当社は、本日、「アジンマ🄬静注用1500」(遺伝子組換えヒトADAMTS13、一般名: アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)、以下「アジンマ」)について、12歳以上の患者さんを対象に、「先天性血栓性血小板減少性紫斑病」(congenital thrombotic thrombocytopenic purpura以下「cTTP」)を効能又は効果として1、発売しましたのでお知らせします。アジンマは、 世界初の遺伝子組換えADAMTS13製剤であり、cTTPを効能又は効果とする唯一の治療薬です。
cTTPは、ADAMTS13酵素の欠乏によって生じる超希少かつ慢性の血液凝固障害です2。血小板減少症、微小血管障害性溶血性貧血、頭痛、腹痛を含む急性症状や消耗性の慢性症状を伴います2,3,4。未治療のまま経過すると急性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)イベントの死亡率は90%を超えます2,4。
アジンマは、主に12歳から68歳の cTTP患者さん(日本人5名を含む)を対象としたグローバル臨床第3相試験である281102試験(NCT03393975)における有効性、薬物動態、安全性および忍容性の中間解析データ、および臨床第3b相継続試験であるTAK-755-3002試験(NCT04683003)における長期的安全性および有効性の中間解析データから得られたエビデンスに基づいて2023年8月16日に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、2024年3月26日に製造販売承認を取得しました。
当社のジャパン ファーマ ビジネス ユニット希少疾患事業部長である濱村 美砂子は「cTTPを効能又は効果とする世界初で唯一の治療剤であるアジンマを日本の患者さんにお届けできることを心よりうれしく思います。アジンマをこれまで治療選択肢が限定されていたcTTP患者さんに対する新しい治療選択肢としてお届けし、一人でも多くの患者さんに貢献できるよう尽力してまいります」と述べています。
アジンマは遺伝子組換えヒトADAMTS13(A disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin motifs 13)製剤です。日本においては、先天性血栓性血小板減少性紫斑病治療剤として承認されており、12歳以上の患者さんに対して、定期補充療法(定期的な投与)および一時補充療法(急性増悪時の投与)として投与可能です1。
アジンマは、米国FDAにより成人および小児患者さんを対象にcTTPの定期補充療法および一時補充療法として承認されており5、後天性、特発性および続発性を含むTTPの治療と予防に対して、希少疾病用医薬品に指定されています。また、アジンマは欧州医薬品局(EMA)および厚生労働省(MHLW)からもTTPに対して希少疾病用医薬品指定を受けています。
日本におけるアジンマの製品概要
販売名 | アジンマ静注用 1500 |
一般名 | アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え) |
効能又は効果 | 先天性血栓性血小板減少性紫斑病 |
用法及び用量 | 本剤を添付の溶解液5mLで溶解し、2~4mL/分の速度で緩徐に静脈内に注射する。 定期的に投与する場合、通常、成人及び12歳以上の小児には、1回40国際単位/kgを隔週投与するが、患者の状態に応じて1回40国際単位/kgを週1回投与することができる。 急性増悪時に投与する場合、通常、成人及び12歳以上の小児には、1日目に1回40国際単位/kg、2日目に1回20国際単位/kg、3日目以降は1日1回15国際単位/kgを投与する。 |
薬価 | 1,500 国際単位1瓶(溶解液付) 1,212,026円 |
cTTPは血小板減少症、微小血管障害性溶血性貧血、頭痛、腹痛を含む致死的な急性症状や消耗性の慢性症状を伴う慢性血液凝固異常症で6,7、有病率が100万人あたり2~6症例と推定されており、超希少疾患です。cTTPは先天性の血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)で、TTP患者さんの中で5%を占めます7,8,9。cTTPはフォン・ヴィレブランド因子(VWF)切断酵素であるADAMTS13の遺伝子異常によりADAMTS13活性が著減する疾患で、血液中に超高分子量VWF重合体が残存します6。 超高分子量VWF重合体が存在すると、血小板の凝集および粘着が制御できなくなります4,7。これは全身の微小血管に異常な血小板血栓を生じさせる可能性があり、微小血管障害性溶血性貧血と血小板減少症と関連します3。 cTTPは急性症状と慢性症状の両方を有し(脳卒中と心血管疾患を含む)、未治療のまま経過すると、急性TTPイベントの死亡率は90%を超えます3,10。また、cTTPはADAMTS13の欠乏状態に起因して進行する広範な臓器障害やその他の併存疾患を伴う可能性があります4,7,9,10。
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