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武田薬品、三菱倉庫、JR貨物が医療用医薬品輸送におけるCO2排出削減に向けて連携
国内特約店向け輸送でモーダルシフト

2023年9月28日

― 武田薬品、三菱倉庫、JR貨物は、医療用医薬品の輸送においてCO2排出削減を目指し、トラックから鉄道輸送へのモーダルシフトを開始。
― 温度管理可能な鉄道コンテナを使用し、医薬品の適正流通ガイドラインに準拠した輸送を実現。適用した輸送ルートにおいてCO2排出量を現行比約60%削減する見込み。
― 今回のパートナーシップを通じて今後も環境への配慮とイノベーションを推進。業界に先駆けた取り組みを通じて他の企業にも前向きな影響を与える努力を継続。


武田薬品工業株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役 社長 CEO クリストフ・ウェバー、以下「武田薬品」)、三菱倉庫株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役 社長 斉藤秀親、以下「三菱倉庫」)および日本貨物鉄道株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長兼社長執行役員:犬飼新、以下「JR貨物」)は、このたびCO2排出削減を目指し、武田薬品の国内特約店向け医療用医薬品輸送の一部をトラックから鉄道輸送へ切り替えるモーダルシフトの取り組みを開始することとなりましたので、お知らせします。

国内における医療用医薬品の輸送においては、現在トラック輸送が主流となっており、武田薬品でも医療用医薬品輸送を三菱倉庫に委託し、主にトラックを利用した輸送を行ってきました。鉄道輸送については、様々な輸送機関の中でCO2排出量が少なく、環境への負荷が少ない輸送手段と言われていますが、医療用医薬品輸送においては振動、温度管理等の課題も多く、鉄道輸送への切り替えが進んでいませんでした。一方、農産品、工業製品、積合せ貨物等の輸送スキームにおいては、既に鉄道輸送への切り替えが実現しています。

今回、武田薬品、三菱倉庫およびJR貨物は、国内の鉄道輸送による医療用医薬品配送の可能性について各種検証を行った結果、温度管理可能な鉄道コンテナを用い、各種セキュリティ対策等を施すことで、医療用医薬品の品質を適正に管理しながら、医薬品の適正流通(GDP: Good Distribution Practice)ガイドラインに準拠した輸送が実現できるものと判断し、一部の国内特約店向けの輸送を10月より鉄道へ切り替えることといたしました。

具体的には、鉄道輸送にかかる許可取得後、東京から北東北地区への幹線輸送部分を鉄道へ切り替え、その前後の輸送のみをトラック輸送することで、当該輸送におけるCO2排出量を現行比約60%減※1となる削減効果を見込んでいます。加えて、長距離トラック輸送の軽減により、物流の2024年問題※2への対応にも大きく貢献してまいります。今後は、順次鉄道輸送のエリアや対象特約店を拡大していく予定です。なお、本輸送についても、2022年1月より運用しているデータプラットフォーム「ML Chain」を利用し温度情報・位置情報を可視化し、鉄道コンテナ輸送において国内でいち早くエンドツーエンドにおけるシームレスな医薬品輸送品質管理を実現いたします。

武田薬品のグローバル マニュファクチャリング&サプライ ジャパン ヘッドのグレッグ・ティモンズは「私たちは、地球環境の負荷を低減しながら、患者さんに高品質な医薬品を安定的にお届けし続けることに責任を感じており、この取り組みはその責任を担うための一環です。この度の三菱倉庫およびJR貨物とのパートナーシップは、医療用医薬品の輸送において新たなスタンダードを確立し、環境への配慮とイノベーションを結びつけられたことを嬉しく思います。この取り組みを加速し、他の企業にも前向きな影響を与える努力を続けてまいります。」と述べています。

三菱倉庫の専務執行役員の若林仁は、「今回の取り組みは、医薬品メーカーとその物流パートナー、鉄道事業者の3社が協業したことで、それぞれのお客様へ信頼のおける品質を担保したまま確実な輸送を行うことを実現しました。この新たな取り組みが、地球環境の負荷低減につながり、持続的なサプライチェーンの一助となることを喜ばしく思います。今後も環境に対する様々な取り組みを加速させていきます。 」と述べています。

