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Factory of the Futureの実現に向けた製造DXについて

2024年9月5日
  • AIとデジタル技術で医薬品の品質と安定供給を強化
  • 各製造拠点で成果を挙げた事例をグローバルに横展開

当社は、このたび、グローバルプログラム「Factory of the Future」の一環として進める製造デジタルトランスフォーメーション(DX)の取り組みを発表しましたのでお知らせします。

Factory of the Futureは、当社の全製造拠点が、それぞれの機能や製造する医薬品に基づき作成するロードマップに従って、デジタル教育の強化と変革の推進(Organizational Learning & Change Management)、デジタルと自動化 (Digital & Automation)、生産性や効率性の追求(Enterprise Excellence)の3つの側面から変革を行うプログラムです。

製造DXの取り組みにおいては、AI、デジタルツイン、ビッグデータ解析などの先進技術を活用し、全世界の製造拠点におけるイノベーションの推進を加速します。これにより、医薬品の品質と安定供給を強化し、患者さんのニーズに迅速かつ柔軟にお応えする体制を構築します。

グローバルで製造DXに注力

当社は世界中に25以上※1ある製造拠点の全てにおいて、「すべての患者さん(Patient)」、「ともに働く仲間(People)」、「いのちを育む地球(Planet)」のためにデータとデジタルの力でイノベーションを起こすという当社の約束を実現すべく、製造DXを推進しています。各拠点で成果を上げたベストプラクティスのノウハウをグローバル統一プラットフォーム「Global Market Place」上に集約し、どの拠点でも導入できるようにし、拠点間で相互交換・横展開しています。これにより新たなソリューション開発にかかる工数や投資の重複を避けることにもつなげています。

すべての患者さんのために(Patient):
    1.予測型工場
    保守およびビジネス価値創造の両面から、医薬品の品質保証と安定供給をさらに強固にします。

    ○ トラブルを未然に防ぐ保守
      予知保全(Predictive Maintenance)を実現します。設備から収集される時々刻々のデータを、クラウド上に実装された異常検知モデルに接続し、リアルタイムに異常検知を行うことで突発故障を未然に防ぎます。さらに、機器の故障などに起因する逸脱※2の回避を行います。これにより、遅滞のない製造の実現を目指すとともに、逸脱が起きた場合に発生する原因調査、影響範囲特定、是正処置の立案、必要な変更の実施など、膨大な時間と工数が伴う対応の発生を未然に防ぎます。
    ○ ビジネス価値の創造
      収量※3の改善(Yield Improvement)を目指します。製造設備各所に取り付けたセンサーから得られるビッグデータを活用し、予測モデルを開発して、製造工程における改善機会を特定します。
    2.在庫最適化プログラム
    製造に関する膨大なデータをリアルタイムに分析できるマルチエシェロン在庫最適化(MEIO)プログラムを導入し、拠点や国を超えた当社の供給ネットワーク全体に渡って在庫量を最適化する取り組みを行っています。MEIOでは、デマンドパターンや製造リードタイム、供給変動、コストやサービスレベルを考慮することで、市場の変化や予期せぬ混乱に対して素早く順応することができるようになり、当社の医薬品を必要とする患者さんのために、より迅速で柔軟な供給体制の構築を図ります。将来的には機械学習の導入により、サプライチェーンのさらなる自動化が見込まれており、これにより自律的な運営が可能になると期待しています。

ともに働く仲間のために(People)
    デジタルと人の連携で、生産性と働き方の改善を行っています。GMP(医薬品の製造管理及び品質管理の基準)を厳格に順守する必要がある医薬品の製造現場では、高度な無菌性環境下やこれまで使用したことのない設備を用いた新製造ラインでの初回製造(Process Performance Qualification: PPQ)など、オペレーターのトレーニングを実施することが容易ではなく、習得に時間がかかる状況があります。トレーニングにVR(仮想現実)やAR(拡張現実)を活用することで、実際の作業環境にバーチャルで没入して学べるようにしたり、実空間上にデバイスやインストラクションを浮かび上がらせてトレーニングを行ったりすることが可能になり、従来と比較して、より少ない人数・工数でオペレーターが実践的、効率的、かつスピード感を持ってトレーニングを行うことを可能にしています。

いのちを育む地球のために(Planet)
    製造設備から収集したビッグデータの活用で環境への負荷や影響を見える化し、オペレーションや設備の最適化を通じて環境負荷低減を行っています。

当社のグローバルマニュファクチャリング&サプライ ジャパン ヘッドのグレッグ・ティモンズは、「急速に変化する世界の中で、ヘルスケア課題に持続的に取り組むために、私たちは絶えずイノベーションを追求しなければなりません。当社は、データサイエンスとデジタル技術への投資を加速させ、自動化、AI開発と標準化、データの統合と民主化※4、人材開発、予測能力、そして革新的なコラボレーションとガバナンスを強化しています。AIや自動化は、人(従業員)がより価値を創造する業務に注力することを支援するものです。そのため、従業員のデジタル教育に力を入れデータ活用意識の向上を図ることで、製造プロセスやオペレーションのあらゆる側面でDXに取り組み、患者さんが必要とする医薬品をより迅速に安定供給することに努めてまいります」と述べています。

取り組みの実例の詳細はこちらからご覧いただけます。

※1 2024年6月時点
※2 製造や試験の手順、品質システム、申請内容、規制当局要件、規格、トレンドまたはその他の適合要件からの乖離
※3 原薬製造プロセスにおいて得られる原薬の量を示す。工程の正常性を示すパラメータの一つとされる。
※4 データの民主化は、データへのアクセスと活用をより広範囲に広げ、組織内のすべての関係者がデータを利用して意思決定を行えるようにするプロセスや戦略を指します。

英語版プレスリリースはこちら
Please find the English press release from here

<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー(がん)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細についてはhttps://www.takeda.comをご覧ください。

<将来に関する見通し情報>

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」、「予測する(forecasts)」、「見通し(outlook)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機、温室効果ガス排出量の削減又はその他環境目標の達成を可能にする武田薬品の環境・サステナビリティに対する取り組みの成功、人工知能(AI)を含むデジタル技術の統合をはじめとする、業務効率化、生産性向上又はコスト削減に向けた武田薬品の取り組みや、その他の事業再編に向けた取り組みが、期待されるベネフィットに寄与する程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。

<お問合せ先>

武田薬品工業株式会社
グローバル マニュファクチャリング&サプライ
飯山 久美
080-5789-7742
[email protected]