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経口プロテアソーム阻害剤「ニンラーロ®カプセル0.5㎎」の日本における発売について

2024年11月22日

当社は、本日、経口のプロテアソーム阻害剤「ニンラーロ®カプセル0.5mg」(一般名:イキサゾミブクエン酸エステル、以下「ニンラーロ0.5mg」)を発売しましたのでお知らせいたします。既存の「ニンラーロ®カプセル2.3mg/3mg/4mg」への剤形追加となり、多発性骨髄腫における維持療法において、ニンラーロの低用量製剤による新たな治療選択肢(1.5mg用量(0.5mgカプセル×3))を患者さんに提供できるようになりました。

ニンラーロ0.5mgは、主にランダム化プラセボ対照二重盲検多施設共同国際臨床第3相試験であるTOURMALINE-MM3試験ならびにTOURMALINE-MM4試験の結果に基づき、2023年9月に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、2024年8月13日に厚生労働省より製造販売承認を取得しました。

当社の日本オンコロジー事業部長の内田智は、「本剤形追加により、ニンラーロによる維持療法を実施する患者さんの状態に合わせた、より適切な用量調節の実現を目指すことが可能となります。当社は引き続き、患者さんと医療関係者の皆さんの医療ニーズにお応えし、がん領域において一層貢献できるよう努めてまいります」と述べています。

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<ニンラーロ®について>

ニンラーロは、「再発又は難治性の多発性骨髄腫」の効能効果で、2017年3月に厚生労働省より製造販売承認を取得し、2017年5月24日から発売しています。また、2020年3月に「多発性骨髄腫における自家造血幹細胞移植後の維持療法」、2021年5月には「幹細胞移植歴のない多発性骨髄腫に対する初回治療後の維持療法」の適応追加に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得しています。2024年8月には、厚生労働省より、「多発性骨髄腫における維持療法」の効能効果で、「ニンラーロ®カプセル0.5㎎」の製造販売承認を取得しました。

<TOURMALINE-MM3試験について>

TOURMALINE-MM3試験は、656名の患者さんを対象とした、ランダム化プラセボ対照二重盲検の多施設共同臨床第3相試験です。導入療法、その後の大量化学療法、および自家造血幹細胞移植に奏効(完全奏効(CR)、最良部分奏効(VGFR)、または部分奏効(PR))を示した多発性骨髄腫患者さんを対象に、無増悪生存期間(PFS)を主要評価項目としてニンラーロの維持療法の有効性と安全性をプラセボと比較検討した試験です。重要な副次評価項目は全生存期間(OS)です。本試験では、プラセボ群と比較してニンラーロ投与群では、統計学的に優位なPFSの延長が得られ、39%の改善を示しました。また、維持療法におけるニンラーロの安全性プロファイルは、本剤の既知の安全性プロファイルと同様でした。本結果は、The LANCET誌に掲載されました1

<TOURMALINE-MM4試験について>

TOURMALINE-MM4試験は、多発性骨髄腫と診断された幹細胞移植歴のない成人患者さん706名を対象に、初回治療後の維持療法としてニンラーロを単剤で経口投与したときの有効性と安全性をプラセボと比較して検証した、ランダム化プラセボ対照二重盲検の多施設共同国際臨床第3相試験です。本試験は上記の対象患者群において、初回導入療法で使用されなかった薬剤に切り替えて維持療法を行う、切り替え維持療法(switch maintenance)を検証した初めての企業主導臨床第3相試験です。主要評価項目は無増悪生存期間(PFS)で、本試験においてPFSを統計学的に有意に改善することが確認されました。また、ニンラーロの維持療法における安全性プロファイルは、単剤療法における既知の安全性プロファイルと同様であり、TOURMALINE-MM4試験での新たな懸念は確認されませんでした。本結果は、Journal of Clinical Oncology誌に掲載されました2

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー(がん)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。詳細についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。

<重要な注意事項>

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。本ニュースリリースに記載されている製品名は、武田薬品又は各所有者の商標又は登録商標です。

<将来に関する見通し情報>

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」、「予測する(forecasts)」、「見通し(outlook)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機、温室効果ガス排出量の削減又はその他環境目標の達成を可能にする武田薬品の環境・サステナビリティに対する取り組みの成功、人工知能(AI)を含むデジタル技術の統合をはじめとする、業務効率化、生産性向上又はコスト削減に向けた武田薬品の取り組みや、その他の事業再編に向けた取り組みが、期待されるベネフィットに寄与する程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

<医療情報>

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

以上


  1. Meletios A Dimopoulos, et al. Oral ixazomib maintenance following autologous stem cell transplantation (TOURMALINE-MM3): a double-blind, randomised, placebo-controlled phase 3 trial. The LANCET. 2019; 393 (10168): 199-294.
  2. Meletios A Dimopoulos, et al. Ixazomib as Postinduction Maintenance for Patients With Newly Diagnosed Multiple Myeloma Not Undergoing Autologous Stem Cell Transplantation: The Phase III TOURMALINE-MM4 Trial. Journal of Clinical Oncology. 2020; 38 (34): 4030-4041.