JR貨物の執行役員 鉄道ロジスティクス本部営業統括部長の高橋秀仁は「今回の取組によって、GDPガイドラインに準拠した鉄道輸送が検証されたことで、国内医薬品輸送における鉄道輸送の可能性が広がったものと認識しています。本取組を通じて、国内医薬品輸送における、環境に優しい、持続的なサプライチェーンの構築に今後も貢献できるように努めてまいります。」と述べています。

武田薬品は、すべての患者さんのために、ともに働く仲間のために、いのちを育む地球のために、長期的な価値を創造することを約束しており、その一環としてスコープ3の温室効果ガス排出量削減に向け、サプライヤー企業とともに様々な施策を推進しています。また、三菱倉庫グループにおいてもESG経営/SDGs対応の一環として効率的な輸配送等の実施によるCO2削減に取り組んでいます。JR貨物では優れた環境特性を有する貨物鉄道輸送サービスを提供することで、CO2削減に貢献しています。

武田薬品、三菱倉庫およびJR貨物は、本取り組みのエリアおよび対象となる特約店を拡大し更に推進することで、地球環境負荷低減に貢献していきます。

※1 経済産業省・国土交通省が共同作成した、「ロジスティクス分野におけるCO2排出量算定方法共同ガイドライン(出典)に基づき、三菱倉庫およびJR貨物が算出。
※2 参考:国土交通省「物流の2024年問題について」
   https://www.mlit.go.jp/policy/shingikai/content/001620626.pdf


英語版プレスリリースはこちら
Please find the English press release from here


<武田薬品について>
武田薬品工業株式会社(TSE:4502/NYSE:TAK)は、世界中の人々の健康と、輝かしい未来に貢献することを目指しています。消化器系・炎症性疾患、希少疾患、血漿分画製剤、ニューロサイエンス(神経精神疾患)、オンコロジー(がん)、ワクチンといった主要な疾患領域および事業分野において、革新的な医薬品の創出に向けて取り組んでいます。パートナーとともに、強固かつ多様なパイプラインを構築することで新たな治療選択肢をお届けし、患者さんの生活の質の向上に貢献できるよう活動しています。武田薬品は、日本に本社を置き、自らの企業理念に基づき患者さんを中心に考えるというバリュー(価値観)を根幹とする、研究開発型のバイオ医薬品のリーディングカンパニーです。2世紀以上にわたり形作られてきた価値観に基づき、社会における存在意義(パーパス)を果たすため、約80の国と地域で活動しています。
詳細については、https://www.takeda.com/jp/ をご覧ください。

<三菱倉庫について>
三菱倉庫株式会社は、倉庫保管から陸上運送、国際輸送まで一貫した物流サービスを提供し、医薬品、食品・飲料、電機、自動車部品など幅広いお客様のサプライチェーンをサポートするロジスティクス企業です。医薬品物流の分野では、40年近くにわたり多くの製薬メーカー様の配送センターを運営する中で培ったノウハウを活かし、高品質な物流サービスを提供しています。
詳細については、https://www.mitsubishi-logistics.co.jp/ をご覧ください。

<JR貨物について>
日本貨物鉄道株式会社は、全国に広がる鉄道ネットワークを生かした貨物鉄道輸送を行っています。貨物鉄道は一度に大量の物資を運べ、優れた環境特性を有した輸送モードであり、特に中長距離輸送においてその特性を発揮し、近年、深刻化する労働力不足問題の解決にも貢献できます。今後も鉄道を基軸に、お客様にとって最適な物流ソリューションをワンストップで提供する総合物流事業を推進していきます。
詳細については、https://www.jrfreight.co.jp/ をご覧ください。


<報道関係問合せ先>
武田薬品工業株式会社
グローバル マニュファクチャリング&サプライ コミュニケ―ション
飯山 久美
080-5789-7742