- 「キュービトル 20%® 皮下注」は当社初の皮下投与免疫グロブリン製剤であり、世界中のニーズのある患者さんに革新的な製品を届けるタケダのコミットメントを示すもの
当社は、本日、「キュービトル® 20% 皮下注」(20%皮下注用人免疫グロブリン製剤、以下「キュービトル」)を「無又は低ガンマグロブリン血症」を効能又は効果として、発売しましたのでお知らせします1。「無又は低ガンマグロブリン血症」は、原発性免疫不全症(以下「PID」)又は続発性免疫不全症(以下「SID」)による抗体が無い又は低い状態で、重篤な感染症の再発リスクが増加することを特徴とする疾患です2。皮下投与の免疫グロブリン製剤は、当社として初めてです。
キュービトルは、有効性、安全性、忍容性および薬物動態を評価するために実施された、PIDの日本人患者さんを対象とした臨床第3相試験(NCT04346108)ならびにPID患者さんを対象とした北米と欧州の臨床第2/3相試験(NCT01218438・NCT01412385)に基づいて2022年10月26日に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、2023年9月25日に製造販売承認を取得しました。これらの試験において、キュービトルは有効性および安全性が確認されています。
当社のジャパン ファーマ ビジネス ユニット 希少疾患事業部長である濱村 美砂子は「世界30カ国以上で承認されているキュービトルを、本日より無又は低ガンマグロブリン血症の日本の患者さんにお届けできることを心よりうれしく思います。免疫不全症患者さんは、重篤な感染症に罹患することが多く、免疫グロブリン補充療法はこれらの患者さんに対する標準治療のひとつです。キュービトルが新しい治療選択肢として一人でも多くの患者さんに貢献できるよう尽力してまいります」と述べています。
日本においてはPIDの早期診断が課題であり、免疫グロブリンによる治療の実施は、世界の他の地域よりはるかに低い状況となっています3 4。また、SIDについても、悪性腫瘍などの治療に伴う免疫不全状態への対応として、免疫グロブリンなどによる治療を含めた総合的感染管理が重要であると考えられています5。日本において血漿分画製剤(以下「PDT」)を必要とされる患者さんは、今後数年で大幅に増加することが予想され、当社は日本における標準治療を向上させ、当社のPDTポートフォリオをより多く日本に導入するために当局と協議を進めています。
無ガンマグロブリン血症は、Bリンパ球と呼ばれる免疫細胞の正常で成熟した増殖を阻害する遺伝子の異常によって抗体が産生されず引き起こされる遺伝性疾患です6。低ガンマグロブリン血症は、遺伝子異常によって遺伝することが多いですが、化学療法、特定の併存疾患、免疫抑制剤の使用などの二次的影響によって抗体が欠乏し発症する場合もあります2。どのような種類の抗体欠乏症であっても、感染症を繰り返すことが多く、 免疫グロブリン補充療法により体内の抗体レベルを上昇させることができます。「無又は低ガンマグロブリン血症」はPID又はSID2により引き起こされます。
原発性免疫不全症(PID)は、免疫系の一部が欠損している、又は適切に機能していない480種類を超える希少遺伝性疾患の不均一なグループを指します7。続発性免疫不全症(SID)は、免疫系の外因性条件又は要因に起因する免疫応答の障害と定義することができます。SIDは栄養不良、代謝障害、免疫抑制薬の使用、慢性感染、悪性腫瘍、および重度の外傷の結果として生じます8。PIDおよびSIDの患者さんは免疫系が障害されているため、感染症にかかりやすく、回復に時間がかかることがあります。抗体欠損があり、易感染性が亢進していたり、持続性感染症の患者さんでは、機能的抗体による代替(免疫グロブリン補充療法)が免疫系の機能を支える標準治療のひとつです8。
キュービトルは、成人および小児のPID、SID患者さんにおける感染予防をサポートすることを目的として開発されたヒト免疫グロブリンを20%含有する皮下注用人免疫グロブリン製剤で、2023年5月現在37カ国で承認されています。日本において、キュービトルは、2歳以上の患者さんを対象とした無又は低ガンマグロブリン血症の治療剤として承認されています。
キュービトル製品概要
販売名 |
キュービトル20% 皮下注 2 g/10 mL, 4 g/20 mL, 8 g/40 mL |
一般名 |
pH4処理酸性人免疫グロブリン(皮下注射) |
効能又は効果 |
無又は低ガンマグロブリン血症 |
用法及び用量 |
通常、人免疫グロブリンGとして50~200mg(0.25~1mL)/kg体重を週1回皮下投与する。2週間に1回投与する場合には、1週あたりの用量の2倍量〔100~400mg(0.5~2mL)/kg体重〕を皮下投与する。なお、患者の状態に応じて、1週又は2週あたりの投与量及び投与回数は適宜増減する。 |
薬価 |
キュービトル20% 皮下注 2 g / 10 mL 21,882円
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出典