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先天性血栓性血小板減少性紫斑病治療剤 「アジンマ🄬静注用 1500」
(アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え))の発売について

2024年5月30日
- 「アジンマ🄬静注用 1500」 は先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)患者さんを対象とした遺伝子組換えADAMTS13を補充する初めての治療剤
- cTTPは生命を脅かす急性症状や慢性かつ消耗性の症状を伴う超希少な血液凝固障害


当社は、本日、「アジンマ🄬静注用1500」(遺伝子組換えヒトADAMTS13、一般名: アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)、以下「アジンマ」)について、12歳以上の患者さんを対象に、「先天性血栓性血小板減少性紫斑病」(congenital thrombotic thrombocytopenic purpura以下「cTTP」)を効能又は効果として1、発売しましたのでお知らせします。アジンマは、 世界初の遺伝子組換えADAMTS13製剤であり、cTTPを効能又は効果とする唯一の治療薬です。

cTTPは、ADAMTS13酵素の欠乏によって生じる超希少かつ慢性の血液凝固障害です2。血小板減少症、微小血管障害性溶血性貧血、頭痛、腹痛を含む急性症状や消耗性の慢性症状を伴います2,3,4。未治療のまま経過すると急性血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)イベントの死亡率は90%を超えます2,4

アジンマは、主に12歳から68歳の cTTP患者さん(日本人5名を含む)を対象としたグローバル臨床第3相試験である281102試験(NCT03393975)における有効性、薬物動態、安全性および忍容性の中間解析データ、および臨床第3b相継続試験であるTAK-755-3002試験(NCT04683003)における長期的安全性および有効性の中間解析データから得られたエビデンスに基づいて2023年8月16日に厚生労働省に製造販売承認申請を行い、2024年3月26日に製造販売承認を取得しました。

当社のジャパン ファーマ ビジネス ユニット希少疾患事業部長である濱村 美砂子は「cTTPを効能又は効果とする世界初で唯一の治療剤であるアジンマを日本の患者さんにお届けできることを心よりうれしく思います。アジンマをこれまで治療選択肢が限定されていたcTTP患者さんに対する新しい治療選択肢としてお届けし、一人でも多くの患者さんに貢献できるよう尽力してまいります」と述べています。


<アジンマ🄬(アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え))について>

アジンマは遺伝子組換えヒトADAMTS13(A disintegrin and metalloproteinase with thrombospondin motifs 13)製剤です。日本においては、先天性血栓性血小板減少性紫斑病治療剤として承認されており、12歳以上の患者さんに対して、定期補充療法(定期的な投与)および一時補充療法(急性増悪時の投与)として投与可能です1

アジンマは、米国FDAにより成人および小児患者さんを対象にcTTPの定期補充療法および一時補充療法として承認されており5、後天性、特発性および続発性を含むTTPの治療と予防に対して、希少疾病用医薬品に指定されています。また、アジンマは欧州医薬品局(EMA)および厚生労働省(MHLW)からもTTPに対して希少疾病用医薬品指定を受けています。


日本におけるアジンマの製品概要

販売名 アジンマ静注用 1500
一般名 アパダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)/シナキサダムターゼ アルファ(遺伝子組換え)
効能又は効果 先天性血栓性血小板減少性紫斑病
用法及び用量 本剤を添付の溶解液5mLで溶解し、2~4mL/分の速度で緩徐に静脈内に注射する。
定期的に投与する場合、通常、成人及び12歳以上の小児には、1回40国際単位/kgを隔週投与するが、患者の状態に応じて1回40国際単位/kgを週1回投与することができる。
急性増悪時に投与する場合、通常、成人及び12歳以上の小児には、1日目に1回40国際単位/kg、2日目に1回20国際単位/kg、3日目以降は1日1回15国際単位/kgを投与する。
薬価 1,500 国際単位1瓶(溶解液付) 1,212,026円



<先天性血栓性血小板減少性紫斑病(cTTP)について>

cTTPは血小板減少症、微小血管障害性溶血性貧血、頭痛、腹痛を含む致死的な急性症状や消耗性の慢性症状を伴う慢性血液凝固異常症で6,7、有病率が100万人あたり2~6症例と推定されており、超希少疾患です。cTTPは先天性の血栓性血小板減少性紫斑病(TTP)で、TTP患者さんの中で5%を占めます7,8,9。cTTPはフォン・ヴィレブランド因子(VWF)切断酵素であるADAMTS13の遺伝子異常によりADAMTS13活性が著減する疾患で、血液中に超高分子量VWF重合体が残存します6。 超高分子量VWF重合体が存在すると、血小板の凝集および粘着が制御できなくなります4,7。これは全身の微小血管に異常な血小板血栓を生じさせる可能性があり、微小血管障害性溶血性貧血と血小板減少症と関連します3。 cTTPは急性症状と慢性症状の両方を有し(脳卒中と心血管疾患を含む)、未治療のまま経過すると、急性TTPイベントの死亡率は90%を超えます3,10。また、cTTPはADAMTS13の欠乏状態に起因して進行する広範な臓器障害やその他の併存疾患を伴う可能性があります4,7,9,10


<武田薬品について>

武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、オンコロジー(がん)、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/をご覧ください。


