サンシュユ、ナツメなど薬用の樹木を植栽しており、その樹林下にはカタクリ、オウレン、フクジュソウなどが自然に近い状態で生育している。 |
展示棟 |
明治41年(1908年)、神戸市東灘区に野口孫市氏が設計した建物。1995年の阪神・淡路大震災後に、当園に移築、再生したもの。生薬の標本を中心に展示。 |
ツバキ園 |
様々な椿の原種のほか、江戸時代に作出された品種やユキツバキの品種を含め、昭和30年代から収集した560余りの品種を栽培・展示。3月中旬から4月が見頃。 |
香辛料園
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さまざまな香りや味を楽しむことができる植物があふれる。誰もが知っているミントやレモンの香り、噛むとピリリと辛い植物など、一年を通じてハーブ&スパイスを満喫できる。これらの多くは、食材としてのみならず薬用としても利用されてきた。 |
民間薬園
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古今東西の祖先が生活の知恵として利用してきた薬用植物を展示。世界中で古くから民間薬として利用されている植物を集めている。サプリメントや健康食品として利用される、ムラサキバレンギクやセイヨウオトギリソウをはじめその成分表示に登場する植物を集めているほか、西洋薬の創薬の元となったリード化合物を含む植物エリアを設置。 |
薬用植物および絶滅危惧種の収集・保全、ナショナルコレクション認定品種群を含むツバキのコレクションの保全、京都府下の絶滅危惧植物の展示エリアの設置、左京の自然を愛でるプロジェクト ~チマキザサ再生委員会への協力、あおいプロジェクトへの参画、西山自然保護ネットワークへの参加、雲ケ畑・足谷人と自然の会との連携・協働、五條天神宮 節分祭への神朮(白朮)奉納、絶滅危惧IB類(EN)オガサワラグワの里親計画への参画、小笠原希少野生植物保護増殖事業への参画、絶滅危惧IA類(CR)タカクマムラサキ種子島集団の域外保全事業への参画など。
進行中の取組み事例:
施設名: 武田薬品工業株式会社 京都薬用植物園
所在地: 〒606-8134 京都市左京区一乗寺竹ノ内町11番地
園内面積:94,000 平方メートル
電話番号075-781-6111
代表者(園長): 西尾基之
https://www.takeda.co.jp/kyoto/