<重要な注意事項>

本注意事項において、「ニュースリリース」とは、本ニュースリリースに関して武田薬品工業株式会社(以下、「武田薬品」)によって説明又は配布された本書類並びに一切の口頭のプレゼンテーション、質疑応答及び書面又は口頭の資料を意味します。本ニュースリリース(それに関する口頭の説明及び質疑応答を含みます)は、いかなる法域においても、いかなる有価証券の購入、取得、申込み、交換、売却その他の処分の提案、案内若しくは勧誘又はいかなる投票若しくは承認の勧誘のいずれの一部を構成、表明又は形成するものではなく、またこれを行うことを意図しておりません。本ニュースリリースにより株式又は有価証券の募集を公に行うものではありません。米国 1933 年証券法の登録又は登録免除の要件に基づいて行うものを除き、米国において有価証券の募集は行われません。本ニュースリリースは、(投資、取得、処分その他の取引の検討のためではなく)情報提供のみを目的として受領者により使用されるという条件の下で(受領者に対して提供される追加情報と共に)提供されております。当該制限を遵守しなかった場合には、適用のある証券法違反となる可能性があります。 武田薬品が直接的に、又は間接的に投資している会社は別々の会社になります。本ニュースリリースにおいて、「武田薬品」という用語は、武田薬品及びその子会社全般を参照するものとして便宜上使われていることがあり得ます。同様に、「当社(we、us及びour)」という用語は、子会社全般又はそこで勤務する者を参照していることもあり得ます。これらの用語は、特定の会社を明らかにすることが有益な目的を与えない場合に用いられることもあり得ます。 本ニュースリリースに記載されている製品名は、武田薬品又は各所有者の商標又は登録商標です。


<将来に関する見通し情報>

本ニュースリリース及び本ニュースリリースに関して配布された資料には、武田薬品の見積もり、予測、目標及び計画を含む武田薬品の将来の事業、将来のポジション及び業績に関する将来見通し情報、理念又は見解が含まれています。将来見通し情報は、「目標にする(targets)」、「計画する(plans)」、「信じる(believes)」、「望む(hopes)」、「継続する(continues)」、「期待する(expects)」、「めざす(aims)」、「意図する(intends)」、「確実にする(ensures)」、「だろう(will)」、「かもしれない(may)」、「すべきであろう(should)」、「であろう(would)」、「かもしれない(could)」、「予想される(anticipates)」、「見込む(estimates)」、「予想する(projects)」、「予測する(forecasts)」、「見通し(outlook)」などの用語若しくは同様の表現又はそれらの否定表現を含むことが多いですが、それに限られるものではありません。これら将来見通し情報は、多くの重要な要因に関する前提に基づいており、実際の結果は、将来見通し情報において明示又は暗示された将来の結果とは大きく異なる可能性があります。その重要な要因には、日本及び米国の一般的な経済条件を含む武田薬品のグローバルな事業を取り巻く経済状況、競合製品の出現と開発、関連法規の変更、臨床的成功及び規制当局による判断とその時期の不確実性を含む新製品開発に内在する困難、新製品及び既存製品の商業的成功の不確実性、製造における困難又は遅延、金利及び為替の変動、市場で販売された製品又は候補製品の安全性又は有効性に関するクレーム又は懸念、新規コロナウイルス・パンデミックのような健康危機、温室効果ガス排出量の削減又はその他環境目標の達成を可能にする武田薬品の環境・サステナビリティに対する取り組みの成功、人工知能(AI)を含むデジタル技術の統合をはじめとする、業務効率化、生産性向上又はコスト削減に向けた武田薬品の取り組みや、その他の事業再編に向けた取り組みが、期待されるベネフィットに寄与する程度、武田薬品のウェブサイト(https://www.takeda.com/jp/investors/sec-filings/)又はwww.sec.govにおいて閲覧可能な米国証券取引委員会に提出したForm 20-Fによる最新の年次報告書並びに武田薬品の他の報告書において特定されたその他の要因が含まれます。武田薬品は、法律や証券取引所の規則により要請される場合を除き、本ニュースリリースに含まれる、又は武田薬品が提示するいかなる将来見通し情報を更新する義務を負うものではありません。過去の実績は将来の経営結果の指針とはならず、また、本ニュースリリースにおける武田薬品の経営結果及び情報は武田薬品の将来の経営結果を示すものではなく、また、その予測、予想、保証又は見積もりではありません。


<医療情報>

本ニュースリリースには、製品に関する情報が含まれておりますが、それらの製品は、すべての国で発売されているものではなく、また国によって異なる商標、効能、用量等で販売されている場合もあります。ここに記載されている情報は、開発品を含むいかなる医療用医薬品を勧誘、宣伝又は広告するものではありません。

以上


  1. アジンマ静注用 1500 添付文書
  2. Van Dorland H et al. Haematologica. 2019;104:2107-16.
  3. Chiasakul T and Cuker A. Am Soc Hematol. 2018;2018(1):530–538.
  4. Joly BS et al., Blood. 2017;129(21):2836–2846.
  5. ADZYNMA (ADAMTS13, recombinant-krhn) Prescribing Information; 2023.
  6. Alwan F, et al., Blood. 2019;133:1644-51.
  7. Kremer Hovinga JA, et al. Nat Rev Dis Primers. 2017;3:17020.
  8. Kremer Hovinga JA, George JN. Hereditary Thrombotic Thrombocytopenic Purpura. N Engl J Med. 2019;381(17):1653-1662.
  9. Orpha.net. Congenital thrombotic thrombocytopenic purpura. https://www.orpha.net/en/disease/detail/93583?name=TTP&mode=name
    2024年5月アクセス.
  10. Zheng XL et al. J Thromb Haemost. 2020;18(10):2486-95.